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利用者:Henlly3839/サンドボックス

八重山方言の動詞[編集]

石垣方言、川平方言、鳩間方言の動詞活用の比較。石垣、川平は内間直仁(1984)『琉球方言文法の研究』笠間書院より。鳩間は加治工真市(1984)「八重山方言概説」飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編『講座方言学 10 沖縄・奄美の方言』国書刊行会より。

「書く」
  志向形 未然形 条件形1 命令形 連用形 終止形1 終止形2 連体形 条件形2 接続形
石垣 /kaka/ /kaka/   /kaki/ /kakī/ /kaku/ /kakuN/ /kaku/ /kaku(kaː)/ /kaki(te)/
川平 /kakaː/ /kaka/ /kaki(ba)/ /kakiː/ /kakī/ /kakī/ /kakīN/ /kakī/ /kakī(taraː)/ /kaki(siti)/
鳩間 /kaka/ /kaka/   /kaki/ /kaki/   /kakuN/ /kaku/   /kakee/
「起きる」
  志向形 未然形 条件形1 命令形 連用形 終止形1 終止形2 連体形 条件形 接続形
石垣 /uku/
/ukira/
/uku/
/ukira/
  /ukiri/ /ukī/   /ukiN/
/ukiruN/
/ukī/
/ukiru/
/ukiQ(kaː)/ /ukeː(te)/
川平 /hukoː/ /huku/ /hukiri(ba)/ /hukiriː/ /huki/ /hukiː/ /hukiruN/ /huki/ /huki(daraː)/ /huki(siti)/
鳩間 /uka/
/ukira/
/uka/
/ukira/
  /uki/
/ukiri/
/uki/   /ukuN/
/ukiruN/
/uku/
/ukiru/
  /ukee/

アクセント[編集]

高知県高知市、兵庫県神戸市、東京、静岡県浜松市、愛知県名古屋市、高知県宿毛市の動詞・形容詞の各活用形のアクセント[1]は下げ核で、の表記のないものは無核。Hは高起式、Lは低起式。

高知市方言の動詞のアクセント
  終止 過去 否定
2拍五段 一類 泣く Hなく Hいた Hなかん
二類 書く Lかく Lか Lかかん
2拍一段 一類 着る Hきる H Hきん
二類 見る Lみる H Lみん
3拍五段 一類 探す Hさがす Hさいた Hさがさん
二類 頼む Hのむ Hのんだ Hのまん
3拍一段 一類 負ける Hまける Hけた Hまけん
二類 受ける Hける Lう Hけん
神戸市方言の動詞のアクセント
  終止 過去 否定
2拍五段 一類 泣く Hなく Hいた Hなかん
二類 書く Lかく Lかいた Lかかん
2拍一段 一類 着る Hきる H Hきん
二類 見る Lみる H Lみん
3拍五段 一類 探す Hさがす Hがした Hさがさん
二類 頼む Hたのむ Hのんだ Hたのまん
3拍一段 一類 負ける Hまける Hけた Hまけん
二類 受ける Lうける Lう Lうけん
東京方言の動詞のアクセント
  終止 過去 否定
2拍五段 一類 売る うる うった うらない
二類 書く いた ない
2拍一段 一類 着る きる きた きない
二類 見る ない
3拍五段 一類 歌う うたう うたった うたわない
二類 頼む んだ たのない
3拍一段 一類 負ける まける まけた まけない
二類 受ける けた ない
浜松市方言の動詞のアクセント
  終止 過去 否定
2拍五段 一類 売る うる うった うらん
二類 書く いた かん
2拍一段 一類 着る きる きた きん
二類 見る
3拍五段 一類 囲む かこむ かこんだ かこまん
二類 頼む んだ たの
3拍一段 一類 負ける まける まけた まけん
二類 受ける ける けた けん
名古屋市方言の動詞のアクセント
  終止 過去 否定
2拍五段 一類 売る うる うった うらん
二類 書く いた
2拍一段 一類 着る きる きた きん
二類 見る みた
3拍五段 一類 歌う うたう うたった うたわん
二類 頼む んだ たの
3拍一段 一類 負ける た/けた
二類 受ける た/けた
宿毛市方言の動詞のアクセント
  終止 過去 否定
2拍五段 一類 泣く なく なかん
二類 書く いた
2拍一段 一類 着る きる きん
二類 見る みた
3拍五段 一類 囲む かこむ かこ かこまん
二類 頼む んだ たの
3拍一段 一類 負ける まける まけん
二類 受ける けた
高知市方言の形容詞のアクセント
  終止 連用 過去
3拍 一類 赤い Hあ Hあ Hあかった
二類 早い Hやい Lは Lはかった
東京方言の形容詞のアクセント
  終止 連用 過去
2拍   無い かった
3拍 一類 赤い あかい あかく かった
二類 早い やく やかった
浜松市方言の形容詞のアクセント
  終止 連用※ 過去
2拍   無い った
3拍 一類 赤い あかい あかく あかかった
二類 早い やい やく はやった
名古屋市方言の形容詞のアクセント
  終止 連用※ 過去
2拍   無い のー った
3拍 一類 赤い あかった
二類 早い はやった
宿毛市方言の形容詞のアクセント
  終止 連用※ 過去
2拍   無い かった
3拍 一類 赤い あかい あこー/あ あかった
二類 早い よー やかった

※浜松・名古屋・宿毛の連用は後ろに「なる」を伴うもの。「なくなる・のうなる」など。


『安斎随筆』(伊勢貞丈(1715-84))より

和語四声は、五畿内の人の詞に「月」をツキと云うは去声なり。キの音下りて弱し。関東の人の詞には上声なり。キの音上がりて強し。畿内の人「花」をハナと云うは去声なり。ナの音下りて弱し。関東の人の言葉には上声なり。ナの音上がりて強し。

『毛端私珍抄』(金春禅鳳、1455頃)より

喩へば犬をヌと言ふは京声なり。犬をイと言ふは坂東・筑紫なまりなり。犬をイヌと言ふは四国なまりなり。

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 山口幸洋(2003)『日本語東京アクセントの成立』港の人 。高知の動詞は146頁、神戸の動詞は181頁、高知の形容詞は142頁、浜松は112-113頁、名古屋は124-125頁、宿毛は287頁。