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スタンドアローンコンプレックスとは、アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』に登場する造語。作中の『笑い男事件』に関連して起きる社会現象に対して、登場キャラクターの草薙素子が名付けた。
概要
[編集]作中における電脳技術という新たな情報ネットワークにより、独立した個人が、結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象を言う。孤立した個人(スタンドアローン)でありながらも全体として集団的な行動(コンプレックス)をとることからこう呼ばれる。これは個人が電脳を介してネットを通じ不特定多数と情報を共有することにより、無意識下で意識が並列化されながらゆるやかな全体の総意を形成し、またその全体の総意が個人を規定するために発生するという、高度ネットワーク社会が舞台であるが故に起こり得る現象である。時にはある事件において実質的な真犯人が存在しない状態が、全体の総意において架空の犯人像を生み出し、その架空の犯人像の模倣者(模倣犯)がその総意を強化・達成するような行動を見せるという独特の社会現象が起こる。
作中では、電脳から直接的に無線ネットワークを介して瞬時に情報交換をすることが可能となっており、特定の個人(笑い男やクゼなど)が見聞きし知り得た情報でも、それを公開することで、瞬時にあらゆる人がその情報を共有出来るようになっている。その結果、知識の程度や思想の傾向が同水準である人間達による集合体が形成される。これがオリジナル(先導者)を喪失した個人(孤立した個)の集合体であるが、『2nd GIG』ではハブ電脳[注 1]を獲得してより組織化するに至る。
実例
[編集]作中ほど高度に情報化していない現代であっても類似した現象を見ることができる。
- 2010年12月以降日本各地で起きた、漫画『タイガーマスク』の主人公の名前などを使った連続的な寄付運動であるが、最初に行った人物が不明であり、離れた場所で別の人物による同様の行為が連続して起こった結果、一つの運動となったことで、スタンドアローンコンプレックスの一例であるとの見方がネット掲示板などで見られた。
- 秋田県に伝わる伝統行事。怠け者を戒めるためになまはげに扮して各家庭を回るというもの。範囲は県内に限られるが、各家庭で個々に行われるものが全体では民俗行事を形成している。