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利用者:CmplstofB/sandbox/単位記号の情報交換用表記方法

単位記号の情報交換用表記方法: Representation of unit symbols for information interchange)とは, 情報処理・伝送機構間及び対人での情報交換における国際単位系及び併用が認められている単位記号の表記方法である[1](規格概要)

規格[編集]

単位記号の情報交換用表記方法は日本産業規格JIS X 0124で定められており, 国際規格分類は35.080である[1](ICS)。 当規格は一般財団法人日本情報経済社会推進協会が作成した原案を基に1975年に制定され1981年に改正された後, 1987年の移行を経て1993年に改正されたものが2019年現在最新版である[1](履歴)

表記形式[編集]

表記形式には第一形式及び第二形式の2種類がある[2]:1

第一形式
<第一形式> ::= <第一形式> | <第一形式構成文字>
<第一形式構成文字> ::= <欧大文字> | <欧小文字> | <洋数字> | <七記号>
<欧大文字> ::= [A-Z]
<欧小文字> ::= [a-z]
<洋数字> ::= [0-9]
<七記号> ::= <U+0027 “'” 省略符号> | <U+0022 “"” 引用符号> | <U+002D “-” ハイフン> | <U+002E “.” 終止符> |
<七記号> ::= <U+002E “/” 斜線> | <U+0028 “(” 左丸括弧> | <U+0028 “)” 右丸括弧>
第二形式
<第一形式> ::= <第一形式> | <第一形式構成文字>
<第一形式構成文字> ::= <欧大文字> | <洋数字> | <五記号>
<欧大文字> ::= [A-Z]
<洋数字> ::= [0-9]
<五記号> ::= <U+002D “-” ハイフン> | <U+002E “.” 終止符> | <U+002E “/” 斜線> | <U+0028 “(” 左丸括弧> | <U+0028 “)” 右丸括弧>

本稿の以降では,特に断らない場合は第一形式で示す。

表記方法の原則[編集]

表記方法には次の4項の原則が適用される[2]:1

1. 複数形は用いず,終止符も付けない。

数値と単位記号との間には1字分の間隔を入れてもよい。
: 長さの量の値5 m

2. 基本単位の乗算で表わされる単位では,その間に終止符を入れる。

: 力矩の単位N.m

3. 基本単位の冪乗で表わされる単位では,単位記号の直後に冪指数を付ける。

: 体積の単位m3

4. 基本単位の除算で表わされる単位では,分子と分母の間に斜線を入れる。

斜線より後ろの終止符は分母同士の乗算を示す。
例1: 速度の単位m/s
例2: 熱伝導率の単位W/m.K

接頭辞記号[編集]

ここで接頭辞記号とは10の冪乗倍を表わす接頭辞の記号である。

表記方法[編集]

接頭辞記号の表記方法は次掲の表に拠る[2]:2

接頭辞の記号の表記方法
接頭語 情報交換用表記方法
倍数 名称 第一形式 第二形式
1018 エクサ E ex
1015 ペタ P pe
1012 テラ T t
109 ギガ G G
106 メガ M ma
103 キロ k k
102 ヘクト h h
101 デカ da da
10−1 デシ d d
10−2 センチ c c
10−3 ミリ m m
10−6 マイクロ u u
10−9 ナノ n n
10−12 ピコ p p
10−15 フェムト f f
10−18 アト a a

使用方法[編集]

接頭辞記号の表記方法には次の4項の原則が適用される[2]:2

1. 接頭辞記号は単位記号と組み合わせて用い,単独で用いてはならない。

: Tを単独で用いた場合は単位としてのテスラを意味しており,接頭辞としてのテラを意味していない。

2. 接頭辞記号と単位記号はそれぞれ同一の形式(第一型式及び第二型式)を組み合わせ,複数の型式を混用してはならない。

3. 接頭辞記号は単位記号との間隔を開けないで前置する。

単位記号及び前置した接頭辞記号は一体に扱う。従って,接頭辞記号を前置した単位記号に付いた冪指数はそれ全体に掛かると見做す。
: 立方センチメートルの単位cm3(10−2m)3 = 10−6m3を意味しており,10−2m3を意味しない。

4. 接頭辞記号を二重に用いてはならない。

5. 質量の単位kgには,接頭辞記号を付けてはならない。

質量の単位を表わすのに接頭辞が必要な場合は,単位記号gに接頭辞記号を付ける。
但し,単位の除算において,その分母にkgがある場合は,kgのまま表記する。
例1: トンの単位記号はkkgではなくMgである。
例2: メガシーベルトの単位記号はkJ/gでなくMJ/kgである。

単位記号の情報交換用表記方法[編集]

一般に用いられる単位及びその記号の情報交換用表記方法を示したものである。

諸事項

  • 点線は,SI及びSI併用単位とそれ以外を区分している。〔同一量に対する単位記号の内,〕点線より下は参考である[2]:2
  • 太字はSI単位の名称である。
空間及び時間[2]:3-4
番号 量,単位の名称及び単位記号 情報交換用表記方法
単位の名称 単位記号 第一形式 第二形式
1-1 平面角,角度 ラジアン rad rad RAD
° deg DEG
' MNT
" SEC
pt pt PT
グラート,ゴン g, gon gon GON
1-2 立体角 ステラジアン sr sr SR
1-3 長さ,幅,高さ,厚さ,
半径,直径,道の長さ,
距離
メートル m m M
オングストローム Å Ang ANG
海里 n mile,
M, nm, ′
nam NAM
天文単位 AU AU ASU
パーセク pc pc PRS
光年 l. y. ly LY
ミクロン µ micrn MICRN
インチ in in IN
フート ft foot FOOT
ヤード yd yd YD
マイル mile mile MILE
1-4 曲率 毎メートル m-1 1/m 1/M
1-5 面積 平方メートル m2 m M
アール a a ARE
ヘクタール ha ha HAR
平方インチ in2 in2 IN2
平方フート ft2 foot2 FOOT2
平方ヤード yd2 yd2 YD2
平方マイル mile2 mile2 MILE2
エーカー acre acre ACRE
1-6 体積,容量 立方メートル m3 m3 M3

脚注[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

仕様書・規格票[編集]

関連項目[編集]

関連規格[編集]

外部リンク[編集]