コンテンツにスキップ

利用者:G-Sounds/グラスホッパーについて

グラスホッパーについての調査です。

調査[編集]

まず、

  • 花崎 一夫 監修 『自分でつくる おいしいカクテル』 永岡書店 2000年9月10日発行 ISBN 4-522-41081-6

この本では、使うリキュールの銘柄の例も書かれているのですが、それによると、

  • ペパーミント・ジェット・27 : ヘルメス・ホワイト・カカオ : 生クリーム = 2:1:1

これをシェークするとなっていました。各材料を3分の1ずつ使うという原則が崩れているレシピではありますが、やはり、グリーン・ペパーミント・リキュールと言えば、これですものね。

残念ながら、書籍でホワイト・カカオ・リキュールのデータが書かれているものは見つからなかったのですが、ペパーミント・ジェット・27については当然のように複数の書籍にデータがあります。

  • 福西 英三 『リキュールブック』 柴田書店 1997年7月1日発行 ISBN 4-388-05803-3
  • 成美堂出版 編集 『リキュールとカクテルの事典』 成美堂出版 2001年8月20日発行 ISBN 4-415-00835-6

これらの本には、どちらも以下のような情報が書いてあります。

ペパーミント・ジェット・27 (Pippermint Get 27)
アルコール度数21度
エキス分38%
昔はアルコール度数27度だったので、リキュール名に27の数字が残っている。
ペパーミント・ジェット・31 (Pippermint Get 31)
アルコール度数24度
エキス分43%
無色透明
補足
ホワイト・カカオ・リキュールについては、福西 英三 『リキュールブック』には記述があるものの、エキス分などの記述は無し。なお、成美堂出版 編集 『リキュールとカクテルの事典』に至っては、ブラウンしか記述なし。

以上の記述から、昔と比べてグリーン・ペパーミント・リキュールの比重が大きくなっていることが考えられます。御存知の通り、エタノールは水よりも比重が軽いですからね。

これは推測ですが、ペパーミント・ジェット・27は、相当古くから有名だった銘柄(18世紀から製造されていた銘柄)だそうですし、このリキュールの成分が変わってしまったことが、文献にある旧来のグラスホッパーと、重なる順番が変わって、グリーン・ペパーミント・リキュールを下にしないと、プース・カフェ・スタイルにできなくなったのでしょう

……ただ、ここで困っているのが、いつ頃、ペパーミント・ジェット・27 (Pippermint Get 27)の成分が変わったのかが、よく判らないことなんですね。調べましたが、結局、判りませんでした。これでは、グラスホッパーの記事の本文に手を入れられません。


ちなみに、私がグラスホッパーの記事を書いた時に参考にした文献中で、最も古いのは、次の本です。

  • 杉田 米三 『最新カクテルブック』 柴田書店 1969年12月20日発行

この本においても、グラスホッパーはシェーカーを使って作る、しかも、しっかりとシェークするよう指示があります。そして、シェークするレシピしか載っていません。

このことから、グラスホッパーのレシピがシェークするようになったのは、1969年よりも、そうとう前だと考えることができます。と言うのも、レシピが変わったのであれば、それが伝わるのに時間がかかるはずなのに、この1969年発行の杉田 米三 『最新カクテルブック』でも、すでに現在の

  • グリーン・ペパーミント・リキュール : ホワイト・カカオ・リキュール : 生クリーム = 1:1:1

というレシピと全く同じになっているからです。

つまり、旧来のグラスホッパーが作られなくなって久しいので、すなわち、シェークする作り方が一般的になって久しいので、グリーン・ペパーミント・リキュールの比重が変化してしまっていても、何ら問題が起きていなかったのが、今回、HANSONさんが実際に旧来のグラスホッパーを作ってくださったことで、この比重が変わったと思われる(どこにも比重が変わったという記述が見つけられなかったので、あくまで推測です)点が、問題となったものと考えられます。(これは、私にとって発見でした。全然知りませんでしたからねぇ……。)

考えてみれば、グラスホッパーは、大変古いカクテルなので、このようなことは起こり得ますものね。

恐らくリキュールの比重が変化したために、順番が変わってしまったと思われる、旧来のグラスホッパー


そうそう。結論の前に、私が行った旧来のグラスホッパーについての記述が本当に書籍に書いてある通りになっているのか、これを再確認する必要がありますよね。なにしろ、写真という決定的な証拠が出てきたわけですから、私の記述が間違っている可能性も十分考えられますものね。

というわけで、「作り方の変化」の節の「主な参考文献」に挙げた書籍にある、旧来のグラスホッパーに関する記述を、そのまま書き出しておきますので、御確認ください。

  • 後藤 新一 監修 『カクテル123』 日本文芸社 1998年12月15日発行 ISBN 4-537-07610-0

「下に書いたレシピではシェークしていますが、作られた当初はプース・カフェ・スタイルでした。クレーム・ド・カカオ、ペパーミント、生クリームの順で静かに注ぐと中間層のグリーンが美しい昔ながらのプース・カフェ・スタイルが完成します。2種類のグラスホッパーを飲み比べてみるのもおもしろいです。今ではシェークするのが定着していますが、……」

  • 岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1

「誕生当時の作り方 → グラスホッパーが生まれた当初は、シェークせずに、リキュール・グラスに材料を直接注いで三層に積み重ねるスタイルで作られていた。作り方は、最初にホワイト・カカオを注ぎ、次にペパーミント・グリーンをのせ、最後に生クリームをフロートさせる。上下が白で間の緑が際だつ、美しいカクテルとなる。」

  • 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X

「もともとは、シェークせずにプース・カフェ・スタイルだった。ホワイト・カカオ、クレーム・ド・メンテ、生クリームの順番で注いだが、シェークしてみたところ、よりおいしくなったので、現在のレシピになったという。」

  • 花崎 一夫 監修 『ザ・ベスト・カクテル』 永岡書店 1990年6月5日発行 ISBN 4-522-01092-3

「このカクテルが生まれた当初は、現在のようにシェークせず、グラスに材料を順番に注いで層を作る、プース・カフェ・スタイルで飲まれていた。カカオの白、ペパーミントのグリーン、生クリームの白、3層のカクテルだったのだが、シェークしてみたら、さらにおいしいカクテルに。こうして今のスタイルが定着したのだ。」

……以上です。


結論として、

  • 古いグラスホッパーの記述では、私が書いた順番で正しいようです。
  • 恐らく、Pippermint Get 27の成分変更に伴う比重の変化で、今、古いグラスホッパーを作ろうとすると、上で表示した写真のようになると考えられる。

2010年11月20日。

テスト表示[編集]

(以下は、グラスホッパーの記事の完成度を上げるための、テスト表示のための領域です。)

標準的なレシピ[編集]

グラスホッパーの材料の例

グリーン・ペパーミント・リキュール : ホワイト・カカオ・リキュール : 生クリーム = 1:1:1

作り方[編集]

ホワイト・カカオ・リキュールを使用して作ったグラスホッパー

グリーン・ペパーミント・リキュール、ホワイト・カカオ・リキュール、生クリームをシェークして、カクテル・グラス(容量75〜90ml程度)に注げば完成である。

備考[編集]

ブラウン・カカオ・リキュールを使用して作ったグラスホッパー
  • 材料をシェークしてカクテル・グラスに注いだ後、仕上げにナツメグを振りかけることもある。
  • グリーン・ペパーミント・リキュールとホワイト・カカオ・リキュールと生クリームが、等量ずつではないレシピも見られるが、こちらは標準ではない(文献、アンテナハウス 編集 『カクテル物語』 p.30 同文書院 1991年12月18日発行 ISBN 4-8103-7043-7)。

アンテナハウス 編集 『カクテル物語』には、 「グリーン・ペパーミント・リキュール : ホワイト・カカオ・リキュール : 生クリーム = 2:1:2」 のレシピが載っている上に、一般的には、3分の1ずつの配合で作るとも書いてあり、 この部分の出典としては、コンパクトにまとまっていました。 このため、これ1つを出典として挙げましたが、 他にも、割合が違うレシピを載せている本も、時々見かけられます。 しかし、それらを列挙する必要は、特になく、これ1つで十分だと思われます。

  • 生クリームを混合するため、シェークは強めに行う必要がある。
  • 生クリームの代わりに、エバ・ミルク(無糖練乳)を使用することもある(文献、今井 清 監修 『カクテルブック』 p.91 ナツメ社 1988年4月20日発行 ISBN 4-8163-0667-6</ref>)。

なお、他にエバ・ミルクの記述があるのは、 杉田 米三 『最新カクテルブック』 p.91 柴田書店 1969年12月20日発行 この本ですが、こちらは、 クリーム(エバミルク) とだけしか書かれていないので、とりあえず出典としては明示せず、コメントアウトしておきます。

  • 仕上がりの色が変わるだけで味は変わらないので、ホワイト・カカオ・リキュールが無い場合、通常の褐色のカカオ・リキュールで代用することもある。この場合、仕上がりは暗いモスグリーンとなる(文献、岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 p.150 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1)。