利用者:Glaceonwiki/パッチワーク (裁縫)
パッチワークは裁縫の一種で、生地の断片を縫い合わせ、大きなデザインを作るものである。一般的に、形や色が異なる生地をつなぎ合わせ、繰り返しパターンを作る。元の生地はつなぎ合わせやすいよう、基本的な幾何学形状に慎重に計測・切断される。
利用
[編集]パッチワークはキルトを作るのによく用いられるが、ラグやバッグ、タペストリー、ジャケット、クッションカバー、スカート、ウェストコートなどの衣料品を作るのにも用いられることがある。手芸作家の中には、刺繍などのステッチと組み合わせる人もいる。
キルトとして使う場合、パッチワークは三層構造の上層になる。中間の層は中綿、下の層は裏地である。中綿がずれないようにするため、手作業またはミシンでランニング・ステッチを使ってキルティングされることが多い。このランニング・ステッチは、パッチワークの輪郭をなぞったり、ランダムなデザインにしたり、あるいはパッチワークとは対照的に規則的なデザインにすることもある。
歴史
[編集]小さな布地を組み合わせてひとつの大きな布地を作り、布地の層を一緒にキルティングするパッチワークの痕跡は、歴史を通して見つかっている。パッチワークは、少なくとも5500年前(紀元前3400年)から古代エジプト人によって衣服や壁飾り、ドレープ、家具を作るのに用いられていた[1][2]。 中国では、劉宋の劉裕が創始したと伝えられている[3]。現存するものの中で最古のものは、中世初期のものである[2]。この頃、キルトが鎧に使用され、寒さや攻撃から兵士を守っていた。日本の鎧も類似の技術が使われていた[4]。
パッチワークを利用したキルトは、11世紀から13世紀頃に一般家庭でも利用されるようになった[5]。この頃、ヨーロッパの気候が冷え込むにつれてベッドキルトがよく使用されるようになった。装飾的なキルトが発展するとともに、シンプルな布を模様やデザインで装飾する習慣が発達した。この方法でキルトを作る伝統は、ピルグリム・ファーザーズによってアメリカに持ち込まれた[6]。
アメリカ合衆国
[編集]世界恐慌の頃、古い衣服を暖かいキルトにリサイクルする手法として、パッチワークは広く再興した。こんにちでは新しい木綿の布地で作ることが一般的だが、小さい布地や古い布地でもパッチワークには適していた。アメリカでは、パッチワークは第二次世界大戦後に一度衰退したが、アメリカ建国200年を迎えた頃に復活した。かつては、フレームを囲んで集団でキルティングすることがふつうだった。キルティングの代わりに、層を一定の間隔で糸で結びつけることもある。これはtyingやknottingと呼ばれ、掛け布団を作るのに使われた[7]。
人気
[編集]2003年のアメリカでのキルティングに関する調査では、アメリカのキルティング産業は27億ドルになると推計された[8]。国際的なキルティングの展示会には数千の人が訪れ、そのほか地方では毎週末に数え切れないほどの小規模な展示会が開催されている。ネット上にも活発なキルティングコミュニティがあるほか、毎年何百冊もの本や雑誌が出版され、世界各国にたくさんの活発なキルティング協会やキルティングショップがある。「Quilt Art」は正統的な芸術メディアとして発刊され、キルティング作品を企業のバイヤーやギャラリーに数千ドルで売っている。キルトの歴史家やキルトの鑑定士は伝統的なキルトやアンティークのキルトを再評価しており、優れたアンティークのキルトはコレクターや博物館が工学で購入している。The American Quilt Study Groupは、キルト史の研究を推進している。
アジア
[編集]インドでは、襤褸からできたカンタというブランケットがある。サンスクリットで襤褸切れを意味するkonthaに由来している[9]。ナクシ・カンタは、日本の刺し子に似たランニング・ステッチが装飾や補強、模様の縫い付けに使われている。カッチ県ではカタブと呼ばれている。カルナータカ州ではコウディという名前で知られている。このようなブランケットは、インドの多くの場所で新生児にプレゼントされる。バンジャラ族は、パッチワークを使用したスカートを着用する。
パッチワークは、パキスタンの多くの場所で親しまれているが、特にシンド州ではラリーという名前で親しまれている[10][循環参照] 。パキスタンのラリーキルトは、インド亜大陸のほか、西洋でも人気がある。このキルトはパキスタンの伝統の一つであり、女性によって作られてきた。このキルトは数千年前から作られてきたが、国際的に認知され始めたのはごく最近のことである。
アゼルバイジャンではクラマと呼ばれ、一般的である。
エジプト
[編集]パッチワークの歴史は最近のことではなく、紀元前980年に遡る。パッチワークは古代エジプト人によって、衣服や壁として使われていた。現存する最古のものは、中世のものである。紀元前980年頃に生きていたエジプトの女王Esi-Mem-Kevが使っていたパッチワークの葬儀用天蓋が、墓から発見された。エジプトだけでなく、古代・中世のインドや中国文明でも多くのパッチワークが見つかっている。他のエジプトのパッチワークの例としては、1903年に発見された象牙の豆像が挙げられる。それは、紀元前3400年のエジプト第1王朝のファラオの像であった。
出典
[編集]- ^ The Beginnings of Quilting and Patchwork in Antiquity - Two Articles on the History of the Craft. Read Books Ltd. (2016). ISBN 9781473355132
- ^ a b “Quilt History”. All About Quilts. March 13, 2019閲覧。
- ^ Aqiusha (2014年4月3日). “百家衣的由來 (Origin of Baijia yi)”. November 18, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 11, 2015閲覧。
- ^ “Asian Art Museum | Conservation of Japanese Armor”. www.asianart.org (20 February 2012). 2020年1月6日閲覧。
- ^ “Connecting Cultures Mobile Museum - Collection - US Hawaiian Quilt: "'Ulu" Design” (英語). www.connectingcultures.us. 2020年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月12日閲覧。
- ^ Helen Page, The History of Patchwork and Quilting, 1999.
- ^ “Hand quilting”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Quilting in America 2003 edition”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Zaman 1993, p. 36.
- ^ Ralli quilt
参考文献
[編集]- Schnuppe von Gwinner (1988), The History of the Patchwork Quilt, ISBN 0-88740-136-8
- Eleanor Levie (2004), American Quiltmaking 1970–2000, ISBN 1-57432-843-3
- Celia Eddy (2005), Quilted Planet, ISBN 1-84533-009-9
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