コンテンツにスキップ

利用者:Fumibito/싸움독학

喧嘩独学』(けんかどくがく、: 싸움독학 サウムドカク、:How To Fight)は、韓国の漫画家・T.Jun(박태준 パク・テジュン)原作、金正賢作画によるWeb漫画である。

概要[編集]

スクールカースト最下位の貧しい少年・志村光太が、動画サイト喧嘩を配信して人気を博し、のし上がっていく物語。格闘技の知識を多用した喧嘩シーンに加え、動画サイト「ニューチューブ」の配信で生計を立てる「ニューチューバー」達の人間模様が描かれる。

韓国のポータルサイトNAVER2019年11月15日から連載されている[1]

日本では2020年4月4日からLINEマンガで連載されており[2]、T.Junの代表作『外見至上主義』と同じく、舞台が日本に移され大半の登場人物が日本名に変更されている。

あらすじ[編集]

母子家庭で育った高校2年生の志村光太は、学校では人気ニューチューバーで番長のハマケンや手下のカネゴンにいじめられ、放課後はバイトを掛け持ちする生活を送っていた。志村はある日、強引にカネゴンのゲーム実況を手伝わされるが、配信中にカネゴンと始めた喧嘩がネット上で大きな話題となる。「喧嘩動画を配信すれば金儲けできる」と気付いた志村は、母の入院費用を稼ぐために喧嘩ニューチューバーとなることを決意する。

喧嘩の知識がない志村だったが、ニューチューブで偶然『闘鶏』と名乗る男による喧嘩の方法を教える動画を発見し、動画通りにトレーニングして続々と勝利を収める。やがて志村は、人気の料理ニューチューバーである佐伯コージや、その背後の裏社会との戦いに巻き込まれていく。

登場人物[編集]

名前は日本語版/原語版。

声 - はYouTubeで配信されたPVの声優

志村光太カンパニー[編集]

志村 光太(しむら こうた) / 유호빈(ユ・ホビン)
声 - 小野友樹[3]
本作の主人公で高校2年生。身長170cmに満たない小柄な体格であり、学校ではハマケン達にいじめられていた。入院中の母に代わりバイトをいくつも掛け持ちして生活費を稼ぐ孝行息子である。
カネゴンとの喧嘩動画をきっかけに喧嘩系ニューチューバーとなり、「闘鶏」の動画を視聴して格闘技の技を身につけていく。後にニューチューバーのグループ「志村光太カンパニー」を設立する。
金子 亨(かねこ とおる) / 우지혁(ウ・ジヒョク)
通称カネゴン。家庭が裕福で撮影用機材を所有していたため、ハマケンのカメラマンを務めていた。当初はハマケンと一緒に志村をいじめていたが、志村との喧嘩がきっかけでスクールカースト下位に転落する。
ハマケン失脚後は金目当てで志村に動画配信を持ちかけ、喧嘩独学チャンネルのカメラマンとなる。初めは志村と母を貧乏人扱いして見下していたが、徐々に利害を超えた友情で結ばれていく。
八潮 秋(やしお あき) / 가을(カウル)
志村達より1学年下の高校1年生。志村の喧嘩動画に格闘技の知識を活かした的確なコメントをしており、動画編集者募集に応じて喧嘩独学に加わる。自身も格闘技の心得があり、小雪による騒動時には彼女と戦った。
クリーニング店を営む父と2人暮らしの帰国子女で、おじさんのような口調で話す。密かに志村に恋心を抱いており、少女らしい口調を心掛けたこともある。ルミと朝宮をライバル視している。
目黒 ルミ(めぐろ るみ) / 여루미(ヨ・ルミ)
志村の同級生で美容ニューチューバー。ハマケンと動画でコラボし志村へのいじめも傍観していたが、喧嘩独学の人気が高まると志村とのコラボを希望する。
志村にはお金持ちのお嬢様だと思われていたが、実際は狭いアパートで一人暮らししており、両親の顔も知らない。小雪による暴露に対抗するため、ニューチューブで素性を明かした。
新庄 玲央(しんじょう れお) / 성태훈(ソン・テフン)
テコンドー選手で、ゲームセンターで対戦相手に「100円ある?」と尋ねては喧嘩を吹っ掛ける少年。クールなイケメンであり、彼が動画に登場するとファンのコメントが殺到する。志村との対決に敗北してからは、態度こそ素っ気ないが動画配信に協力するようになる。
父も元テコンドー選手であり、現在は道場を営んでいる。暴走族との喧嘩で友人・宅間圭を死なせた過去があり、彼のように親の「人形」になって生きる者が許せない。
ファン・ミンギ / 황만기
シルムの天下壮士(相撲の横綱に相当)であり、身長207cm・体重151kgの巨体を持つ。現役引退後は市場で働きながら、より強い相手を求めて喧嘩を仕掛けている。実は若くしてハゲに悩んでおり、常にカツラを着用している。
日本語版でも韓国人であり、「海を越えた」設定になっている。

XJカンパニー[編集]

佐伯 コージ(さえき こーじ) / 백성준(ペク・ソンジュン)
創作日本料理店のオーナーであり、登録者約500万人の人気の料理系ニューチューバー。「XJカンパニー」のトップとして複数のニューチューバーを束ねている。喧嘩独学として人気を博した志村に目を付け、利用を目論む。
志村と同じく貧しい母子家庭で育った。柔道日本代表選手として期待されていたが、水商売の母を助けるために八百長試合で3,000万円を稼いだ末、恩師に裏切られて絶望する。関東一の暴走族を一人で壊滅させた後に「笑い鬼」の異名で恐れられるヤクザとなるが、組長の指示で実の父を殺してしまい、日本から逃れるため乗り込んだ密漁船で244に出会う。
韓国語版では在日韓国人であり、日本から韓国に渡るまでの経歴も同様である。
西羅 志郎(にしら しろう) / 이진호(イ・ジノ)
「244」の名で活動する美容・動物系ニューチューバー。正体は裏社会で暗躍する実業家であり、国会議員とのつながりもある。
常に冷静沈着で薄笑いを浮かべているが、素性を知られることを恐れており、本名を呼ばれると激昂する。
藤井 翔(ふじい しょう) / 지연우(チ・ヨヌ)
勉強する姿を配信する勉強系ニューチューバーであり、朝宮の同級生。成績優秀かつボランティア活動に熱心で容姿端麗なため、女性の視聴者や同級生からの人気が高い。かつては極真空手の選手だった。
ニューチューブはコージの「動画で監視して勉強部屋から出させない」という提案により、官僚の父が始めさせた。新庄との喧嘩と父に対する襲撃事件を経てからは極真空手を再開し、勉強漬けの生活からは解放されたようである。
長瀬 道成(ながせ みちなり) / 한왕국(ハン・ワングク)
小雪の兄で、アウトボクサー。虐待されていた小雪を守るため実の父親に重傷を負わせ、少年院に服役する。服役中に出会ったコージに格闘技を学んでのし上がるように助言され、少年院のボクシング部で58戦58勝40KOの記録を打ち立てた。
長瀬 小雪(ながせこゆき) / 한겨울(ハン・ギョウル)
道成の妹で暴露系ニューチューバー。事実と誇張を入り混ぜてスキャンダルをでっち上げた動画を配信し、ターゲットを社会的に抹殺している。兄と同じくボクサーであり、インファイトを得意とする。

志村の家族・友人・その他[編集]

朝宮 夏帆(あさみや かほ) / 최보미(チェ・ボミ)
志村がバイトしていたハンバーガーショップの同僚で、店のアイドル。彼女がハマケンに絡まれた際に志村が「強くなって朝宮を守りたい」と願ったことが喧嘩独学を始めたきっかけでもある。扇の小学校時代の同級生で、現在は藤井と同じ高校に在籍している。
実は中学生の頃に志村に出会って一目ぼれし、志村に会うために同じ店でバイトを始めたが、志村自身は覚えていない。
父が医師であるため世間知らずなところがあり、「短期間バイトすれば200万円くらい退職金をもらえる」と勘違いしていた。
扇 達也(おうぎ たつや) / 김문성(キム・ムンソン)
志村の同級生で、総合格闘技の選手。喧嘩独学の動画を視聴し、素人ながら喧嘩の素質がある志村の実力を見抜く。朝宮とは小学生の頃からの友人で、彼女と親しい志村に嫉妬する一面もある。
かつては暴走族「スキッド」のNo.2だったが、ローガン・グレイシーとの出会いにより力を格闘技に活かすようになった。テコンドーから総合格闘技に転じた新庄と対戦し、打ち負かしている。
ローガン・グレイシー / 로건 그레이시(Logan Gracie)
総合格闘技MMAの選手で、扇が所属するジムの館長。喧嘩独学の配信を見て志村が「闘鶏」の動画で喧嘩を学んだと確信し、彼を拉致する。しかし日本語が片言で意思疎通できなかったため、すぐに解放した。
後に日本語を学び直し、流暢に喋れるようになった。喧嘩の奥義を求めてジムを訪れた志村に試練を課す。
闘鶏(とうけい) / 쌈닭(サムタク)
志村がニューチューブで偶然検索して発見したチャンネル「dokugakukennka」(독학 싸움)で「〇〇に勝つ方法」という喧嘩のレクチャー動画を配信する男。ニワトリのマスクを被っており素顔は伺い知れず、片言の日本語を話す。過去に東南アジアで244の部下を壊滅させた。
志村はローガン・グレイシーが正体ではないかと疑うが、確証はない。
志村 美由紀(しむら みゆき) / 박지현(パク・ジヒョン)
志村光太の母。ガンで入院しており、息子の生活と将来を心配している。息子が喧嘩独学を配信していることには気付いていない。
退院後は「新しい仕事」と称してハマケンの動画に出演し晒し者にされるが、志村の報復により中止された。

評価[編集]

2022年3月、日本の「第25回⽂化庁メディア芸術祭・マンガ部門」で「審査委員会推薦作品」に選出された[4]

脚注[編集]