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利用者:EULE/史上最強の弟子

史上最強の弟子ケンイチの登場人物整理用

主要人物[編集]

白浜 兼一(しらはま けんいち)
風林寺 美羽(ふうりんじ みう)

梁山泊[編集]

武術を極めた達人や、スポーツ化した武道になじめない達人が集まり共同生活をしている道場。また、武術界における活人拳の象徴とされている。長老こと風林寺隼人始め6名の達人がいるが、どこかへ出掛けている達人がもう1人いる。当初は6名の達人と美羽が暮らしていたが、後に内弟子となった兼一が加わることとなる。

道場という体裁は取っているが兼一が来るまで門下生はおらず、固定収入はほぼない。警察などからの依頼や、たまに来る道場破りなどの臨時収入もあるが、基本は秋雨や剣星の診療所収入と、美羽の家計のやり繰りで何とか保っている状態。ただ基本自作できる物は自分達で作っており、敷地内の温泉や長老が発見し、別荘地とした無人島なども存在する。

風林寺 隼人(ふうりんじ はやと)
逆鬼 至緒(さかき しお)
岬越寺 秋雨(こうえつじ あきさめ)
馬 剣星(ば けんせい)
アパチャイ・ホパチャイ
香坂 しぐれ(こうさか しぐれ)
闘忠丸(とうちゅうまる)

梁山泊の親族[編集]

白浜家[編集]

白浜 ほのか(しらはま -)
白浜 元次(しらはま もとつぐ)
白浜 さおり(しらはま -)

馬一族[編集]

馬 連華(ば れんか)
馬 槍月(ば そうげつ)
馬 良(ば りょう)

その他の梁山泊の親族[編集]

林寺 砕牙(ふうりんじ さいが)
風林寺 静羽(ふうりんじ しずは)
風林寺 雫子(ふうりんじ しずこ)
しぐれの父
本名不明。しぐれの実父で刀鍛冶。
美術的要素を一切排し、人を斬ることに特化した日本刀、いわゆる「人斬り包丁」の刀工。「鋼の真実」に近づいた最高の刀を作り出すことに執念を燃やしており、そのため実戦的な刀が欲しい闇の「武器組」と手を組む。製作した刀を渡す代わりに、彼らから過去の様々な刀匠の技術を教えてもらい、それらを複合させることで独自の製法を完成させ、歴史上最も「鋼の真実」に近付いた刀匠とされる。作るだけではなく、自身も相当な剣術の腕前を持つ。また、かつて鍛冶の師から技術を盗もうとして右腕を切り落とされており、義手である。
誰も人の入らない山奥に工房を開き、幼い娘(しぐれ)と2人で暮らしていた。しぐれに親としての愛情はあるものの、人殺しの道具を作り続けた自分に親としての資格は無いとし、娘に名前も付けず、親らしいことはほとんどしてこなかった。病に侵され己の死期を悟った時、せめてしぐれに反面教師になるようにと、偶然訪れた秋雨に自分を殺すことを依頼する。秋雨との対決で、事実上自殺に近い形で崖から転落死する。最後の刀で、最も「鋼の真実」に近づいた刀を娘に残す。
香坂 八郎兵衛(こうさか はちろべえ)
香坂流武器術の達人。故人。しぐれの養父。
隻眼で頭部に傷がある老人。秋雨と交流があり、彼に対武器戦術を指南した。骨董屋を営んでるおり、しぐれの実父が製作した「人斬り包丁」を手に入れ、その調査を秋雨に依頼する。その後、しぐれを引き取って香坂流武器術を伝授し、亡くなる。

新白連合[編集]

新島春男が兼一の名前と実力を利用する形で結成した集団。「新白」とは新島の「新」と白浜の「白」から。新島は、ゆくゆくはこれを基にした格闘団体を旗揚げし、儲けようと目論んでいる。

当初は、兼一は連合の存在に否定的であったが、なし崩し的に認めざるを得なくなっている。また、新島もラグナレクの元メンバー達を巧みに吸収し、規模を大きく成長させており、兼一をそのような情況に追い込んだともいえる。

新白連合の幹部[編集]

新島 春男(にいじま はるお)
白浜 兼一
→白浜兼一
武田 一基(たけだ いっき)
宇喜田 孝造(うきた こうぞう)
九弦院 響(くげんいん ひびき)
ラグナレク第五拳豪ジークフリート。後に新白連合の隊長となる。
「不死身の作曲家」の異名を持つ、変則カウンターの使い手。西洋風の顔立ちで羽飾り帽子を被った長身・長髪の男。音楽学校に通っており、その異名通り作曲家の卵。メロディーに合わせて喋ったり、形容詞に音楽用語(主にイタリア語)を使うなど、かなりの奇人。戦いなどから作曲のインスピレーションを得、良い曲を作るために良い戦いを求める。そのため作曲の邪魔をされることを最も嫌う。兼一が最初に倒した八拳豪であり、また最初に新白連合に加入した八拳豪でもある。トールこと千秋祐馬とはラグナレク、新白連合時代通して親友。
相手のリズムを読むことで、相手の攻撃を見切ってその軸をずらし、自分の攻撃に転嫁する技で戦う。攻撃に転嫁せずとも、(ダメージを全く受けていないにも関わらず)攻撃を受けたフリをして自分から飛んだり倒れるため、一目には「不死身」に見える。また完全な受身のため、自分から攻撃はしない。不死身の理由がつかめず兼一を苦しめるが、最後は戦いの中で無拍子を完成させた兼一に敗れる(そもそも無拍子はジークフリートによる命名)。ラグナレク壊滅後には、チベットで独自に修行を積み、より変則カウンターを向上させ、相手の攻撃を無力化させる技をマスターする。それを見た梁山泊の師匠達からは、天才と言われたり、いずれ達人になれるかもしれないとまで評される。
兼一に敗れた後、自分探しの旅に出る。道中で新島のピアニカと協調し、以後、 新島を魔王と呼び慕い新白連合の隊長となる。バーサーカーやDオブDに見られるように我が身を捨てて新島を守ろうとするほどに忠誠を誓っている。兼一にも好意的で、兼一氏(けんいちうじ)と呼んでいる。荒涼高校の生徒でないにも関わらず、新白連合のメンバーと一緒にいることが多いため、ほとんど荒涼高校の生徒と呼んでも差し支えない状態にある(音楽学校の方は成績優秀のため、かなりの自由が許されている)。
「ジークフリート」の由来は不死身であることから。またラグナレク壊滅後も本名ではなくジークフリートのままで呼ばれることが多い。
千秋 祐馬(ちあき ゆうま)
谷本 夏(たにもと なつ)
南條 キサラ(なんじょう きさら)
ラグナレク第八拳豪バルキリー。後に新白連合の隊長となる。
帽子と片方の足が破れたジーンズがトレードマークの小柄な少女。テコンドーの使い手で、その腕前は男に全く引けを取らないほど強い。後述する猫の動きなど、梁山泊の師匠達からは才能ある者と評価を受けている。
登場時はラグナレクの中堅幹部でキサラ隊を率いていた。その後、力量を認められ第八拳豪バルキリーに昇格する。元々はテコンドー道場に通う真面目な女の子であったが、女という理由で対等に見られないことに嫌気が差して不良となる。そして不良との喧嘩の最中、久賀舘要に助けられ、ワルキューレ隊の一員としてラグナレク入りする。しかし、あくまでテコンドーで戦いたいという思いから、武器を用いるワルキューレ隊を辞め、実力で拳豪の座を目指すことを決意していた。独立した後も、久賀舘をフレイヤ姉として慕い、久賀舘もキサラを妹分のように認めているが、ワルキューレ隊からは裏切り者扱いされており仲が悪い。
胸が小さいことがコンプレックスで、それに触れられたり、思い起こさせるようなことが大嫌い。そのため、巨乳の美羽を「牛乳(うしちち)」と呼んで嫌っていた。また、基本的に大人ぶっており、さほど年の差がない兼一を「ボーヤ」と呼ぶ。一方で猫が大好きで、普段のキャラクターを壊してしまうほど猫に弱い。テコンドーを極めようとしたきっかけも猫であった。DオブDでは猫の動きを自身の動きに取り込み、勝利を掴んでいる。
宇喜田が自分を好いていることを偶然知り、自身もまた宇喜田への恋心を自覚する。しかし、普段はそれを認めようとしない。
「バルキリー」の由来は倒した男達を自分の部下にし、キサラ隊を大きくしていったことから。
白鳥(しらとり)
常にキサラの傍らにいる人物。長髪の美形キャラで男に見えるが実は女性。キサラを様を付けて慕っており、彼女のためなら労を惜しまず、また自身もかなりの武術の腕前。
キサラとの関係から宇喜田と勝負することなる。武術の才能のない宇喜田を一方的に攻めるが、志場がけしかけた拳銃を持った男を自身を省みず身を呈したことで彼を認める。その後、宇喜田に恋心を抱いたらしい描写があるが、未だに宇喜田は白鳥が男だと思っている。
久賀舘 要(くがたち かなめ)

新白連合の団員[編集]

水沼(みずぬま)
松井(まつい)
白鳥(しらとり)

諜報員[編集]

ロキ
20号

ラグナレク[編集]

物語初期において大きな勢力を誇る武闘派不良集団。初期メンバー「スリーオブカード」によって結成され、その強さに惹かれた者たちなどによって勢力を築く。特に「八拳豪」と呼ばれる幹部達は、単なる不良以上の強さを誇る。

建前では朝宮の師でもある「豪聖(緒方一神斎)」が率いていることになっているが、緒方が直に命令を下すことはなく、実際には八拳豪達によって運営されている。朝宮は自分達はあくまで豪聖のカリスマに惹かれ集っているに過ぎないとしている。何故、朝宮がラグナレクを結成したのかは不明であり、また直接関わらないとはいえ、緒方にも何らかの目的がある様子である。

最終的に第一拳豪オーディンこと朝宮龍斗が兼一に敗れたことで壊滅し、その座を新白連合に奪われる。

八拳豪[編集]

ラグナレクの最高幹部連で、建前では「豪聖」直属の兵ということになっている。各々が各々の性質を表した北欧神話由来のコードネームを持つ(ただし、「ハーミット」だけはタロット由来である)。それぞれが不良離れした武術の手だれであるが、その中でもオーディーン・バーサーカー・フレイヤの初期メンバー3人は「スリーオブカード」と呼ばれ、別格扱いの強さを誇る。なお、ラグナレク登場時点では「七拳豪」であったが、南條キサラが昇格し「八拳豪」となっている。

第一拳豪オーディーン
本名:朝宮龍斗。→#朝宮龍斗
第二拳豪バーサーカー
本名不明。
第三拳豪フレイヤ
本名:久賀舘要。→#久賀舘要
第四拳豪ロキ
本名不明。→#ロキ
第五拳豪ジークフリート
本名:九弦院響。→#九弦院響
第六拳豪ハーミット
本名:谷本夏。→#谷本夏
第七拳豪トール
本名:千秋祐馬。→#千秋祐馬
第八拳豪バルキリー
本名:南條キサラ。→#南條キサラ

キサラ隊[編集]

技の三人衆
武田 一基
通称「突きの武田」。詳細は武田一基の項を参照。
宇喜田 孝造
通称「投げの宇喜田」。詳細は宇喜田孝造の項を参照。
古賀 太一(こが たいち)
通称「蹴りの古賀」。ラグナレク・キサラ隊のメンバーで、技の三人衆の1人。
異名通り、蹴り技を得意とする少年。キサラの命令を受けて兼一を勧誘しようとするが一緒にいた美羽に一目惚れし、兼一に勝負を挑む。最初こそ異名通りの強さを見せるが、登場するごとにチンピラ風情な面が目立つようになる。同僚だった武田らの脱会リンチも率先して行ったり、ロキに寝返るなど、かなりの小者。ラグナレク壊滅後は登場もしない。
白鳥(しらとり)
キサラの側近。詳細は白鳥の項を参照。

その他ラグナレクの構成員[編集]

辻 新之助(つじ しんのすけ)
ラグナレクの中堅幹部で辻隊隊長。骨法の使い手(19巻以降)。
番長気質な人物で、強い信念を持つ男。実力はそう高くないものの、その意思の強さに行動よって兼一や武田など、作中の登場人物達に大きな影響を与える。長い乱雑な髪型から「モジャモジャ」と呼ばれる。
「男の価値は束ねている数で決まる」「強さとは男としての誇りを貫くこと」という持論から、いずれはラグナレクのトップになろうと考えており、同格のキサラとは第八拳豪の座を競う仲だった。また、ケンカ慣れしていることや、その意思の強さによって、実力で上回る兼一を何度か倒している。このため、武術における「強さ」の精神的な側面を重んじる梁山泊の師匠たちからも高く評価されている。
キサラと同じく兼一を部下にしようとするが拒否した兼一を叩きのめし、兼一が梁山泊の内弟子となるきっかけを作る。後日、兼一の誤解から彼の不意討ちを受けて敗北し、強くなるべく山篭りを行う。そこで出会った熊の皮を被った謎の老人より骨法を教わり、山を下りる(この間にラグナレクは壊滅していたが、辻は全く知らなかった)。その後、兼一のライバルを自称して、彼にリベンジを挑み勝利する。
ワルキューレ隊
女性のみで構成された第三拳豪フレイヤ直属部隊。各々が固有の武器を携帯しており、集団戦法を得意とする。リーダー役のトンファー使い他、「釵」「鉄扇」「棍」「投げ分銅」「薙刀」「ヌンチャク」「鞭」など様々な種類の武器を用いる。フレイヤを敬愛しており、それゆえに、かつて隊に所属し、脱退したキサラのことを裏切り者として嫌っている。
キサラがラグナレクを裏切ったということにされると、脱会リンチの執行役として彼女を襲う。猫を庇って、本気を出せないキサラに対し有利に進めるが、助けに現れたしぐれにしゃもじで敗れる。後日、フレイヤと共に襲うが、キサラと美羽を相手に全く歯が立たず、ザコ扱いされて敗北する。
ラグナレク壊滅後の具体的な立場は不明。後に、新島の依頼を受けて、新白連合メンバーの対武器戦の人員として招聘される。この時は、フレイヤの祖父・久賀舘弾祁より武器の扱いの指南を受け、かなり腕が上達している。
20号
本名不明。ロキの部下。→#20号
筑波 歳三(つくば さいぞう)
荒涼高校生で空手部副主将。ラグナレクの構成員。
がたいの良い男で黒帯有段者。部内での実力ナンバー1で、強い奴と戦うのが趣味。また、ラグナレクのメンバーとして荒涼高校の入学生の不良に喧嘩を売って実力を調べる役目を担っている(強ければ、ラグナレクへスカウトする)。
兼一と大門寺の戦いで審判を務め、勝利した兼一に興味を持つ。一度は兼一に勝つが、逆鬼にスポーツ空手の弱点を教わった兼一に敗北する。この一件によって兼一はラグナレクに目をつけられることとなる。なお、負けた筑波は、リンチを受けてラグナレクを追放された。

[編集]

「殺人拳こそ武術の真髄」を掲げ、その技の伝承を目的とする武闘系秘密組織。言語の違いによって、「ロプスキュリテ」(フランス語)、「テイムナタ」(ロシア語)などとも呼ばれる。様々な武術・流派の達人達によって構成され、大きくは無手組と武器組に分かれる。構成員は闇人(やみうど)と呼ばれる。作中では、無手組の最高峰の達人集団であり、また無手組の中心的な存在である「一影九拳」を軸に、登場することが多い。

その目的故に、活人拳の象徴である梁山泊とは敵対関係にある。その内容から人命を軽視し、あるいは単純に殺人を目的としている者もいるが、武術の真髄とする殺人拳を失伝せぬよう弟子の育成に力を入れている者もいる。また、要人暗殺などの請負いもするが、護衛や窃盗などの任務も請負ったりするなど、単純に殺人を目的としているわけではない。

組織の全体像や来歴などは不明な点が多いが、各国に「闇の信奉者」とも呼ばれる協力者がおり、財政界などとも深く通じかなりの影響力を持つ。国家より殺人許可証を渡され、その行為を黙認されている。一方でロシアの「ビッグロック」に象徴されるように、彼らを封じ込めようとしている者たちもいる。しぐれの父によれば第二次世界大戦終戦直後に結成されたとしている。

一影九拳[編集]

最強と謳われる10人の達人で「無手組」を差配している。リーダーの一影を始め、それぞれが異名を持ち9人に「拳」の文字が入っている。また、それぞれを象徴する漢字1字とそのエンブレムを持つ。協力関係にはあるが、自分の武術こそが最強と考えており、不可侵条約程度の認識である。他にも、それぞれが自身の殺人拳を伝承するための直弟子を持っており、その弟子達(一番弟子)は下部組織「YOMI」を構成する。

影・一影[編集]

風林寺 砕牙(ふうりんじ さいが)
一影九拳の長で「一影」の異名を持つ我流の達人。無手組を統括する"闇"の最高幹部であり、梁山泊の最後の達人でもある。風林寺隼人の息子であり、美羽の父親。鍛冶摩の師。
美羽に似た端正な顔立ちに、隼人譲りの筋肉隆々とした体格の人物。性格は非常に落ち着いており、秋雨と似て有無を言わさない合理主義的な面も見られる。
かつては鳥や動物を愛し、不殺を貫く活人拳の武術家だったが、妻・静羽との関係から始まった暗鶚衆との抗争の末に、多数の命のためには少数の命を犠牲にする考えに至る。その後、経緯は不明だが一影として、闇の実質的なリーダーとなる。
美羽がジュナザードに連れ去れた際、役立たずの傭兵ジョン・カーペンターに変装してティダード王国に潜入する。本当に美羽が危険な場合だけ助けるつもりであったが兼一の勇気に触れて行動を起こす。自らの正体を明かしてジュナザードの部下達を殺害した後、兼一を信頼に値すると評して美羽を託し去る。ジョン・カーペンターの項も参照のこと。
鍛冶摩 里巳(かじま さとみ)
一影九拳・砕牙の弟子で影のエンブレムを持つYOMIの1人。叶翔亡き後、YOMIのリーダーとなる。師を一影様と呼ぶ。

流・拳聖[編集]

緒方 一神斎(おがた いっしんさい)
一影九拳の1人で「拳聖」の異名を持つ緒方流古武術の達人。ラグナレクの名目上の長。龍斗やリミらの師。
朝宮 龍斗(あさみや りゅうと)
一影九拳・緒方の弟子で流のエンブレムを持つYOMIの1人。ラグナレク第一拳豪「オーディーン」であり、古流武術の使い手。師を拳聖様と呼ぶ。
朝宮 龍斗(あさみや りゅうと)
#朝宮龍斗
小頃音 リミ(こころね リミ)
吉川将吾
ルグ

空・人越拳神[編集]

本郷 晶(ほんごう あきら)
一影九拳の1人で「人越拳神」の異名を持つ真地念源流空手の達人。叶翔の師。
叶 翔(かのう しょう)
一影九拳・本郷の弟子で空のエンブレムを持つYOMIの1人でリーダー。「スパルナ(美しき翼を持つ者)」のコードネームを持つ一なる継承者(主は空手)。師を先生と呼ぶ。
勢多 昇哉(せた こうや)
芳養美 樹馬(はやみ なうま)

氷・殲滅の拳士[編集]

アレクサンドル・ガイダル
一影九拳の1人で「殲滅の拳士」の異名を持つコマンドサンボの達人。ボリスの師で弟子の呼び名はウチェニーク。
ボリス・イワノフ
一影九拳・アレクサンドルの弟子で氷のエンブレムを持つYOMIの1人。コマンドサンボの使い手。師をウチーチェリと呼ぶ。

王・拳魔邪神[編集]

シルクァッド・ジュナザード
一影九拳の1人で「拳魔邪神」の異名を持つプンチャック・シラットの達人。ジェイハンの師。
異形の仮面をし、言動も独特な怪人物で、かなり高齢だが独自の永年益寿法により仮面の下は若き素顔のままである(顔以外は老いている)。単に「邪神」と呼ばれることも多い。一影九拳の中でも特に狂気的な人物で、シラットを恐れられる世界を望むという。かつて風林寺隼人と決着がつかず引き分けたという一影九拳の中でも随一の達人であり、他の一影九拳を軽んじる発言も多い。他方でリミは「神話の中の動物」「神か悪魔に選ばれた生き物」と述懐しており、かつては隼人と誼みを通じ、ティダードの秘薬を教えていた描写もある。
元は東洋の弱国であるティダード王国をその武術、さらにカリスマと指導力によって西洋列強の侵略から救った若き英雄であったが、その後、数十年を経て現在の狂気的な人物に変貌したという(ロナは戦時の英雄は平時にて英雄たりえなかったかもしれないと述べている)。シラットの技を極めるとして弟子同士を殺し合わせて生き残った者を自分の手で殺すという実験的虐殺を繰り返し、後述のようにジェイハンも自ら手にかけている。また国政にも相談役という形で参与し、平時よりも戦時の方が武術の発達に良いとわざと国政の混乱を起こしている。そのため、ティダード国民からは複雑な感情を持たれ、信仰にも近く畏怖されている。
YOMIを兼一に当てることになった際、自身も弟子のジェイハンを兼一と戦わせる。しかし、冬山の戦いにおいてジェイハンが負けると、常人離れした大声で雪崩を起こし、ジェイハンを葬る(後にジェイハンは生き延びて姿を隠していたことが判明する)。この理由に関しては、ジェイハンが国をまとめようとしていたこともあったと後に明かされている。
その後、ジェイハンの代わりの弟子を求め美羽に目を付け、逆鬼と本郷の対決を利用して美羽を誘拐する。故郷ティダードに戻ると、ユディスという名の青年の振りをしてティダードの秘薬を使って彼女を洗脳し、インダー・ブルー(「美しい羽」の意)の名前を与えて、シラットを教え込む。動の気のリミットを外そうとしたり、また完全に心を堕とすために、本郷を仇と吹き込んだり、兼一を彼女自身の手で殺させようとする。最終的に本郷との一騎打ちに臨み、手負いとはいえ本郷を一方的に追い込むが、彼の「武への信念」により、無傷を通してきた身体を貫手で貫かれ敗北する。直後、隙を見せた本郷を葬ろうとするが美羽が自分を助け、労わる姿に戸惑い、最期は自分が忘れ去ったものを悟って直立不動のまま息絶える。回収された遺体はジュナザードの影響力を反ジェイハン派に利用されないようジェイハンだけが知る場所に埋葬された。
ラデン・ティダード・ジェイハン
一影九拳・ジュナザードの弟子で王のエンブレムを持つYOMIの1人。「ナガラジャ(蛇の王)」のコードネームを持つプンチャック・シラットの使い手。東南アジアの小国・ティダード王国の皇太子。師をグルと呼ぶ。
王族らしい傲慢さも目立つが、一方で国の指導者らしい気品と凛々しさを併せ持つ少年。祖国では内乱が絶えない国をまとめる若き次期指導者として国民達から高い支持を受けている。武術家としても並外れた運動・反射神経を持ち、傲慢な物言いに即した実力を持つ。一方で心の弱い面があり、「王は優れているから特別なのであり、そうでなければただ孤独になる」という考えから、勝つために手段を選ばないこともある。師のジュナザードのことは、用済みとして殺されそうになったり、また「弟子を武の塊にする事しか考えていない」と評しながらも、師として尊敬し、父親のように慕っていた。
荒涼高校の林間学校の際、兼一と美羽を自らの懐に誘い込み、冬の雪山で戦う。序盤は優勢に戦うも、雪山に裸足の状態で挑む、南国出身のための寒暖の差による影響など少なくない不利や、「夫婦手」のような兼一の一般的ではない空手の技に心を乱され、さらに美羽を守る時に発揮される兼一の逆境の力に押され苦戦する。敗北しかけるが兼一の隙をついてロープウェイ乗り場から彼を巻き込んで落下し、気絶した兼一に止めを刺そうとする。しかし、苦戦したことでジュナザードに見限られており、師の起こした雪崩に巻き込まれ消息を絶つ。その際、助けようとした兼一に「勝つためにはどんな汚い手でも使うが、情けだけは受けてはならない」という王の矜持で振り切る。
亡くなったと思われていたが、地元のラーメン屋に居候として生き延びており、ティダード編の終盤で隼人に連れられて故郷に戻る。ジュナザードの死によって新たに起ころうとする反乱を自身のカリスマによって治め、亡き師を誰にも知らない場所に埋葬し、ティダードの建て直しをはかる。

鋼・笑う鋼拳[編集]

ディエゴ・カーロ
一影九拳の1人で「笑う鋼拳」の異名を持つメキシカンプロレスルチャリブレの達人。レイチェルの師。
常に笑顔に見えるマスクを被った覆面レスラー[注釈 1]。異名、エンブレムに恥じぬ鋼鉄の肉体を持ち、その耐久度は常人の比ではない。後述するように派手なことが大好きで、闇の仕事でさえもショーにしてしまう。レイチェルのことは愛弟子と発言しており、彼女もディエゴを慕うなど、一影九拳の中では目に見えて師弟愛は深いコンビである。
「何時如何なるときでもエンターテイナーであれ」という鉄則を貫き通し、「戦いの美のためならなんでもすること」をモットーに掲げる。DオブDではエグゼクティブプロデューサーとして参加して大会を演出し、レイチェルと違って自分以外の派手な演出も喜んで評価する。他方で(面白くなるわけでもない)自分の演出をぶち壊すような展開は嫌いで、DオブDにていつもは大目に見ている叶翔の行動でレイチェルが棄権させられそうなった際は大いに怒ってる。
「ルチャリブレこそ史上最強」を掲げつつも、「強さ」以上にプロレスの根底にある「スゴさ」を重視する。また闇を悪だと承知し、その上で自身はヒールだと名乗る。実際の戦いにおいてはボディプレスなどの隙は大きいが派手な大技で周囲を沸かせる「魅せる」戦闘を好んで行うが、大技を確実に決めるために正確無比な小技を駆使したり、レスラーに有利な空中戦に持ち込み主導権を確保したりと、その実は基本を活かした理に適った戦いとなっている。
闇のコンクラーヴェ[注釈 2]中に、他のメンバーを出し抜き、独断で梁山泊に勝負を仕掛ける。自身の闇の仕事も兼ねた豪華客船に兼一と剣星を招待すると、師弟タッグマッチと称するイベント開催して剣星と戦い、その鋼の肉体を以って彼に張り合う。終始、対等な戦いをするも、演者として周囲の目を気にしすぎた戦いをしたため技を外され、最後は内部と外部を同時に破壊する「浸透水鏡双掌」で破れる。「ヒールは敗れたら潔く散る」として敗れた自分を殺すことを剣星に懇願するが聞き入られず、ルチャドールの礼儀としてマスクを差出して倒れる。その後、ディエゴの行動を不審に思い、その場にやってきた櫛灘美雲に投げ飛ばされ海に落ちるも隼人によって助けられ、ビッグロックに収監される。
レイチェル・スタンレイ
一影九拳・ディエゴの弟子で鋼のエンブレムを持つYOMIの1人。「カストル」のコードネームを持つルチャドーラ。イーサンの双子の姉。師をマエストロと呼ぶ。
ミートマン
ディエゴの部下で師範代クラスのルチャドール。
名の通り、極端に肥満で非常に大柄な体格。一人称は「ぼくちん」、語尾に「よん」など独特な喋り方をする。ディエゴの部下の中で最も耐久力が高く、兼一、美羽、雷薙の猛攻撃を受けても平然としている。また、その見た目に反して敏捷性は高く、頭も良い。一方で人には持って生まれた「分」があると考え、自分はいくら強くなろうとも達人にはなれないと達観している。
ディエゴが仕掛けた船上パーティで爆弾の警備を務める。爆弾を解除しようとする兼一、美羽をその耐久力で苦しめるが、最後は乱入してきた風林寺隼人に一瞬で倒されてしまう。

水・妖拳の女宿[編集]

櫛灘 美雲(くしなだ みくも)
一影九拳の1人で「妖拳の女宿(うるきぼし)」の異名を持つ櫛灘流柔術の達人。千影の師。
一影九拳の紅一点で露出度の高い巫女装束と袴を着用し、首から大きな数珠を下げている妖美な女性。その実年齢はジュナザードを若者呼ばわりするほど年上で、櫛灘流の秘伝の一つ延年益寿法と現代医学の成果という。一人称は「わし」。かつて若い時分には風林寺隼人とも共闘したことがあり、互いのことをよく知っている。古風に見えながらも、サングラスを掛け外車を運転したり、携帯電話も使用す一面もある。
相手の力を利用すると言っても、自力も必要な柔術にあって技10力0を標榜する櫛灘流の使い手で「この世の柔術は櫛灘流だけで十分」と言い放つ。気当たりによるフェイントを巧みに操り、手を触れずに相手を操るかのように投げることすらできる。また、気当たりによる残像によっていわば分身することもでき、時雨と逆鬼を同時に相手にするなど、その腕は一影九拳でもトップクラスの高さを持つ。
一影九拳としては協調的な方で、武器組にも顔が利く。一方で、会議を無視して独断専行したディエゴを殺そうとしたり、強調する気のないジュナザードを風林寺隼人に倒させる計画を立てているなど、「久遠の落日」を前に足並みを乱そうとするものには容赦が無い。
苗字を同じくする弟子の千影との関係は不明だが、昔引き取ったと発言している。その弟子に対しては甘い物を禁止する以外は放任主義なところがあり、敵である兼一らと交流することも大目に見ているが、一方で腹に一物あるような描写もある。内心では兼一の存在が千影の教育に悪影響を与えることを懸念しており、兼一とイーサンの戦いの立会いをさせて、兼一が殺害される光景を見させることで、闇に傾倒させようと目論んだこともある。:
櫛灘 千影(くしなだ ちかげ)
一影九拳・美雲の弟子で水のエンブレムを持つYOMIの1人。櫛灘流柔術の使い手。師をお師匠さま、先生、師匠と呼ぶ。

無・拳を秘めたブラフマン[編集]

セロ・ラフマン
一影九拳の1人で「拳を秘めたブラフマン」の異名を持つカラリパヤットの達人。イーサンの師で弟子の呼び名はシシャ。
思慮深い仙人然とした穏やかな様相をしており、額にティラカの装飾を施している。一影九拳の中では穏健な人物であり、美雲や難の多いジュナザードと親しく、「最強の弟子(兼一)の打倒」にも興味がない。しかしながら「リング上の敵は瞬殺しろ」「非情の拳こそ"闇"の資質」などの発言や、時間稼ぎのために警察の特殊部隊の隊員の心臓を停止させ足止めに利用するなど、冷酷な一面も垣間見られる。武術の達人としてカラリパヤットを極めた肉体に加えて、マントラを唱えて脳を揺さぶり精神錯乱に陥らせるといった技も修得している。
レイチェルを救出するため、逆鬼が闇の施設を急襲した際に、撤退するヘリコプター内でジュナザードと共に彼と交戦する。ただ、目的があくまでレイチェルの救出であったため、逆鬼も彼女を助けた時点で離脱し、本格的な衝突には至らなかった。
イーサン・スタンレイ
一影九拳・セロ・ラフマンの弟子で無のエンブレムを持つYOMIの1人。「ボルックス」のコードネームを持つカラリパヤットの使い手。レイチェルの双子の弟。師をグルッカルと呼ぶ。

炎・拳帝肘皇[編集]

アーガード・ジャム・サイ
一影九拳の1人で「拳帝肘皇」の異名を持つ古式ムエタイ(ムエボーラン)の達人。コーキンの師。
ティーラウィット・コーキン
一影九拳・アーガードの弟子で炎のエンブレムを持つYOMIの1人。「ナラシンハ(獅子王神)」のコードネームを持つ古式ムエタイ(ムエボーラン)の使い手。師をクルー・アーガードと呼ぶ。

月・拳豪鬼神[編集]

馬 槍月(ば そうげつ)
一影九拳の1人で「拳豪鬼神」の異名を持つ中国拳法の達人。馬剣星の兄で、谷本の師。
谷本 夏(たにもと なつ)
魯 慈正(ろ じせい)
馬槍月の代理として一影九拳の座にいた中国拳法の達人。趙円臣の師。
盲目で顔に両目を縦断する傷があり、丸いサングラスをかけている屈強な男。槍月の数少ない友人の1人で、槍月が放浪している間、彼の代理として一影九拳の座にいた。過去に何者かとの闘いで両目の視力を失うも、現在もなおその実力は達人級と評される。
槍月が帰参したため、その座を彼に返す。その際、弟子の円臣を谷本と戦わせ、円臣が勝った場合には彼を槍月の弟子とする取り決めをしていた。
趙 円臣(ちょう えんしん)
一影九拳・魯慈正の弟子で月のエンブレムを持つYOMIの1人。中国拳法の劈掛拳と八極拳の使い手。は「純龍」。師を老師と呼ぶ。後に谷本夏にその座を奪われる。
白いフードを被り長髪を結った中華服の青年。慈正の弟子としてYOMIの1人であったが、槍月の帰参に際し、その座を巡って槍月の弟子である谷本夏と戦うこととなる。やがて一影九拳となることを目指しており、その唯一の道であるYOMIに留まること、そのために拳豪鬼神の弟子となることを望んでいた。
実力は谷本を1つ上回っており、死合いを優勢に進める。しかし、谷本の兇叉を受けて敗北し、YOMIの座から降ろされる。

一影九拳以外の無手組[編集]

クリストファー・エクレール
殺人サバットを極めた殺し屋で達人級。フランス人。
髪を三つ編みに束ねたロングヘアの美男子で、一目には女性に見える。かつて逆鬼、マイクロフトとチームを組んでいたが、活人拳と殺人拳の違いからマイクロフトと共に逆鬼を闇討ちを仕掛け返り討ちにされた。その見た目に反して、外車をキックの連打で大破させ、ボーガンの矢を歯で受け止めるなど、逆鬼も認めている実力者。快楽殺人者でありその凶悪な性格から逆鬼に「地獄に帰れ」とまで言われている。現在は殺し屋として名を知られており、自身と同じ香水を付けさせた多くの美女を配下に持つ。
死の商人、ウィン・ゴーシュの殺害の依頼を受け、同じく護衛の依頼を受けた逆鬼と戦う。兼一を人質に取って優位に戦いを勧めるが、動の気のリミッターを解除した逆鬼の圧倒的な力の前に完敗し、警察に拘束される。しかし、間もなく警察病院から逃亡する。
李 天門(り てんもん)
中国拳法の地躺拳(ちしょうけん)の達人。弟子は娘でもある李雷薙。
長年裏社会で暗躍してきた武術家で、近年、闇に属して表社会に姿を現すようになる。実娘とはいえ、師として雷薙には厳しくあたる。しかし、心の底では娘のことを想っており、雷薙と同年代の美羽と連華に非情に徹しきれず、新白連合を襲うも殺さないよう手加減する。
一影九拳(直接には緒方)の依頼を受けて弟子の雷薙を兼一にぶつける。雷薙が敗れた後に自ら登場し、緒方への手土産として兼一を「闇」へと連れていこうと新白連合を襲うが馬剣星に阻まれる。馬剣星と対等な闘いをするも、彼に先述の父娘の愛を指摘され、勝負を預けて退散する。
李 雷薙(り らいち)
李天門の娘であり弟子。中国拳法の地躺拳(及びそれに属する酔八仙拳)の使い手。師を師父と呼ぶ。
普段(そして本来の性格)は自然(特に土)を愛する少女だが、裏の顔は非情に徹して「闇」の仕事を行っている。後述のプロテクター装着前後では性格や口調も大きく変化する。一連の出来事を通して兼一に好意を抱いている様子である。語尾に「 - の」と付ける。
「闇」の仕事をする際には、地躺拳の性質上[注釈 3]、全身にプロテクターを装備している。技を使うと、プロテクターとアスファルトとの摩擦による火花が発生するため、「スパーク」のコードネームを持つ。その腕は非常に高く、キサラとジークフリートを倒している。
一影九拳の思惑によって兼一と戦うことになるが非情に徹しきれず、戦意を喪失して兼一に敗れ、父と共に姿を消す。その後、ディエゴの標的の1人が自身の護衛対象であったため、ディエゴが仕掛けた船上パーティで兼一と再会する。そして船に仕掛けられた爆弾を解除するため、兼一、美羽と共闘する。

武器組[編集]

「無手組」とは対象的に、武器一般を用いる武術家集団。闇を構成しているが、無手組が武器使用を軽んじるように、武器組もまた無手を軽んじており、本来「武器組」と「無手組」は疎遠であった。だが「久遠の落日」を前に、「無手組」と協調関係を築く。

武器組固有の問題として、しぐれの父の一件や赤羽刀強奪事件に見られるように、実戦に耐えるような武器の慢性的な不足に悩まされている。

紀伊 陽炎(きい かげろう)
「鍔鳴りの紀伊陽炎」の異名を持つ居合術の達人。愛刀「刹那丸」を背中に背負う。
ウニのような頭髪で手足の長い長身、のっぺり顔の男。「剣技の進歩のため」として斬殺を好む、生粋の人斬り。語尾に「 - にょ」を付けたり間延びしたりする。初対面の相手には、自分の取り扱い説明書を配布する。自身の愛称を「ニョニョたん」と自称しているが、逆に「のっぺり」や「きもい」と自身の特徴を言われるとキレる。女性には全く興味が無く、女性の顔を覚えるのが非常に苦手。外見や言動、思想を含めかなりの奇人である。
超高速の居合術の達人で斬撃は見えず、異名通り、斬った後に鍔の音だけが聞こえる。しぐれをして「勝てないかも」と言わしめる実力者で、櫛灘美雲からも認められている。巨大な制空圏を持ち、本人の意思と関係なく近づく者を自動的に斬ってしまう。また、右腕の肘関節が異常に柔らかく、背後に対しても前方と同じ速さで居合いを放つことができる。
しぐれの父が作った「刹那丸」を愛刀とする。曰くフィーリングの合う刀であり、刹那丸の方も紀伊を主として認めていたようである。また刹那丸以外の刀を愛人と呼んだり、それを使う自分を浮気と表現するなど、刀を女性のように扱う。そのため刹那丸を失った後は酷く取り乱し、刹那丸(あるいは代わりとなる刀)を取り戻すためには、それを奪った本人である、しぐれに泣きつくほどである。
刹那丸を餌にしぐれを誘き出し彼女と戦うが、最後は刀と一体になった彼女に破れ、刹那丸を奪われる。その後、刹那丸に代わる刀も見つからず、自身の庵に引きこもっているところを美雲に誘われ、武器組の赤羽刀強奪に参加する。しかし、そこで再会したしぐれより、彼女の父の業物をもらう代わりに「人を殺さない」「兼一を守る」という条件を出され、これを承諾して武器組を裏切り、梁山泊に加勢する。事件解決後、刀を渡すのは危険と考えた彼女から業物の刀ではなく業物のクワを渡される。しかし「フィーリングが合う業物」としてそれを気に入り、新たに「大地を居合い斬る」という真理を見つけ本人は満足している。一方で、刹那丸との相性の良さはしぐれも認めているところであり、彼の更生しだいでは返してもいいと考えている。
蛮刀使いの男
黒近衛三本槍
中央の槍
東の槍
西の槍
イザヨイ
通称「狂剣のイザヨイ」。
石田 せいじ(いしだ せいじ)
日本の国会議員。独鈷杵を用いる闇(武器組)の達人。
表向き反闇勢力派の政治家として振舞っている闇人。代々政治家・武術家・僧侶だった家系だという。独鈷杵を用いる僧兵のような部下達がおり、自身も独鈷杵を連結して双刃の手槍のようにした特殊な独鈷杵を得物にする。
反闇勢力を振るい出すため、わざと闇の関係者リストを流出させる。その後、本巻警部を騙してデータ奪取と反闇勢力の一掃を狙うが、兼一ら新白連合の弟子達の妨害に遭い、最後は密かに兼一達を守っていた酒鬼に破れて捕まる。

その他「闇」の関係者[編集]

ゲルギンス

DオブD[編集]

DオブDは20歳未満の弟子レベルを対象とした伝統ある武術大会。"Desperate fight of Disciple" (弟子の死闘)の略称である[注釈 4]。今大会は、裏社会の大物であるフォルトナによって主催され、彼の島であるデスパー島で行われる。また、その演出などには一影九拳のディエゴ・カーロが加わる。

フォルトナ
今大会のDオブDの主催者でデスパー島の主。裏社会の大物であり、「闇」のスポンサーでもある。
筋肉隆々の体躯に髪にメッシュを施した大男。大富豪で、配下に私設軍隊と言っていい人員や兵器を持つ。「この世で最も優れた兵器は人間である」という持論から、強者を収集することを趣味としている。その一環として、達人になる可能性を秘めた子供を自分の所有物(養子)としており、DオブDの目的の1つでもあった。また、趣味が高じて自身も(下のほうだが)達人級の強者となる。このように武術に対する好奇心がとても強く、かつて武装解除時の武器の達人の強さを測るという理由で、スクールバスを人質にとって銃の達人ランスロット・グレー大佐を殺害している。
デスパー島に対する国連軍の侵攻が始まると、その混乱に紛れて新白連合に襲いかかり、キサラや武田など、DオブDの活躍から目をつけていた者たちを連れ去ろうとする。達人級の中では下のほうとは言え、弟子クラスに過ぎない新白連合の面々を同時に相手にし、簡単にあしらう。しかし、新島の指揮と、それに合わせたメンバーの同時攻撃、そして谷本の新必殺技「兇叉」を受け敗北する。その後、国連軍に逮捕される。

参加チーム[編集]

梁山泊チーム
新白連合チーム
我流Xチーム
ジェミニチーム
ブラックフォースチーム
キックボクシング・ハリケーンズチーム
中国三大武術チーム
古代パンクラチオンチーム
天地無真流チーム
南拳チーム
カポエイラチーム

この他に「ニューヨーク・ストリートファイターズ」「ビルダーファイブチーム」「モンゴル・ブフチーム」「ブラジリアン柔術チーム」「空真武会空手チーム」が参加している。

中国武術界[編集]

鳳凰武侠連盟[編集]

中国で10万人以上の門下生を擁する中国最大の武術団体。通称・鳳凰会。1000年以上前から存在し、代々馬一族が総帥を務めてきた。馬剣星は前総帥であり、彼が中国を去った現在は、彼の妻が総帥を務めている。

劉 玄孫(りゅう げんそん)
諸葛 孔暗(しょかつ こうあん)

黒虎白龍門会[編集]

中国において鳳凰武侠連盟と勢力を二分する武術組織。鳳凰武侠連盟とは対象的に冷酷な組織であり、1000年前から鳳凰武侠連盟と抗争を続け、深い因縁がある(少なくとも10人以上の首領が、馬剣星の先祖によって殺害されてきた)。中国本土には、梁山泊に引けを取らないといわれるほどの達人もいる。作中では「黒虎白門会」と表記されることもあるが、どちらが正しいかは不明。

王 大老(ワン たいろう)
慧 烈民(けい れつみん)

荒涼高校関係者[編集]

兼一たちが通う学校。教師含め800名以上が在籍するマンモス校。ラグナレク編までは敵味方含め、登場人物はここの生徒であることが多く、物語の中心的な舞台となっていた。

生徒[編集]

大門寺 まこと(だいもんじ -)
兼一と同学年で空手部員。
ボディビルで培った逞しい体が自慢で、同年齢から見てかなり大きい体格。高校で空手部にスカウトされ所属する。同じく空手部に入った同年の兼一を、貧弱ゆえに目障りと感じてイジめて、最後は退部させようとする。互いの退部をかけて決闘することになり兼一を侮るが、美羽の特訓を受けた兼一に敗れる。しかし、情けから兼一が部を辞めたため[注釈 5]、そのまま空手部に残る。後日、兼一が入部した園芸部を襲いリベンジを果たそうとするが、梁山泊の修行で成長していた兼一に難無く倒される。
YOMIが荒涼高校に転校してきた際、空手部はコーキンに乗っ取られ、ムエタイを教えられるようになる。そして、才能が無いという理由でサンドバッグ代わりにされ、かつて自分が兼一にしていた立場に陥る。コーキンの命令で兼一を誘き出すが、強くなった兼一と今の自分を比較し、兼一を助けるため新白連合に助けを求めに走る。結果として兼一の命は助かり、兼一を騙したこと悔いる。
鷹島 千尋(たかしま ちひろ)
荒涼高校2年生。新体操部。
美羽が現れるまで2年性エースだった女子。エースだけあり元々身体的技能は高かったが美羽には到底及ばず、嫉妬心を抱く。美羽を追い落とすために、小賢しいイタズラを懲りずに何度も行うが全て失敗に終わる。
泉 優香(いずみ ゆうか)
島山と田中(しまやま、たなか)

教師[編集]

安永 福次郎(やすなが ふくじろう)
兼一のクラス担任の男。日本史教師。53歳。
厳格な人物で何かと兼一に当たることが多いが、教師としては人格者。家庭訪問では
文化財鑑賞が趣味で、秋雨のファンでもある。そのため、兼一が秋雨に芸術面で弟子入りしていると勘違いしている。
小野 杏子(おの きょうこ)

ティダード王国[編集]

シルクァッド・ジュナザード
一影九拳の1人「拳魔邪神」。ティダード王国相談役。
#一影九拳と直弟子
ラデン・ティダード・ジェイハン
YOMIの1人。ティダード王国の皇太子。
#一影九拳と直弟子

ロナ派[編集]

ラデン・ティダード・ロナ
シャーム
ジェイハンの侍女。後にロナの侍女として従う。
ジェイハンに忠誠を誓う幼女。スキー場の戦いにおいて、ジェイハンの命令で兼一と美羽を誘い出す手柄を上げる。だが、その後、ジェイハンがジュナザードの起こした雪崩に巻き込まれる現場を目撃し、帰国後は、ロナに付いてジュナザードの打倒を目指す。武術の腕前は無いに等しいが、ジェイハンの形見であるカランビットナイフを武器として扱う。
バトゥアン
ロナに仕える家臣。長刀とクリスダガーを使う達人級の武器使い。
ジュナザードと肩を並べるほどの武器使いだった師匠を持ち、彼がジュナザードを諌めようとして殺されたことから、その復讐を誓う。特に殺人・活人の思想は無いが、逆鬼の助力を得ると、彼の思想に合わせて活人を貫く。年長者として冷静な思考を持ち、ロナに助言することも多い。
ジョン・カーペンター
ロナ派の中年の傭兵。正体は風林寺砕牙。
メガネを掛けた肥満体の人物。合わせて日本のサブカルチャーが大好きなオタクで、大よそ傭兵には見えない。戦闘能力も無きに等しいが電子機器に精通しており、ロナや兼一を補佐する。
ジュナザード派に捕まるも機転を利かせてアジトへの目印を付ける。本郷達のアジトへの襲撃の混乱の最中に、城に火を付けて敵を撹乱させ、自らの正体を明して兼一達を助ける。

ジュナザード派[編集]

ユディス
美羽を助けた山岳民族の少年。メナングの息子。正体はシルクァッド・ジュナザード。
メナング
ジュナザードの弟子で、彼の側近。達人級のシラット使い。ハルティニの父。
ジュナザードの側近を務める冷静な人物。戦闘能力は、達人とは言え諜報要員として育てられたため、戦闘要員の同輩達には劣るという。ジュナザードに絶対の忠誠を誓っているが、他方、彼のやり方に完全に納得しているわけでもない。
ブルーこと美羽の洗脳計画に際してユディスの父を演じる。その後、計画の仕上げとなる美羽と兼一、ペングルサンカンの戦いにおいて、兼一の武術家としての信念に心を動かされ手助けする。その後もジュナザードの実験体を守るという名目の下、仲間と戦い自ら負傷しながらも兼一達の脱出を手助けする。
ハルティニ
ジュナザードの側仕え。シラット使い。メナングの娘。
シャームと同年代のまだ幼い少女。ブルーこと美羽の洗脳計画に際してはユディスの妹を演じる。父と同様にジュナザードに忠誠を誓っているが、他方で年相応の感情や考えも持ち合わせる。
まだ幼いながらも、達人にさえ憶さずに立ち向かう闘志を持つ。また、完全ではないとはいえ本郷とジュナザードの技撃軌道戦を感じ取るなど、非常に優れた眼力を持つ。
ペングルサンカン

その他の人物[編集]

ジェニファー・グレー
本巻(ほんまき)
日本警察の警部。「闇」絡みの事件についてよく梁山泊に協力を求めにくる。
ロシアの女性議員
本名不明。ロシアの女性政治家で、作中ではもっぱら「議員」とだけ呼ばれる。
ロシアの反闇勢力派の1人で、そのためにアレクサンドルから命を狙われるが、梁山泊に救出される。闇専用の収容施設「ビッグロック」を主導しており、後日アレクサンドルが岬越寺に拘束されると、彼を施設へ入れる。

その他の武術家[編集]

山本 大樹(やまもと たいき)
山本 直樹(やまもと なおき)
熊鳥 権瑞(くまとり ごんずい)
死拳己流空手師範。歌舞伎役者のような化粧と蟹のような髪型が特徴。
たまたま師匠らが全員不在だった梁山泊に門弟を引き連れて道場破りを行い兼一と戦う。実力は兼一を上回っていたが慢心から一撃もらい、逆上して反撃しようとしたところを逆鬼に止められ、門弟共々返り討ちにされる。
その後「闇」が動き出した際には梁山泊を訪れ、梁山泊側に付くことを宣言する。
アラン須菱(アラン すびし)
鬼幽会本部長。色黒の大男で薔薇をトレードマークにする空手家。水沼の師。
「どんな手を使ってでも勝て」を心得にしており、空手とは名ばかりの(ある意味では実戦的な)武術を教えていた。鬼幽会に入会した水沼が攻撃的になったことを心配した兼一と戦うことなり、最後は逆鬼に倒される。梁山泊の豪傑を偽称するほど逆鬼の大ファンだったこともあり、この一件の後は「力と愛」を標榜して出直す。
「闇」が動き出した際、梁山泊側に付くことを宣言する。後日、コーキンの道場破りにあって一時意識不明の状態に陥り、水沼がDオブDに参加するきっかけとなる。
ジェームズ志場(ジェームズ しば)
「破壊神シバ」の異名を持つ達人級のボクサー。かつて裏ボクシング界の王座に君臨していたが、後述する事情によって引退し、現在は世捨て人同然の人物。武田の師匠となる。
髭面、右目に眼帯を付けた大男。自分のことを「我が輩」と言い、語尾に「である」と付ける。驚異的な負けず嫌い。秋雨の知り合いで互いに「秋雨っち」「志場っち」と呼び合う間柄だが、些細なことで張り合うなど仲は良くない。特にヒゲと弟子に関して競い合う。「闇」にこそ属していないが思想の根底は「闇」に近く、闇すら嫌う協調性の無い人物と秋雨に言われている。レアな動物の飼育が趣味で、技名には動物の名前が入っていることが多い。
裏闘技場で常勝してきた強者だが、「闇」の一影と闘い、右目と右足を壊され引退を余儀なくされる。その後は、高架下のあばら家に住みパチンコで生計を立てていた。ある日、チンピラを難無く倒したところを武田に見られ、弟子入り志願を受けるも、無理難題をふっかけこれを拒絶する。しかし、彼の情熱と、その相手が「闇」と知り、弟子入りを認める。
師としては梁山泊並に厳し修行を課し、またファイトマネー目当てに裏闘技場に率先して送り込んでいる。しかしながら、実物を見たわけでもない「流水制空圏」を数多くの口伝から再現して武田に伝授したり、かなりの負けず嫌いにも関わらず武田の身を案じて負けを認めるなど、師としては優秀である。弟子を取ったことで心が成長していると秋雨から評される。
白石 国郷(しらいし くにさと)
林崎夢想流の剣豪。流暢な江戸弁で喋る中年男。好戦的で各地の死合い場に出入りし人も斬るが、あくまで試合の範囲であり死人は極力出さない。それなりに実力はあるが、しぐれには手も足も出ない。
名刀・関の孫六を所持していたが、しぐれの刀狩りにあい刀身を折られている。
熊の皮を被った老人
本名不明。骨法使いの老人で、修行のため山篭り中の辻と出会い彼に骨法を教え込む。ただし、辻と師弟関係にあるわけではなく、彼の修行がうるさかったために、早く山から追い出そうと骨法を教えた。
辻の成長した実力や説明から、梁山泊の師匠達は達人級の人物と推測している。
久賀舘 弾祁(くがたち だんき)
久賀舘流杖術の使い手で、杖術を極めた達人。久賀舘要の祖父。
90歳を越える老人で、普段の見た目はヨボヨボにデフォルメされて描かれ、言動もボケており、達人には見えない。しかし、指導する際には、普段の態度からは想像できないのような的確な指導を行う。また闇の誘いを拒み続け、それでいて今日まで生き延びてきたことでも有名な人物であり、戦いに疲れボケた振りをしているという。ただ、真面目な時でもボケた言動をすることがあり、どこまで本当かは謎。
長い放浪生活に出ていたが、近頃道場に戻り、ワルキューレ隊や千秋祐馬に武器の使い方や武器戦を指導していた。その折、「久遠の落日」を前に焦る武器組に要と共に誘拐される。普段のボケた振りでやり過ごそうとするが、新白連合や、達人相手にも引かない兼一の信念を目の当たりにし、再び戦うことを決意する。下っ端とはいえ武器組を多人数相手に簡単に倒し、リーダーの蛮刀使いの男も簡単に倒す。その後、要に2度と帰らぬと放浪の旅に出ることを伝言にして残すが、2日後に何ともなく帰還し、再びボケた言動をとる。しかし、この後の描写から、この間に闇の拠点を潰していたことが伺える。

注釈[編集]

  1. ^ マスクの下には怒り顔に見える2枚目のマスクを被っており、怒りが頂点に達した時のみ一枚目のマスクを脱いで「怒る鋼拳」を名乗る
  2. ^ 次に兼一と戦わせる弟子を決める一影九拳の会議
  3. ^ 地面を使う拳法のため、アスファルトなど硬い都会の地面はかえって自身を傷つけ易い。
  4. ^ 初期は「デスパレート オブ ディサイプル」とルビがふられ、ファイトが無かった。
  5. ^ 建前は空手に無い技を使用したことによる反則負け。