利用者:Chrollo966/コンパクト元
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順序理論において、半順序集合上のある要素が、その要素以上の元を持たない非空有向集合の上限に含まれないとき、コンパクトあるいは有限であるという。
コンパクト性の概念は他にもあり、特に通常の集合論的な意味での「有限」という用語は順序理論においての「有限要素」の概念とは両立しないことに注意。
形式的定義
[編集]半順序集合 (P, ≤) 上の要素 c が以下の同値な条件を満たすとき、コンパクト(あるいは有限)と呼ばれる:
- P の任意の有向部分集合 D に対して、D が上限 sup D を持ち、かつ c ≤ sup D ならば c ≤ d を満たす D の元 d が存在する。
- P の任意のイデアル I に対して、I が 上限 sup I を持ち、かつ c ≤ sup I ならば、c は I の元である。
さらに、半順序集合 P が結び半束(すなわち、任意の二元の上限が存在する)であるとき、これらの条件は以下の命題と同値である:
- P の空でない部分集合 S に対して、S が上限 sup S を持ち、かつ c ≤ sup S ならば、c ≤ sup T である S の有限部分集合 T が存在する。
特に、c = sup S のとき、c は有限部分集合 S の上限である。
これらの同値性は、関連する概念の定義から簡単に導かれる。結び半束の場合、有限の(空でない)上限で閉じることによって、任意の集合は同じ上限を持つ有向集合に変換することができることに注意。
有向完備半順序や完備束を考えるときは当然、特定の上限が存在するという追加条件を省くことができる。さらに、有向完備である結び半束は完備束になることに注意(最小元を持たないこともある)。詳細については、コンパクト性(順序理論)を参照。
半順序集合の最小元は、存在すれば常にコンパクトである。これは唯一のコンパクト要素になりうる。例として実数の単位区間 [0, 1] がある。
例
[編集][[Category:順序構造]]