利用者:J-ishikawa/tmp5

ムラトリ正典目録

ムラトリ

エドナ・パーヴィアンス

エドナ・パーヴァイアンス

サロメ

サロメ (ヘロディアの娘)

サロメ (戯曲)

サロメ (ヘロディアの娘)#伝承

サロメ (ヘロディアの娘)#芸術作品の素材としてのサロメ

サロメ (ヘロディアの娘)#ワイルド以後


サロメ』(仏:Salom、英・独:Salome)は、イギリスの作家オスカー・ワイルド作の1幕の悲劇。フランス語1891年の秋以降に執筆され、1893年に出版。初演は1896年パリで行われた。新約聖書が伝えるサロメを基にした作品。1894年アルフレッド・ダグラスを訳者とする英語版が出版。現在に至るまで各種の演出で上演されている。

同様の作品は数多いが、ワイルドの描き出す色彩感の豊かな、また独特の繊細な感覚に富んだ台詞は、以後の芸術作品に多大な影響を及ぼした。中でも、ドイツ語訳をほぼそのまま台本としたリヒャルト・シュトラウス作曲のオペラは極めて有名である。

素材[編集]

基本は、新約聖書の福音書が伝える「洗礼者ヨハネの死」についての記述である。

これについては、サロメ (ヘロディアの娘)#伝承に福音書が伝えない「サロメ」という名の由来も含めた詳細な記述がある。こちらを参照されたい。

なお、それ以外にも新約聖書からの引用は多い。主なものを列挙する。〔&nbsp:〕は新約聖書学的コメント

  • 洗礼者ヨハネの説教(マタイ、ルカ)〔「Q」起源と考えられており、マルコにはない〕
  • ヤイロの娘の物語
  • 結婚式での奇跡〔ヨハネが使用した「しるし資料」起源の伝承〕

である。

執筆の過程[編集]

出版[編集]

内容[編集]

登場人物[編集]

原著の指定は以下のとおりである[1]

  • ヘロデ・アンティパスユダヤの領主 1
  • ヨカナーン預言者 2
  • 若いシリア人衛兵隊長 3
  • ティゲリヌス若いローマ人
  • カパドキア人
  • ヌビア人
  • 第1の兵士
  • 第2の兵士
  • ヘロディアの小姓
  • ユダヤ人たち 4ナザレ人たち 5
  • 奴隷 6
  • ナーマン死刑執行人 7
  • ヘロディア領主の妻 8
  • サロメヘロディアの娘 9
  • サロメの奴隷たち

登場人物に関する注記:[2]

  1. 実在の人物、ヘロデ・アンティパス。フランス語では、エロデ
  2. 実在の人物「洗礼者ヨハネ」のこと
  3. ヘロデにより隊長に昇進したばかり。ナラボートという名であることが本文からわかる
  4. 台詞があるのは、「第1のユダヤ人」から「第5のユダヤ人」までと、他にサドカイ人パリサイ人の計7名。ただし、後の2名は例えば「第4、第5のユダヤ人」が兼務しても、舞台上でも、台詞の関係でも問題は生じない
  5. ナザレイエスの出身地。台詞があるのは「第1」と「第2」の二人。ここでは、イエスを高く崇拝している[3]
  6. 台詞がない、いわゆる「黙役」
  7. 本文中のト書きに「黒人」であるとされる。「黙役」
  8. 実在の人物、ヘロディア。フランス語では、エロディア
  9. 実在の人物、サロメ (ヘロディアの娘)。ヘロデにとっては、姪で、かつ義理の娘

あらすじ[編集]


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


舞台設定[編集]

ヘロデの宮殿の広いテラス。祝宴の広間より高い位置にある。数人の兵士たちがバルコニーに寄りかかっている。右手には・・・・・・・。月の光。

なお、英語版の記述はほぼ同じだが最後の「月の光」が

月が極めて明るく輝いている。

となっている。

劇の進行[編集]

キーワード[編集]

《7つのヴェールの踊り》[編集]

素材には単に「踊り」とあるのを、ワイルドが《7つのヴェールの踊り》としたのは有名であり、後への影響も極めて大きいが、本作では

とあるのみで、それに関する具体的な記述はない。

[編集]

良く知られているように、欧米の伝統では「月」はしばしば「狂気」のシンボルとされる。劇の終盤では地平線に没する前のように、その色が「赤くなる」と指定されている。

[編集]
見る[編集]

上演史[編集]

その影響[編集]

前述のR.シュトラウスのオペラや各種の映画など、本作を直接に素にした作品も多いが、それ以外の「サロメ」関連作品にも本作の影響は及んでいる。

これらの作品は、サロメ (ヘロディアの娘)#ワイルド以後に列挙してある。この項目を参照の上、本作との関係など詳細については各作品の項目を読まれたい。


脚注[編集]

  1. ^ 以下、本文からの引用はヴァージニア大学版(フランス語、英語。#外部リンク参照)からの執筆者の試訳(無論、いくつかの邦訳は参考にしている)
  2. ^ 執筆者による
  3. ^ マルコによる福音書等における故郷でのイエスに関する記述を参照されたい

参考文献[編集]

日本語訳テキスト[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]









[[1]] [[2]] [[3]]


ヨハネの首を求めたサロメ

  1. 新約聖書に取材して書かれたオスカー・ワイルド戯曲サロメ』では、新約聖書にある洗礼者ヨハネがサロメの母ヘロデヤを非難したことによって幽閉され殺される逸話を、ワイルドはサロメの歪んだ恋心から洗礼者ヨハネであるヨカナーンを刎ねさせるという突飛な筋書きに仕立てたが、これにはキリスト教徒の反発も強かったという。これを基にした絵画文学演劇等も多くある。