利用者:Dr.eXtreme/草稿 - ソニーカード
ソニーカード(Sony Card)は、株式会社ソニー銀行が発行するクレジットカードである。
概要
[編集]ソニーファイナンスインターナショナル(SFI)の事業整理の一環として、2011年5月1日付けでクレジットカード事業をソニー銀行へ譲渡。これにより従来の信販系(狭義には電機メーカー系)から銀行系カードへ転換し再スタートを切った。独自加盟店を持たず、且つ銀行本体が三井住友カードのVISA発行ライセンスを使用する形態ではあるが、VJAには加盟せず独立したポジションを維持している。
次項ではSFI時代から事業譲渡へ至るまでの変遷について記述する。
変遷
[編集]初代「Sony Card」(ハウスカード)
[編集]Sony Cardは、SFIにより1983年からソニー特約店の顧客向けに発行を開始したクレジットカードで、ソニーショップやソニー特約店[1]でのショッピングのみ使えるハウスカードであった。俗に特約店カードとも言われる。
- 1991年頃までに、およそ100万枚発行したとされる。後年、限度額が100万円の「Sony Gold Card(ソニーゴールドカード)」も募集・発行された。2009年11月に取り扱いを終了、既存会員は強制退会となった。
ソニーカードエンタテイメント
[編集]Sony Card Entertainmentは、UCカード・DCカード・MCカード(現在のUFJカード)の提携3社何れかのカード(国際ブランドはVISA及びMasterCard)にソニーカード(ハウスカード)を一体化したコ・ブランドカードであり、1992年12月から募集・発行を開始した。その後JCB提携カードも発行されている。
- 電機メーカー系信販会社の中で国際ブランドの付いた汎用クレジットカードを発行したのは日立クレジット(現在の日立キャピタル)に次いで2番目であった。
- コ・ブランドカードとなり、提携カード会社のプロパー(一般)カードと同等のサービスが利用できるほかに、独自の特典としてソニー特約店で購入したソニー製品(除外製品あり)のメーカー保証が通常1年間のところ、5年間保証となる「修理保証サービス」と、購入日から1年以内に破損・火災・盗難などに遭った場合に修理費あるいは購入金額を支払う動産保険制度「ソニープロダクツセキュリティ」が付帯されているのが特徴であった。なお、このうち修理保証サービスについては2009年3月を以って終了、カードの新規募集も2010年3月までに終了している。
- 後年、So-netやスカイパーフェクTV! などとの提携カードも発行されたが、これらも提携打ち切りとなった。あるものは提携先(UC・DC・UFJ・JCB)からの発行へ移行、またあるものはMy Sony Card提携版として継続するが、後者については全て発行を終了している(後述)。
My Sony Card
[編集]ソニーファイナンスが発行する事実上のプロパーカードで、2002年4月より「My Sony Card」として自社単独発行を開始。
- ポストペイ決済であるeLIOと電子マネーEdyの機能がカード内部のFelicaの中に搭載され、国際ブランドとして三井住友カードからのライセンス供与によりVISAが付帯されている。国内ではVJA提携ATM・CD網で、海外ではPLUS網のATMでキャッシングが出来る。
- eLIO(エリオ)は、SFIが新規に創設したネットショッピング専用のカードブランド[2]で、加盟店では、PaSoRiなどの対応ICカード読み取り機上にeLIOカードを置くだけで認証と決済が出来る。また、2004年夏からはNTTドコモのおサイフケータイ対応機種で、事前にeLIOカードの登録(紐付け)を済ませ、携帯電話での対応通販サイトで決済時に、パスワードを入力するだけで決済が完了する「eLIOオーダー」というサービスも開始された。同様のサービスは2007年よりNTTドコモのiDにおいて「ネット決済」として取扱が開始された。
- eLIO・VISA加盟店で購入したソニー製品に対して、ソニーカードエンタテイメントと同じく「ソニープロダクツセキュリティ」が付帯されている。
- My Sony Cardは2001年11月頃のプレス発表やマスコミ報道の時点ではSony Cardという仮称であったが、前述の「Sony Card(ハウスカード)」の後継ではない全く新たなもので、別途VISAに加盟していない従来の特約店カードの加盟店では、同じSFI発行でありながらeLIOカードでの決済は出来ない。
Sony Card Gold
[編集]2005年からはMy Sony Cardのゴールドカード版として「Sony Card Gold」が登場。一通りのカードサービスの他、いわゆる「ソニーファン」向けに銀座ソニービルなどで会員限定の展示会参加などの特典があった。
- 2009年8月31日に新規募集を停止し、2010年6月30日を以て利用を停止した。新Sony Cardへの移行は行われず、継続したい場合は任意で新規申し込みする必要が生じた。カードのデザインは先の2001年にプレス発表したSonyCardとゴールドカラーであること以外はほぼ同一である。
二代目「Sony Card」
[編集]2007年4月2日より「My Sony Card」は黒色デザインの「Sony Card」にリニューアルした。名称だけの変更ではなく、前年度1回以上(Edyチャージを除く)の利用がない場合、年会費2100円がかかるようになったなど細部に変更点がある。
- 2009年8月31日に新規募集を停止し、2010年6月30日を以てこのSony Cardの廃止を決定。2010年5月31日までに会員番号を改めた新Sony Cardが更新発行される事になったが、利用状況によっては審査の結果更新されず、6月30日を以て退会扱いとなるケースも存在した。
2通貨決済機能付きSony Card
[編集]2008年10月よりソニー銀行の円貨普通預金口座と米ドル建て外貨普通預金口座保有の20歳以上の者を対象に募集が開始された。
- 基本的な機能はSony Cardと共通であるが、日本円及び米ドル以外での利用分は日本円に換算されて引き落とし日に円預金口座から支払われ、米ドルでの利用分はそのまま米ドル外貨普通預金から引き落とし日に支払が行われる[3]という、ユニークな機能を持つ。「シティ・ドルカード」(現在は新規募集停止)など、全ての代金を米ドル外貨普通預金で支払うカードでは日本国内での利用が制限される場合があるが、本商品は通常のSony Cardと同様に利用可能。年会費は5250円。旧Sony Cardと異なり、更新審査をせずそのまま継続されたが、2010年6月を以て、搭載されているeLIOとキャッシングが廃止され使用不可となっている。また、リニューアル以降の更新分及び新規発行分のカードデザインは現行Sony Cardに準ずるものへ変更されている。
三代目「Sony Card」(現行版)
[編集]2010年5月より発行開始(一時新規募集を停止、同年8月頃から再開)。この版及び2通貨決済機能付きタイプがソニー銀行へ引き継がれている。
- カードデザインはそのままで背景色が従来の黒からエメラルドグリーン色に変更され、植物を原料としたプラスチック素材が使われている。基本的なクレジットカード機能及びEdy機能は旧Sony Cardと変わりはないが、キャッシング・eLIO機能[4]・ゴールドカードが廃止され、利用状況に関わらず一律で年会費(本会員1312円、家族会員420円)の徴収が行われるようになった。
提携カード
[編集]かつては、アーティストやテレビ・ラジオ局のファンクラブや店舗の会員証機能、さらには社員証や湘北短期大学の学生証など身分証機能を一体化させたカードなど、一電機メーカーの子会社の枠に留まらず多くの企業・団体と提携したカードが発行されていた。
中でも、郵政民営化以前に存在した郵貯ジョイントカードの内、エーエム・ピーエム・ジャパンとの提携で発行されていた「am/pm Earth Edy Card 郵貯」は VISA・eLIO・Edy・郵貯キャッシュサービス・J-Debitの各決済機能に、am/pmでの Edy オートチャージ機能と「Club ap」の会員証機能が自動付帯されるなど、発行当時においては日本で最も多くの機能を備えたカードであった。
また、変わり種としては親会社・ソニーと競合関係にあるNEC系のプロバイダであるBIGLOBEとの提携カードや、VISA機能を持たないサトーカメラとの提携カード「SatocameManyカード」等も発行されていた。
しかし、カード事業見直しに伴い事業譲渡が決まらなかった提携カードについては順次廃止(終了日を以てカードが無効になる)され、最後に残った「ヨドバシカメラ ゴールドポイントカードIC eLIO」も2010年10月31日に終了し、翌11月1日にゴールドポイントマーケティングへ会社分割方式で営業譲渡した。
過去の主な提携カード
[編集]カード名称 | 提携先 | 提携終了日 | 備考 |
---|---|---|---|
ANA eLIOカード | 全日本空輸 | 2009年6月30日 | |
SENRi CARD | 大江千里 | 2009年9月30日 | |
Fanticlub Card | 松田聖子 | 2009年9月30日 | |
ロヂャースeLIOカード | ロヂャース | 2009年9月30日 | 脚注参照[5] |
chemistry card | ケミストリー | 2009年10月31日 | |
メルスプランメンバーズカード | メニコン | 2009年11月30日 | |
J-WAVE PASS | J-WAVE | 2010年1月31日 | |
ZIP-PASS | ZIP-FM | 2010年1月31日 | |
FUNKY802 WEBMATE plus CARD | FM802 | 2010年1月31日 | |
BIGLOBE eLIOカード | NECビッグローブ | 2010年1月31日 | |
ジョイフル本田グループeLIOカード | ジョイフル本田 | 2010年1月31日 | ジャックスカードへ移管 |
Quadra pass | 西日本高速道路 | 2010年1月31日 | |
GEO +one CARD | ゲオ | 2010年1月31日 | |
Cinema point card | 109シネマズ | 2010年2月28日 | |
ぷららカード | NTTぷらら | 2010年3月31日 | |
My So-net Card | So-net | 2010年3月31日 | |
CPコスメティクスカード | CPコスメティクス | 2010年3月31日 | 住信SBIネット銀カードへ移管 |
ヨドバシカメラ ゴールドポイントカードIC eLIO | ヨドバシカメラ | 2010年10月31日 | ゴールドポイントマーケティングへ移管 |
脚注
[編集]- ^ 現在のソニーマーケティングと特約店契約を結んでいるソニーショップ・(主に法人向けの)販売会社を指す。
- ^ 実店舗の加盟店は存在しなかったが、実質的に「UC」や「NICOS」のような国内ブランド名として扱われる場合もあった。
- ^ 米ドル残高が不足した場合には所定のプロセスを経て円口座から充当。詳しくはソニー銀行のサイトを参照。
- ^ このロゴマークの廃止により、カードフェイス上はVISA単独機能となった。
- ^ 実店舗で唯一利用可能なクレジットカードであった。廃止後は他社と提携し直す事無く、現金決済のみの扱いとなっている。なお、ネット店舗においては国際5大ブランド(VISA、MasterCard、JCB、Amex、Diners)の利用が可能。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]Category:クレジットカード|そにかと]]