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利用者:GOUDOU KINGO/sandbox

ニートな魔王とツンデレ勇者とは、及川シノンによるライトノベルの形をとったファンタジーであり、日本のE★エブリスタという投稿サイトで執筆されている電子書籍である。

概要[編集]

 「愛と勇気と感動とパロディーの物語」がコンセプト。しかし魔王の発言の半分以上がパロディーであることや、すでに勇者たちが旅を終えて強さを確立していることにより、出現する敵をほぼ一撃で倒すため、結果としてファンタジー系というよりはギャグ系である傾向が強い。物語は三人称で語られており、種族名や職業名でキャラクターを表す。


 みんなのノベル(以下 みんノベ)というサイトに以前投稿していたが、その時とは大幅に改稿されており、ラスボスである「時空の女神」との戦闘描写はみんノベ版とは大きく異なっている。コメント欄に「帰ってキター」や「みんなのノベルのときからファンでした」などと書かれるのはみんノベ版を知っている者の所業である。サイト閉鎖に伴いエブリスタに移行した後、2013年7月には総合ランキング三位をとる人気作となっている。

世界観[編集]

 「剣と魔法のファンタジー世界」とキャラクターは称している。だが魔王が3DSPS3を持っていたり、ゴキブリーンをゴキジェットプロで倒したり、世界樹内にエレベーターがあったりと、様々なところで(ほとんどはギャグの部分であるが)その世界観を壊している。そのうえ上記からもわかるように、登場するもの(特にマンガゲームなど)が現代日本とリンクしていることが多々ある。


 もちろん、魔法を使う・技が人間の膂力をはるかに超えている・魔物や妖精や神が登場するなどファンタジー固有の要素もある。

戦闘システム[編集]

 この世界の戦闘システムは、「ドラゴンクエストシリーズ」や「ファイナルファンタジーシリーズ」のそれに似ている。具体的に言うと、この世界での戦闘は全て「攻撃」「特技」「魔法」に分かれている。

特技[編集]

 持っている武器を媒介にして、超常的な現象を引き起こすこと。テツの「アックス・インパクト」やファシルの「デッド・スラッシュ」など、実に様々な種類が存在する。だが、なぜか上記のように武器を振って真空の刃を発生させる(またはその仕組みに準ずる)ものが多い。

魔法[編集]

 魔法名を唱えることで様々な現象を発生させること。呪文は存在せず、どうやって覚えるのかも明らかにされていない。魔法の種類は主に攻撃魔法と守備魔法、その他に分かれ、攻撃魔法はその中で六種の基本魔法とそれ以外に分かれる。


 基本魔法は「フレア」「ブラスト」「アクア」「アイス」「サンダー」「バースト」で、これのみに初級・中級(メガ~)・上級(ギガ~)・究極(ウルティマ~)の四段階がある。それ以外は「ブラックロザリオ」などの黒魔法、「マキシマムオーラ(攻撃力上昇)」などが位置づけられる。

キャラクター[編集]

勇者一行[編集]

 世界を周る旅を終え、魔王城に到着し、魔王を倒してエンディングを迎えるはずが、わけあって魔王と旅をすることになった。すでに魔王と戦えるほどの強さを身に着けてから物語が始まったため、最初から強力な特技や魔法を使用する。

シックス[編集]

 本作の女主人公。地の文では「勇者」。誕生季節は秋で、血液型はA型。勇気からくる強さ、ぶれない心、挫けない精神、そして凛々しい雰囲気を兼ね備えた、勇者たるにふさわしい女性であり、そこから出てくる言葉も男前極まりない。作者はキャラクターの外見を明らかにすることはしないが、胸の大きさは「ベルリンの壁(=貧乳)」と表記されている。本人はそのことを気にしており、指摘されると容赦なく攻撃魔法を撃つ。性格はタイトル通りのツンデレであるが、発言の内容から判断すると「クーデレ」に近いところがあると作者は言及している。


 武器は片手剣。テツやマキナと同じく世界樹の頂上にて「魔王を倒せるほどの強力な武器」を願うことで手に入れたため、この世界では最強の武器である。だが、その武器や得意な風魔法「ギガブラスト」を使用することはあまりなく、敵(とくに強い敵)を倒すときはパンチである。ちなみにその武器は両刃だが、勇者は超絶技巧により峰打ちを可能にしている。最終奥義は基本の六魔法を聖剣に集めて放つ「ジャッジメント」だが、これはファシルとの戦いにしか使用しなかった。


 能力は「嘘を見抜くこと」。その能力は神にさえ通じ、実際にその力で時空の女神の目的を看破した。しかし秘密や心の中を知るものではないため、黙っていれば見抜かれることもない。その能力と関連があるかは不明だが、嘘をつくのがとても苦手。これといった弱点はないが、ネーミングセンスは壊滅的である。技の強さにそぐわない、あまりにも恥ずかしい名前なので、合体技など全員で技名を言う必要があっても、仲間たちは痛烈に拒否している。


 出身はアバシリ村。幼い頃に魔物に両親を殺されており、そのことから魔王を倒すことを目的として旅を続けてきた。同じ村の出身であるテツとは幼馴染であり、旅の初めから一緒にいる。最後にはファシルと結婚し、アバシリ村に戻って幸せな家庭を築く。


 正体は「永遠の勇者」であり、時空の女神によって魔王と愛し合った過去を忘れ、999回も彼をその手で殺し、その度にループしてきた。その記憶が戻ったときは今までの転生は男だったために、一瞬だけ一人称が「俺」に戻っている。98回、魔王を救う選択を選ぶこともあったそうだが、途中で疑心暗鬼になって殺害するか、女神に勝負を挑んで敗北し、無理矢理殺すことでループしている。その過去98回の失敗にさえ怯えることなく、女神に挑戦し、撃破してエンディングを迎えた。

ファシル[編集]

 この物語の主人公。地の文では「魔王」。誕生季節は冬で、血液型はO型。本名はファシル=S=サタンⅡ世だが、本人もこの「S」が何を意味するかは(後に重要な意味を持つことも)知らない。ヒョロ長い体型で、勇者や戦士よりも背が高い。王族のため意外と教養は深く、バイオリンをひいたり、高級紅茶のメーカーを香りだけで言い当てる。だが本人いわく、学力は高2の夏で止まっている。


 タイトルの通りのニートで、魔王城の一室に引きこもり、政治や軍事などはすべて部下に任せ、いわゆるサブカルチャーに没頭していた。そのため努力することが大嫌いで、少しでも自分に負担がかからない選択をしようとする。しかし旅先でたくさんの人に出会い成長した結果、少しずつ努力することを覚えていった。その証拠に、15時間かかる世界樹の頂上を自力で上っている。


 性格は、一言で表せばお調子者。パロディー発言をなんの臆面もなく連発し、空気を読まないことと状況を悪化させることは達人級である。しかし、それは耐え難い経験を何度もした結果、どうせいつか死ぬなら毎日を楽しく生きておこうという彼の人生観がもとになっている行動である。それゆえ、時折出てくる真剣な言葉は絶望の色に染まっており、その眼差しも暗いものとなる。


 戦闘に参加することは滅多にないが、戦闘力は魔王と呼ぶにふさわしいものである。最上級の闇魔法「ダークネス」「ブラックロザリオ」や魔界の鎌を召喚する「デスサイズ」は地形を変えてしまうほどの威力。実際、その「世界を破壊する力」により勇者に疑心を抱かれ、殺されることもあったらしい。最終奥義は鎌から放つ「黒撃破・終演」だが、これはシックスとの戦いにしか使用しなかった。ちなみに、みんノベ版ではシックスとの戦闘時に二回変身して魔物の姿に近づいていったが、エブリスタ版では削除されている。


 世界樹を踏破した時の願いは「俺をニートからランクアップしてください」で、そのときはシックスに本気で怒られていた。だが本当の狙いはニートからフリーターへのランクアップではなく魔王から魔神への進化である。その理由はたとえ「ループからの解放」を願っても、世界樹の力では時空の女神の力を捻じ曲げることはできないと考え、それならば女神を倒す対抗策を願った方がいいという計算からである。


 勇者と同じ「永遠の魔王」であり、999回も勇者に殺された過去から諦めることに慣れてしまった。シックスとは違ってループした世界の記憶をすべて保持している。1000回目となるこの旅でも時空の女神には勝てないという考え方は変わっておらず、その旨を伝えてテツに本気で殴られ、シックスに勇気づけられて、最終的には女神と戦うことを自分で決めた。見事、勝利してループを終わらせた後はシックスと一緒にアバシリ村に行き、彼女と結婚する。


 いつもふざけたことを言ったり、ふざけた行動を取ったりしては仲間たちからひどい扱いを受けている脇役感が高いギャグキャラなのに、みんノベで行われた人気投票ではぶっちぎりの一位を取った、読者受けのする主人公である。

テツ[編集]

 本名は「テツ・シュミット」で、地の文では「戦士」。黒髪黒目で、金属の名前を持つ「ヤマト」の血を母親から引く生粋の戦闘民族である。誕生季節は夏で、血液型はO型。魔法の才は全く無く、「飛天御斧流」という読み方が不明な流派を会得しておきながら、特技も数えるほどである。しかし、その力と最強の斧から放たれる衝撃は並みの魔物なら即死するほどで、戦闘ではかなりの活躍を見せるキャラ。長年の付き合いであるシックスとの連携も素晴らしく、アイコンタクトのみでお互いのやりたいことを理解する。


 日常ではシックスやファシルに対してツッコミを入れるキャラ。その割に知性は作者いわく「ゴリラよりちょっと賢い」程度。汗臭さは半端ではないようで、ファシルから「牛乳吹いた雑巾を絞ってその汁にアンモニア加えたような臭い」と表現されている(一緒に旅をしているし、ファシルの意見なので実際はそこまで臭くないかもしれないが)。


 実は、心の底では自分が仲間に必要とされているか、そもそも自分が仲間たちを守れるほど強いのか、ずっと不安だった。それを師匠であるバサシ・サラブレッドから突きつけられたときは大きく動揺する。だが真剣に考え、悩みぬいた末に、師匠と同じ結論である「友だちのために、自分のできることをする」という覚悟を決めた。みんノベ版でのみ修行の成果として「世界夢想流」を会得した。


 ちなみにみんノベ版では「100ページで死ぬフラグ」、エブリスタ版では「それ言ったときは確実にやってないフラグ」というフラグをファシルから立てられており、実際にその後(どっちのバージョンでも)サイボーグと化したゴキブリーンに殺されかけている。しかし生還し、無事にエンディングを迎え、アバシリ村に戻ってマキナと結婚した。

マキナ[編集]

 地の文では「魔法使い」。誕生季節は春で、血液型はAB型。胸の大きさは「人類の夢と希望と等しい(=巨乳)」と表現されている。本作の萌えキャラ担当らしいが、あからさまなドジを踏んだりすることはない。それでも読者からの人気はかなりのものである。


 使える魔法はかなりのもので、全属性の上級魔法を杖の一振りで操ってしまう。さらにごく一部の天才だけが操れる二重魔法(二つの魔法を同時、または融合して発動すること)すら修行時に使っていた。最終奥義は自らの名前を冠した神の魔法「デウス・EX・マキナ」。だがこれは修行の時にしか使用しなかった。


 とても凄惨な過去を持っており、その部分はみんノベ版よりエブリスタ版の方が詳しく書かれている。修行時に自らの精神に入り込み、仲間たちの死体(の幻)とともにその過去を自身の黒い感情が実体化した「もう一人のマキナ」に言われたときは、激しく動揺していた。さらに「仲間が必要としているのは魔法使いであって自分ではない」という言葉に己を見失いかけるも、シックスの言葉を思い出して立ち直った。


 魔法とは全く縁のない村で生まれた彼女は、魔法に関して「100年に1人の天才」だった。最初はそのことを喜んでいた村人も、彼女の魔法が原因による小さな事故をきっかけに見る目が変わり、ついには彼女とその家族を村八分にした。生みの父親は出ていき、新しく来た父親に母親ともども虐待を受け、最終的に母親に殺されそうになる。その時に聞いた「あんたなんて産むんじゃなかった」という言葉で感情が暴走し、魔法によって両親を含む村の人全員を、村ごと消滅させていた。


 この後、彼女はホームレス生活を送っている時にシックスと出会うのだが、その話はみんノベで公開された「ニートな魔王とツンデレ勇者 外伝」に収録されていた。ちなみにエブリスタ版の彼女の紹介文に、それに関連した話が載っている。

ポチ[編集]

 地の文では「蒼竜」。誕生季節や血液型は一切不明。ネーミングセンスから分かるように、この名前を付けたのはシックスである。最上級レベルの魔物に位置するドラゴンの中でも、さらに希少種で上位種のサファイアドラゴンであるため、並みの魔物が束でかかっても勝てるような相手ではない。攻撃手段はドラゴンらしい爪・尻尾・牙による直接攻撃か、青色の火炎ブレスによる遠隔攻撃である。


 日常ではシックスたちの保護者的存在であり、そのせいか口調もお姉さん口調である。いつも大人の余裕たっぷりで、ファシルからは「ポチ姐さん」と慕われている。しかし本当はシックスの保護者をしているわけではなく、ただ面白い展開が好きで付いてきていただけであり、シックスたちの旅がどうなろうと知ったことではなかった。しかし最終戦のときに心境が変化し、エンディング時に「バッドエンドは、嫌いなのよね」という言葉を残して去っている。


 みんノベ版ではシックスの仲間になった経緯が書かれていたし、世界樹内で彼女が美しい女性へと擬人化していたが、エブリスタ版では削除されている。ただし、応援特典で「擬人化したら美しい人だろう」と書かれている。

魔王軍[編集]

 元々、魔王四天王はヤンバル、ミノ=タウロス、ミミガー(残り一人は不明)で構成されていたが、様々な理由でヤンバル以外は全員「空気男」に(ファシルの思いつきで)変わっている。しかし存在が空気な彼らはシックスたちと戦闘を行うことはなかった。

ゴキブリーン[編集]

 地の文では「王虫」。魔王四天王の筆頭(=魔王軍ナンバー2)で、魔王軍の軍事や政治、経済などの一切を魔王の代わりに受け持っていた。本名は「ヤンバル=テナガ=コガネ」だが、その姿はゴキブリそのものであることから、シックスたちからは「ゴキブリーン」と呼ばれている。本人はその度に訂正するのだが、上司であったファシルにすら覚えられていなかったときはさすがに落ち込んでいた。本作の中で、なぜか敵としては一番の読者人気を誇っているキャラである。


 ファシルへの忠誠心はとても厚かったが、彼の「もともと世界征服とか興味ないし」という言葉で反乱を決意する。その際に出てくる叫びは聞く人間が思わず涙するほどの苦労話である。だが自慢の4刀流もファシルの魔法の前に撃沈した。


 二回目は世界樹にてパワーアップの願いを叶えるついでに妖精誘拐による軍資金獲得を考え、改造人間を作成してロコを狙ったが、シックスたちと遭遇し、あっけなく敗北。ファシルに縄で縛られて世界樹から放り投げられるという暴虐を受けた。その結果かどうかは分からないが、最終決戦時に自分の体をサイボーグ化してテツに立ち向かう。このときはブースターによる加速など、相当なパワーアップを果たしていたが、やはりやられてしまった。

ミノ=タウロス[編集]

 地の文では「牛男」。首から上が牛で、とても渋くていい声を持つ魔物。元魔王軍四天王で、現在は魔王軍親衛隊隊長と男子コーラス部部長を務めている。その巨大な斧から放たれる一撃は全てを潰すほど強力なはずだったが、テツに負けてしまう。その後、シックスのパンチによって倒された。

改造人間[編集]

 地の文でも「改造人間」。「嘘から出た真」のように登場した、人間と昆虫(バッタ)が半分半分で構成された化け物。ゴキブリーンの命令でロコを誘拐する。元が人間であるためシックスたちは殺すことができず、追い詰めることはできたが、肉弾戦に切り替えられて敗北した。後に妖精特有の『回帰能力』を使ったエルフの里の再生治療によって治療され、元の人間に戻ったようだ。

グランツール騎士団[編集]

 人類と魔族の戦争により、居場所を失った者たちが身を寄せ合って暮らす場所。ここでは人類と魔物が完全な形で共生している。しかし、援助をもらっていないため貧しい状況に変わりはなく、ユーリは「悪人を懲らしめるため」と言って金品を巻き上げることまでしている。そのことを団長のミミガーは快く思っていない。

ミミガー[編集]

 本名は「ミミガー=アグー=アマリリス」で、地の文では「豚騎士」。とても丁寧な態度と、重厚な雰囲気を持つ、見た目以外は騎士にふさわしい豚面の魔物。元魔王軍四天王の一人で、「韋駄天のミミガー」と呼ばれていた。そのためファシルを「若様」と呼ぶ。しかし、人と魔族の共存共栄を望み、その理想のために魔王軍を去り、グランツール騎士団を作り上げた。


 最終決戦の際に、ファシルからの援軍要請を受けてテツとマキナのところへ駆けつける。そのときにかつての戦友である(サイボーグ化した)ゴキブリーンと出会うのだが、この人だけは名前を覚えていた。ちなみに魔王軍配下の時とは違い、遅効性回復魔法「キュアレイト」を常にかけるようにしている。

ユーリ[編集]

 本名は「ユーリ・グランツール」で、地の文では「少女」。「髪をポニーテールに結んだ可愛らしい女の子」と表記されているが、性格はとても勝気。ミミガーに教わっているだけあって、剣の腕前は相当なもの。日々ミミガーに追いつくために、剣の鍛錬を毎日している。ミミガーと同じく、最終決戦に登場したが、そのときはほとんど活躍していない。


 ファシルに「ミミガーより強い敵に会ったら君は何もできない。それなら努力しても無駄になる」という主旨の言葉をかけられるが、「それが『今』努力を止める理由にはなりません」と、努力することの意味を彼に教えた。その意味では、極めて重要な人物である。

三賢者[編集]

グリンレッド[編集]

 魔物の世界に一番近い人間の街、「トマコマイ」に木造の家を構える錬金術師。家の中は足の踏み場もないほど汚いらしく、それは普段部屋を汚くしている魔王が驚くほどである。容姿は長身で細身、細めがちな顔に丸メガネをかけ、癖毛で猫背がち、そして埃で汚れた白衣姿と、キャラクターの容姿をあまり描かない本作にしては珍しいことである。口癖は「~ないようで~」、名前は赤緑という章タイトル通りの「どっちつかず」な人である。ポリシーは「人生はいつもギブ&テイク」。時空を越える研究をしているタマさんを紹介する代わりに、自分の研究(内容は明かされていない)に必要な勇者たちにガラス鉱石を取ってくるように頼んだ。

タマ[編集]

 王都サッポロの郊外でド派手な屋敷に住む錬金術師で、内容を書けないほど恥ずかしい合言葉によってのみ開くという警備の厳しい屋敷に引きこもっている。姿はペルシャ猫そのもので、常に執事のセバスチャンに抱かれて移動している。しかし元々は人間だったらしく、猫になった理由は「猫って楽そうでいいなー。そうだ、猫になってもいいんじゃない?」という、単なる思い付きである。ちなみに書ききれないほど名前が長いため、みんなに最後のタマしか名前を覚えてもらえない。なぜか「な」が必ず「ニャ」になる。


 ファシルのループを解けるかどうか、という質問に対して「まぁ、ムリでしょうね」と答える。理由は研究しているのは二次元に行く方法であって輪廻転生ではないからで、魔王は自分の運命うんぬんよりも、むしろそちらに強い興味を持ったらしく、激しい口論を繰り広げた。しかし世界樹なら願いを叶えてくれることを勇者たちに思い出させ、次の目的地を示した。

バサシ・サラブレッド[編集]

 世界の一番北に位置する最果ての場所・ソーヤ岬に住むケンタウルス。勇者たちに技を教えた師匠であり、膂力・魔力・観察力など全てにおいて最強クラスである。星の動きから未来を知ることができるらしいが、他人の運命を変える力がないため実際に役に立つのかは不明。他にも自分の作った空間に人を飛ばしたり、精神世界へ飛ばしたりできる。

時空の女神[編集]

 地の文では「女神」。この物語のラスボスであり、ありとあらゆるものの上に立ち、世界を観察し続けている者。魔王城の、ファシルが住む玉座の間の地下に住んでいる。この世の何よりも美しく、その姿はまさに聖母である。しかし、性格は女王様なんて言葉が生易しく聞こえるほどのサディストで、愛し合った勇者と魔王が殺しあい、永遠のループを続けるところを見て飽きることなく楽しんでいる。本人はそのことについて、「魔王と勇者が愛し合うという許されない大罪に対する永遠の罰」と言ったが、それはシックスによって嘘だと看破される。本当の目的は、世界の観察に退屈した彼女の「ヒマ潰し」である。実は新しい世界を創造することもできるのだが、「働いたら負け」という持論を持つニート。


 運命を創り、書き換え、操る能力「インビジブル・ハンドオブゴッド」を右腕に秘めており、絶大な力でシックスとファシルを追い詰めるも、シックスの攻撃の速さに運命操作が間に合わず(=弱点は運命操作を連続で行えないこと)、最終的に「新☆世☆界☆ハイパーダイナマイトエキセントリック勇者パンチ」によって敗北し、二人のパンチによって消滅した。