コンテンツにスキップ

利用者:Hanabishi/作業場14

2024年に発覚した東京女子医科大学寄付金問題とは、2024年に東京女子医科大学で発覚した、教員の採用、昇進、及び医学部受験生の合格判定に寄付金を判断材料にしていた問題である[1][2][3][4][5][6][7]

概要[編集]

東京女子医大によると、同大理事会は2018年5月、卒業生が教授や准教授、講師、准講師の役職への就職や昇格を志願する際、至誠会が個々の卒業生に発行する「活動状況報告書」を評価対象とすることを新たに決定し、医学部学務課名で学内に通知され、留意事項には「寄付などの状況を鑑み、活動が認められない場合は評価に影響します」と記されていた[3]。医学部卒業生が教授や准教授などへの採用・昇格を希望した場合、女子医科大学の同窓会組織の一般社団法人「至誠会」への寄付を評価対象とし、寄付額などによりポイントが加算される仕組みであった[1]。「活動状況報告書」の発行を依頼すると、至誠会理事を兼ねる大学理事から電話で「ポイントが足りない」と告げられたとする事例も報道された[8]。また、医学部の子女枠推薦入試でも寄付金額を点数化した「貢献度」を合格判定に用いていた[2][5][6]。同大学の子女推薦入試では保護者が同席し、同席した保護者に直接寄付金を打診した事例もあったと報道された[3][9]

教員採用・医学部入試[編集]

教員採用[編集]

2018年5月に寄付金制度が開始[3]。2018年6月から2023年11月まで医学部卒業生が教授や准教授などへの採用・昇格を希望した場合、教育や研究、診療などの実績のほかに「社会貢献」が評価基準があり、この「社会貢献」に同大学同窓会への寄付額がポイントとして評価されていた[1]。女子医科大学は「寄付を強要していたわけではなく、問題があったとは考えていない」としているが、文部科学省は、運用実態を調べたうえで報告するように求めている[1]。2024年6月、大学は第三者委員会設置を報告[10]

医学部入試[編集]

東京女子医科大学医学部の子女枠推薦入試と同窓会組織「至誠会」の推薦が必要であり、至誠会は寄付金額を「貢献度」として点数化され、筆記や面接、高校の内申点の合計点に加算されていた[2]。2019年入試では、推薦枠は「約7人」だったが「貢献度」により8位の生徒も推薦された[2]。文部科学省から入試選考に関する照会を受けた際、至誠会は大学を通じては「寄付金額の多さで推薦の授与・不授与を判断したという事実は一切ない」と回答していたが文部科学省は詳細な報告を求めている[2]。東京女子医科大学の子女枠の推薦入試は面接に保護者、親族が同席する制度であったが、至誠会の理事が受験生に対する面接の場で、同席した保護者らに寄付を打診したケースがあったこと報道されている[2][9]。文科省は、私大の入学に関して寄付金を収受したり、募集や約束をしたりすることを禁止している[2][6][7]。大学と至誠会への寄付金は2018年~2022年の5年間で少なくとも約3400万円に上ったとされる[11]

歴史[編集]

  • 2002年 - 文部科学省が事務次官通知で全国の私立大学に入学に関する寄付金などの収受を禁じる通達を出す[4][12][7]
  • 2019年11月 - 推薦入試時の寄付金を文部科学省が把握し、説明を求めるが東京女子医科大学は文章で「そういった事実はない」と全面否定[4]
  • 2024年6月19日 - 教員採用時の寄付金について、大学の公式サイト上で第三者委員会を設置したことを報告、第三者委員会の調査・検証を委ねるとしている[10]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 採用・昇格に同窓会組織への寄付を考慮 卒業生対象に 東京女子医大:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2024年6月17日). 2024年6月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 読売新聞2024年6月28日朝刊12版首都圏29面
  3. ^ a b c d 東京女子医大、教員人事で同窓会組織への寄付額を考慮…卒業生に「評価に影響」と要求”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2024年6月17日). 2024年6月28日閲覧。
  4. ^ a b c 寄付金次第で「推薦入学」疑惑 東京女子医大は過去、文科省の問い合わせに「全面否定」していた:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 中日新聞東京本社 (2024年6月25日). 2024年6月28日閲覧。
  5. ^ a b 東京女子医大、入試で寄付受領 同窓会推薦で考慮、国の通知に抵触か:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2024年6月23日). 2024年6月28日閲覧。
  6. ^ a b c INC, SANKEI DIGITAL (2024年6月24日). “推薦入試の受験生側から寄付受ける 東京女子医大と同窓会、選考材料か”. 産経新聞:産経ニュース. 産業経済新聞社. 2024年6月28日閲覧。
  7. ^ a b c 東京女子医科大 推薦入試過程で寄付額申告 文科省 報告求める | NHK”. NHKニュース. 日本放送協会 (2024年6月23日). 2024年6月28日閲覧。
  8. ^ 東京女子医科大の教員、昇格時に同窓会へ入金「職を買った気がした」…理事から「ポイント不足」指摘”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2024年6月17日). 2024年6月28日閲覧。
  9. ^ a b 東京女子医大、子女枠入試の推薦面接で寄付打診…同窓会理事から”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2024年6月25日). 2024年6月28日閲覧。
  10. ^ a b 本学教員人事に関する一部報道について”. 東京女子医科大学. 東京女子医科大学 (2024年6月19日). 2024年6月28日閲覧。
  11. ^ 東京女子医科大、推薦入試で受験生の親族から寄付金受ける…文科省が報告求める”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2024年6月23日). 2024年6月28日閲覧。
  12. ^ 東京女子医大、入試で寄付金額を点数化、堂々と入試不正…学費は計4千万円”. ビジネスジャーナル/Business Journal | ビジネスの本音に迫る. 合同会社フラジオリム (2024年6月23日). 2024年6月28日閲覧。