利用者:Doraemonplus/カテゴリの定義の改訂私案

ウィキペディアのカテゴリは、ウィキペディアに現存する記事の主題別索引を利用者に提供するために作成するものです。配列が五十音順ではない一覧表など、索引の用途に向かない記事のリストは、カテゴリの代わりに一覧記事を作成するか、ナビゲーションテンプレートを作成することを検討してください。

カテゴリの定義[編集]

カテゴリはウィキペディアの記事の索引を作成するための機能で、主に「分類」と「テーマ」を示すものです。

1. カテゴリは第一義として「分類」を示すものです。
「XXはYYの一つである」ということができれば、「分類」を示すといえます。このとき、記事XXはカテゴリYYに属するべきです。例として、地球は太陽系の惑星の一つなので、Category:太陽系の惑星に分類されます。反例として、冥王星は太陽系の天体ですが、惑星ではないため、Category:太陽系の惑星には分類されません。天文家天文学者は関連がありますが、一方が他方を包含する関係にはないため、混交した分類は不適当です。
2. 上記に加えて、カテゴリは「テーマ」を示すことができます。
「分類」より「テーマ」を指向しているカテゴリも存在します。「記事XXがテーマYYに即する」という意味合いでカテゴリYYに含められることが期待される場合があります。例として、紅葉Category:秋花 (瀧廉太郎)Category:隅田川の関係など。この場合も、カテゴリはより上位の概念であることが求められるため、カテゴリのテーマが記事の主題属性を表すのとは逆の上下関係、あるいは従属関係の不明瞭な関係ではあり得ません。反例として、暴れ川Category:利根川水系一万円紙幣Category:聖徳太子の関係など。
3. さらに、カテゴリはウィキペディアの骨組みの意味を持ちます。
カテゴリ機能の普及によって、カテゴリの構造がウィキペディアの全体構造を示すこととなりました。カテゴリ同士の関係もウィキペディア全体を意識した一貫性や無矛盾性が求められます。よいカテゴリ構造を作ることが、わかりやすいウィキペディアを作ることにつながります。似た意味合いのカテゴリや大きく重複するカテゴリがある場合は、なるべく内容をすり合わせ、統合を検討しましょう。併存させる場合も、明確な使い分けの方針を決めましょう。そうしなければ、混乱が永続することになります(例:「文房具」と「事務用品」など)。

カテゴリは何ではないか[編集]

1. カテゴリはキーワードやタグではありません

ウィキペディアのカテゴリは、近年SNSでよく使われるハッシュタグ(タグの一種)とは異なります。カテゴリは一定の確立した主題属性を表す整然とした階層構造を持つ一方、タグは無制限に作成され得る種々雑多なキーワードでしかなく、寄せ集めても系統的に整理することが困難なものです。テーマを指向するカテゴリであっても、よく主題分析された属性を表し、かつ他のカテゴリとの包含関係を明確に位置づけられるテーマでなければなりません。

2. カテゴリは単なる記事の索引ではありません

カテゴリページにはカテゴリに属する記事の一覧が表示されますが、それだけではありません。一覧記事とは異なり、カテゴリは階層化された集合を表現してもいます。この特徴を利用したincategory/deepcat検索やPetScanのような高度な検索オプションの用意があることに鑑み、ウィキペディアのカテゴリは、これらの検索方法に対応して、重なり合う集合に属する記事を機械的に検索可能な内容と構造を備えていることが期待されます。

3. カテゴリはカテゴリを分類するものではありません

カテゴリは主に記事を分類・整理するために使用されます。記事をカテゴライズする延長上でカテゴリを同様にカテゴライズしないでください。詳しくは後述しますが、記事をカテゴライズするの(索引化)とカテゴリをカテゴライズするの(構造化)とでは、編集操作は同じでも、その意味合いは全く異なります。なお、この項では「分類」(類に分ける)と「カテゴライズ」(カテゴリに入れる)を別の意味で用いて区別している点に注意してください。

留意事項

MediaWikiのカテゴリ機能は従属関係(概念の上下関係)以外の関係を表現するのには向いていません。概念間の多様な関係を表現するには、ウィキデータが適しています。

また、項目同士の関連性が希薄なカテゴリ、過剰に構造化されたカテゴリなど、内容の薄い索引の作成は、カテゴリ名前空間を空虚にするばかりでなく、利用者にとっては、カテゴリ探索の際に迷子になったり、目的の記事を見つけにくくなったりする原因となりますので、作成をご遠慮ください。現存記事の五十音索引以上の内容を伴う一覧については、代わりに一覧記事あるいはナビゲーションテンプレートの作成をご検討ください。

カテゴリの類型[編集]

ウィキペディアのカテゴリ体系では、カテゴリの類型は確立されていません。しかし、主に2つの異なるタイプのカテゴリとその組み合わせ、および構造化のためのカテゴリが自然発生的に存在しています。

クラスカテゴリ[編集]

カテゴリの定義でいう「分類」を示すカテゴリのことを「クラスカテゴリ」または「オブジェクトカテゴリ」と呼びます。クラスカテゴリは「オブジェクト」となるページがどのような「クラス」に属するのかを示すものです。「オブジェクトXXはクラスYYの一つである」という関係が成り立つとき、記事XXはカテゴリYYに分類されます。通例、クラスYYには一般名詞が、オブジェクトXXには固有名詞が、それぞれ入ります。たとえば、Category:山に分類される記事(富士山マッターホルンキリマンジャロなど)は、すべて「山(の一つ)である」という分類基準を満たすものです。

テーマカテゴリ[編集]

カテゴリの定義でいう「テーマ」を示すカテゴリのことを「テーマカテゴリ」または「トピックカテゴリ」と呼びます。テーマカテゴリは「トピック」となるページがどのような「テーマ」に即するのかを示すものです。「トピックXXはテーマYYに即する」という関係が成り立つとき、記事XXはカテゴリYYに含めることができます。テーマYYには、「自然」「文学」といった一般名詞だけでなく、「隅田川」「芥川龍之介」といった固有名詞が入ります。トピックXXは、一般名詞か固有名詞かを問わず、あらゆる記事が候補となり得ます。たとえば、Category:秋には、「秋」というテーマに即する、月見紅葉台風といったトピックが含められます。

交差カテゴリ[編集]

ウィキペディアのカテゴリでは、2つのカテゴリに共通する項目の集合を組み合わせたカテゴリが作成されることがあります。このようなカテゴリを「交差カテゴリ」または「クロスカテゴリ」と呼びます。たとえば、Category:ジャズの楽曲にはCategory:ジャズCategory:楽曲が交わるところに属する記事が含まれています。交差カテゴリは、「ジャズの楽曲」のようにクラスカテゴリ的な性質を持つものと、「アメリカ合衆国の文化」のようにテーマカテゴリ的な性質を持つものとに分けられます。なお、交差カテゴリの組み合わせの元は2つとは限りません。「20世紀日本の数学者」のように「20世紀」×「日本」×「数学者」という3元的な交差カテゴリも存在します。

構造カテゴリ[編集]

上記に加えて、カテゴリ体系を構造化するために、それ自体は記事の索引を伴わない、中間的なカテゴリが作成されることがあります。このようなカテゴリを「構造カテゴリ」と呼びます。構造カテゴリは主に同類の交差カテゴリを束ねて親カテゴリの見通しをよくするために利用されます。Category:イングランドのサッカー選手Category:ドイツのサッカー選手Category:ブラジルのサッカー選手などを束ねるCategory:各国のサッカー選手や、Category:日本の企業を産業別に分類した各サブカテゴリを束ねるCategory:日本の企業 (産業別)はその一例です。

カテゴリの工程[編集]

一般にカテゴリの作成に関係する作業は、

  1. 記事(主題)にカテゴリ(主題領域)を割り当てる索引化作業
  2. 割り当てたカテゴリ(主題領域)を上位カテゴリ(上位の主題領域)に組み込む構造化作業

の2段階に分かれています。図書館情報学の用語を借りれば、上記の1.と2.をまとめて、情報資源(記事)の組織化作業ということもできるでしょう。カテゴリはウィキペディアの骨組みの意味を持つとは、このことです。

それぞれ実例を挙げて説明すると、記事「ウィキペディア」や「ジャパンナレッジ」にCategory:オンライン百科事典を割り当てる作業が索引化、割り当てたCategory:オンライン百科事典を上位のCategory:百科事典Category:オンライン情報源に組み込む作業が構造化に相当します。

ここで注意すべきは、Category:百科事典Category:オンライン情報源は、サブカテゴリのCategory:オンライン百科事典を介して、同カテゴリに含まれる記事「ウィキペディア」や「ジャパンナレッジ」を分類しているという点です。しばしば、サブカテゴリの題名に基づいてカテゴライズが行われがちですが、上位カテゴリは下位カテゴリに含まれるすべての記事を間接的に分類しているということを常に心に留め、サブカテゴリが表す内容(記事を要素とする集合全体)を考慮して、適切にカテゴリの構造化を行うようにしましょう。構造化についての詳細は、カテゴリの構造を参照してください。

カテゴリの構造[編集]

多くのカテゴリは一つ以上の親カテゴリに属します。たとえば、Category:日本の作家Category:各国の作家Category:日本の人物 (職業別)の両方に含まれています。あるカテゴリを他のカテゴリのサブカテゴリとする場合、前者のカテゴリの内容が(ある程度の例外はあり得ますが)後者のカテゴリの内容として含まれ得るものであることを確認してください。カテゴリの上下関係は親子関係であり、ループ構造(循環参照)にならないように注意してください。ある二つのカテゴリ同士に深い関係があるけれども、互いに上下関係を作らないような場合は、一方を他方のサブカテゴリとはせず、{{Catlink}}を利用するなどして、カテゴリの本文で関連づけるに留めてください。