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利用者:Childhoodsendz/sandbox

宇宙塔

佐藤博士(さとうひろし)によるハードSF小説「宇宙塔~自立塔とリニアモーター駆動エレベーターによる宇宙への往復~」1)に登場する高さ300kmの架空の建造物。
この塔の中心部にリニアモーター駆動エレベーター(旅客用の上り線/下り線、貨物用の上り線/下り線の計4系統)が設置され、地表駅から高度300kmの宇宙駅まで45分で到達する。
シングルウォールカーボンナノチューブ(略称:SWCNT)(密度0.037g/cm3、水の1/27の密度)から紡ぎ出された糸を使用し、複数の縦糸をこれに直交するように横糸を巻いて束ねて棒S1を作り、複数の棒S1を束ねて横糸で巻いて棒S2を作り、複数の棒S2を束ねて横糸で巻いて棒S3を作り、以下、同様の方法で順次、棒S4,S5,S6,...と、より太い棒を作って行き、直径10m,長さ1001.25mの円柱を作る。この円柱1本の重量は約10tonであり、この円柱は自重の1000倍の圧縮負荷でも破断しないと言う設定である。宇宙塔は、この円柱を組み合わせて建設される。
高度300kmの塔の先端にある宇宙駅P0は、P0の下に1000m、P0の中心から東西南北に各50m離れた位置P1に、上記の円柱を配置して支えられる。これらの4つのP1も同様に、P1の下に1000m、P1の中心から東西南北に各50m離れた位置P2に、上記の円柱を配置して支えられる。以下、同様にP3,P4,・・・,P299,P300と1本の円柱を4本の円柱が支える構造が300段(300層)積み重なって宇宙塔が建設される。
同じ層の各支点Pn間は、円柱と同じ材質のワイヤーで接合される。P0~P1を第1段(1層)、P1~P2を第2段(2層)として、各段(層)の円柱の本数Aと累積本数Bは次の表の通り。

段(層) 各段の円柱の数 A 各段までの円柱の数の和 B B/A
L1 4 4 1.00
L2 12 16 1.33
L3 24 40 1.67
L298 178,204 17,820,400 100.00
L299 179,400 17,999,800 100.33
L300 180,600 18,180,400 100.67

この表からP300では、Bの総計18,180,400本の円柱の重量をAの180,600本の円柱が支えている事が解る。P300の円柱が均等に宇宙塔の全重量を負担すると、1個のP300が約101本分の重量を負担する事が解る。1本の円柱は自重の1000倍の圧縮負荷でも破断しないとの設定であり、安全係数は約10倍もあるとの設定である。
塔の建設は、P300の中心付近から、クレーンで円柱を立てて、4本の円柱でP299を作り、P299を4つ作ったら、その上に円柱を立ててP298を作り、以下、同様の方法で、塔の中心部から外へ、下から上へと円柱を組み立てて行く。クレーンでの円柱の引き上げ、円柱と円柱の接合などとクレーン自体の垂直/水平方向への移動はロボット化され、無人で行われる。
建設現場は、希薄な大気~真空で、日中は強烈な太陽光線に晒され、昼夜を問わず宇宙線に晒される。太陽フレアに備えて遮蔽避難室を設置し、宇宙服レベルの作業服を着用した作業員が直ぐに避難できるように、避難室は常に作業現場の直ぐ近くに移動して置く必要がある。
P300エリアは、南北に30km、東西に30kmの対角線を持つ正方形となり、ここに高さ300kmの四角錐の宇宙塔が建設される。小説の中では、P300エリアを東西に40kmとP0を点では無く、東西に10kmの線にして、リニアモーターで西から東に向けて第一宇宙速度(7.54km/s[27,144km/h])まで加速して、液体水素タンク/液体酸素タンクとこれらを燃料とするロケットエンジンを搭載した荷室(ロケット)を射出する宇宙塔についても言及している。
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