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利用者:Ikedat76/開山 (仏教)

開山(かいさん)とは、寺院を創始することを指す仏教用語である。仏道修行の場として閑静な地が望ましいことからしばしば山間に道場や寺院が建立され、山号を有したことに由来し、転じて寺院を開創した僧侶(すなわち初代住持職)を指す語ともなった[1]

対義語として開基(かいき)があり、後に同義語として用いられるようになった[2][3]が、厳密には両者は別々のものである。開基は、寺院の創始にあたって必要な経済的支持を与えた者、ないし世俗在家の実力者(大檀那)を指す語である[4]。例えば円覚寺の場合、寺院建立の事業を担った北条時宗が開基であり、時宗に招請されて住持となった無学祖元師が開山である。

ただし宗派によって、これらの語の用法には相違がある。宗派を開くに際して総本山をひらくことから生じる転用として、宗祖を特に開山と呼ぶ宗派もある[1]。例えば浄土真宗では宗祖たる親鸞を特に開山と呼ぶことから、末寺の創始者を開基と呼んで区別する[4]ほか、曹洞宗では道元を開山禅師と呼んでいる[1]。また、禅宗における用法として、寺院を創始した僧侶自身が師への尊崇の念から自らではなく師を開山とする勧請開山(かんじょうかいさん)があり、この場合、実際の創始者たる僧侶自身を創建開山(そうけんかいさん)と称する[5]

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  1. ^ a b c 中村[2001: 183]
  2. ^ 須藤[1993: 57]
  3. ^ 例えば、総合仏教大辞典編集委員会編[1988: 168]、須藤[1993: 57]など。
  4. ^ a b 中村[2001: 178]
  5. ^ 竜谷大学編、1972、『仏教大辞彙 第1巻』(2版)、冨山房 p.516

文献[編集]

  • 総合仏教大辞典編集委員会編、1988、『総合仏教大辞典 上』、法蔵館 ISBN 4-8318-7060-9
  • 須藤 隆仙、1993、『仏教用語事典』、新人物往来社 ISBN 4-404-01994-7
  • 中村 元、2001、『広説佛教語大辞典 上巻』、東京書籍 ISBN 4-487-73176-3

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