利用者:Damena/temp6
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各種顆粒球の発生についての検討。文献からの引用を含む。一部、約物などは文意を損なわない程度に改変した。
文献A
[編集]- 出典:『最新カラー組織学』西村書店、2003年。ISBN 978-4890133086
- 原著:Leslie P. Gartner PhD, James L. Hiatt PhD: Color Textbook of Histology, Saunders; 2 edition (2001). ISBN 978-0721688060
- 成熟血球が形成される過程の細胞を、血球ごとにまとめると以下のようになる。(205-206頁、“杆”は原文ママ)
- CFU-S → CFU-好酸球系 → 骨髄芽球 → 前骨髄球 → 好酸骨髄球 → 好酸後骨髄球 → 好酸杆核球 → 好酸球
- CFU-S → CFU-好塩基球系 → 骨髄芽球 → 前骨髄球 → 好塩基骨髄球 → 好塩基後骨髄球 → 好塩基杆核球 → 好塩基球
- CFU-S → CFU-GM → CFU-G → 骨髄芽球 → 前骨髄球 → 好中骨髄球 → 好中後骨髄球 → 好中杆核球 → 好中球
- 以上は、Gartner LP, HIatt JL, Strum J: Histology. Baltimore, Williams & Wilkins, 1988. の孫引き。
- 骨髄芽球と前骨髄芽球レベルでは、好酸球、好中球、好塩基球の3種類の系列は区別できない。(207頁)
- 以下のものを模式図で明示している。(207頁)
- 骨髄芽球
- 前骨髄球
- 好酸球系(好酸骨髄球、好酸後骨髄球、好酸杆核球、好酸球)
- 好中球系(好中骨髄球、好中後骨髄球、好中杆核球、好中球)
- 好塩基球系(好塩基骨髄球、好酸塩基骨髄球、好塩基杆核球、好塩基球)
文献B
[編集]- 出典:『人体組織学 原書第2版』南江堂、1999年。ISBN 978-4524216130
- 原著:James S. Lowe, Alan Stevens: Human Histology, Mosby; 2 edition (1997). ISBN 978-0723424857
- 形態学的に鑑別可能な果粒球の内、もっとも未熟な段階の細胞が骨髄芽球myeloblastである。(115頁、“果”は原文ママ)
- さらに成熟が進み、前骨髄球promyelocyte、骨髄球myelocyte、後骨髄球metamyelocyte、桿状核球band cellとなる。(115頁)
- 好酸球は、前駆細胞であるCFU-Eoがサイトカイン刺激をうけて、増殖、分化した細胞である。(115頁)
- 好酸球の骨髄芽球は好中球の骨髄芽球によく似た形態を示し、以後も同様の成熟過程を示す。(115頁)
- 好酸球は初期の骨髄球の段階において、大型の顆粒級を有することにより、好中球の骨髄芽球とは容易に鑑別可能である。(115頁。下線部は、“骨髄球”の誤りだろうか?)
- 好塩基球の前駆細胞はCFU-Basである。(115頁)
- 好塩基球の骨髄芽球も好中球の骨髄芽球と類似しており、その後、好中球、好酸球と同様の過程を経て成熟する。(116頁)
- 好塩基性果粒は、好塩基球の骨髄球の初期の段階ではっきりと識別されるようになる。(116頁)
文献C
[編集]- 出典:『di Fiore 人体組織図譜』南江堂、2003年。ISBN 978-4524235179
- 原著:Victor P. Eroschenko: diFiore's Atlas of Histology with Functional Correlations, Lippincott Williams & Wilkins; 8th edition (1996). ISBN 978-0683028188
- 以下のように分化の過程を模式図で明示している。(62頁)
- 骨髄芽球 → 骨髄芽球 → 前骨髄球 → 酸好性骨髄球 → 酸好性後骨髄球 → 酸好性桿状細胞 → 好酸球
- 骨髄芽球 → 骨髄芽球 → 前骨髄球 → 中性好性骨髄球 → 中性好性後骨髄球 → 中性好性桿状細胞 → 好中球
- 骨髄芽球 → 骨髄芽球 → 前骨髄球 → 塩基好性骨髄球 → 塩基好性後骨髄球 → 塩基好性桿状細胞 → 好塩基球
- 果粒球系の細胞もまた多能性幹細胞に由来するが、この系列の前駆細胞として最初に同定できるのが骨髄芽球である。(70頁)
- 骨髄芽球の塗抹標本を図示。(71頁)
- 骨髄芽球の細胞質は、塩基好性であるが、特殊果粒はない。(70頁)
- 前骨髄球は、初期と後期にわけられる。後期に近づくにつれて核の周囲に特殊果粒が、いろいろな染色性を示して現れる。(70頁)
- 前骨髄球の初期と後期の塗抹標本をそれぞれ図示。(71頁)
- 骨髄球は、特殊果粒が増加している。(70頁)
- 中性好性早期骨髄球と塩基好性早期骨髄球の塗抹標本をそれぞれ図示。(71頁)
- さらに成熟した骨髄球では特殊果粒が豊富になる。(70頁)
- 塩基好性骨髄球、酸好性骨髄球、中性好性骨髄球の塗抹標本をそれぞれ図示。(71頁)
- 後骨髄球では、核の形が成熟細胞に近づく。(70頁)
- 中性後骨髄球(早期)、幼弱な好中球(桿状細胞と後骨髄球の中間的形態)の塗抹標本をそれぞれ図示。(71頁)
- 塩基好性後骨髄球、塩基好性後骨髄球(早期)、酸好性骨髄球、幼弱な好酸球の塗抹標本をそれぞれ図示。(71頁)
- 好中球の核は数にわかれる。(64頁)
- 好中球の核の分葉が少ないのは、未熟な好中球であることを示している。(64頁)
- 好中球(分葉)の塗抹標本を図示。(65頁)
- 好酸球は2個に分葉することが多いが、小さい3番目の葉がみられることもある。(66頁)
- 好酸球(2分葉)の塗抹標本を図示。(67頁)
- 好塩基球の核は明瞭な分葉を示さず、果粒のために核がよくみえないことが多い。(66頁)
- 好塩基球(分葉は不明瞭)の塗抹標本を図示。(67頁)
文献D
[編集]- 藤田尚男、藤田恒夫『標準組織学 総論』医学書院、2002年。ISBN 978-4260100731
- 好中球の分葉した葉の数は2個から5個にわたっている。(214頁)
- Arneth (1904)は、好中球を核の分葉の数によって、I型からV型に分けた。(215頁)
- 現在では核の分葉によって好中球の成熟度がわかるということには疑問もあるが、臨床的にこの分類はよく用いられている。(216頁)
- 好酸球(酸好性白血球)の核は、2個に分葉“ハの字”型を呈することが多い。(216頁)
- 好酸球の電顕像(15000倍)を掲載。(217頁)
- 血液中の好塩基球(塩基好性白血球)は、ヒトでも多くの動物でも核が分葉している。(217頁)
- 血球の分化の系統を以下のように模式図で明示している。(227頁)
- 骨髄系幹細胞 → 幼弱な好塩基球 → 好塩基球
- 骨髄系幹細胞 → 幼弱な好酸球 → 好酸球
- 骨髄系幹細胞 → 前骨髄球(中性好性) → 骨髄球(中性好性) → 好中球
- 果粒白血球の発生過程を以下のように説明している。(228頁)
- 骨髄系幹細胞 → 中性好性前骨髄細胞(球) → 中性好性骨髄細胞(球)→ 中性好性後骨髄細胞(球)→ 好中球
- 骨髄系幹細胞 → 酸好性前骨髄細胞(球) → 酸好性骨髄細胞(球)→ 酸好性後骨髄細胞(球)→ 好酸球
- 骨髄系幹細胞 → 塩基好性前骨髄細胞(球) → 塩基好性骨髄細胞(球)→ 塩基好性後骨髄細胞(球)→ 好塩基球
- 前骨髄球では、それぞれの果粒球に特有な果粒が少数みられる。しかし中性好性、酸好性、塩基好性の区別はつきにくい。(229頁)
- 骨髄球では、中性好性、酸好性、塩基好性の特殊果粒が数多く出現してくる。(229頁)
- 後骨髄球は、果粒白血球の幼弱型と考えられるもので、それぞれの型に特有な果粒が細胞質をみたす。(229頁)
- 胸骨穿刺標本で観察された好塩基球(幼弱、成熟)、好酸球(幼弱、成熟)、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、好中球(分葉核)を図示。(229頁)