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ハイパー演算列(英: hyperoperation sequence)とは、ハイパー演算(英: hyperoperation)と呼ばれる算術演算からなる無限列である。この列は単項演算である後者関数(0番目)から始まり、さらに二項演算である加法(1番目)・乗法(2番目)・冪乗(3番目)が続く。冪乗以降の n 番目の演算はクヌースの矢印表記によって n - 2 個の矢印を用いて表記できる。各々のハイパー演算は、一つ前のハイパー演算によって再帰的に表すことができる。
定義
[編集]ハイパー演算列とは二項演算 の列であり、以下のように再帰的に定義される。
ここで、 のときの値は によらず決まるため、 は事実上単項演算(後者関数)となることに注意。
のとき、 は定義から基本的な算術演算(後者関数、加法、乗法、冪乗)となる。
のとき、 は算術演算を冪乗より先へ拡張したものとなる。これらはクヌースの矢印表記によって次のように表せる。
矢印表記は、ハイパー演算列と2だけずらして対応付けることで、 の場合へ拡張できる。
ハイパー演算は、「加法・乗法・冪乗の後に続く演算は何か」という問いへの解答と見ることができる。基本的な算術演算の間の関係を次に示した。これらと同様にしてより高次の演算を自然に定義することができる。
各々のハイパー演算の変数は、しばしば冪乗の言葉を用いて表される。[1]即ち は底(英: base)、 は指数(英: exponent, hyperexponent)[2]、 は階数(英: rank, grade)[3]となる。
ハイパー演算は「一つ下の演算を繰り返すことでより高次になっていくような、数の混ぜ合わせ方」と言うことができる。後者関数・加法・乗法・冪乗のコンセプトは全てハイパー演算である。後者関数は一番最初のハイパー演算であり、与えられた数を1増やすものである。加法は指定された回数だけ後者関数を反復するものである。乗法は指定された回数だけ加法を繰り返すものである。冪乗は指定された回数だけ乗法を繰り返すものである。
歴史
[編集]ハイパー演算に関する最初の考察は1914年のアルバート・ベネットによるものである。彼は「可換ハイパー演算」(英: commutative hyperoperations)の理論のいくつかを発展させた。その約12年後、ヴィルヘルム・アッカーマンは というややハイパー演算子に似た関数を定義した。
1947年にグッドスタインは論文において、現在ハイパー演算と呼ばれている一連の演算を導入した。そして冪乗(三番目)より先の拡張演算に対して、ギリシャ語の数詞からテトレーション(四番目)、ペンテーション(五番目)、と以下同様に続く名前を考案した。
表記
[編集]以下はハイパー演算子を表すのに使われてきた表記の一覧である。
名称 | 表記( の表記例) | 説明 |
---|---|---|
クヌースの矢印表記 | ドナルド・クヌースによる[4] (n ≥ 3)。ほか幾つかの参考図書において見られる[5][6]。 | |
グッドスタインの表記 | ルーベン・グッドスタインによる。[7] | |
元々のアッカーマン関数 | ヴィルヘルム・アッカーマンによる。[8] | |
アッカーマン・ペーテル関数 | 底が2のときのハイパー演算を表すことができる。 | |
ナンビアールの表記 | ナンビアールによる。[9] | |
箱表記 | ルブツォフとロメリオによる。[10][1] | |
上付き添字表記 | ロバート・ムナフォによる。[11] | |
下付き添字表記 | ロバート・ムナフォにより下付きハイパー演算の表記に使用。[11] | |
オペレーター表記 | ジョン・ダナーとアルフレト・タルスキにより拡張演算の表記に使用。[12] | |
角括弧表記 | インターネット上の多くのフォーラムで使用される。ASCII文字のみによる表記。 | |
コンウェイのチェーン表記 | ジョン・ホートン・コンウェイによる。 | |
バウアーズの拡張配列表記 | ジョナサン・バウアーズによる。 |
a から始まるもの
[編集]1928年、ヴィルヘルム・アッカーマンは
- ^ a b G. F. Romerio (2008年1月21日). “Hyperoperations Terminology”. Tetration Forum. 2009年4月21日閲覧。
- ^ 引用エラー: 無効な
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」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ 引用エラー: 無効な
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」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ Donald E. Knuth (Dec 1976). “Mathematics and Computer Science: Coping with Finiteness”. Science 194 (4271): 1235–1242. doi:10.1126/science.194.4271.1235. PMID 17797067 2009年4月21日閲覧。.
- ^ Daniel Zwillinger (2002). CRC standard mathematical tables and formulae, 31st Edition. CRC Press. pp. 4. ISBN 1-58488-291-3
- ^ Eric W. Weisstein (2003). CRC concise encyclopedia of mathematics, 2nd Edition. CRC Press. pp. 127–128. ISBN 1-58488-347-2
- ^ 引用エラー: 無効な
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」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ 引用エラー: 無効な
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タグです。「ackOrig
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ K. K. Nambiar (1995). “Ackermann Functions and Transfinite Ordinals”. Applied Mathematics Letters 8 (6): 51–53. doi:10.1016/0893-9659(95)00084-4.
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