複素数について
と定めれば数列は同じ値に収束する。その極限をの算術幾何平均と呼ぶ。但し、幾何平均の根号の符号は算術平均の側にあるものを選ぶものとする。
の場合、算術幾何平均は楕円積分で表される。
複素数の算術幾何平均が収束することは以下によって証明される。
となるようにの根号の符号を決めると約束したので
である。をの階差とすれば
である。従って、級数は絶対収束する。故に数列は収束し、数列はと同じ値に収束する。
算術幾何平均と楕円積分の関係は以下によって証明される。暫し、は正の実数とする。
の置換により
更に
の置換により
故に
が複素数である場合は、積分路と実軸との間に(留数を持つ)極が無いことを確かめなければならない。
とすれば
これにを代入すれば
であり、となるように幾何平均の根号の符号を決めると約束したので、積分路は極の間(原点に近いところ)を通る。また、とすれば
これにを代入すれば
であるから、積分路は極の間を通る。