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利用者:Juggernaut00/sandbox

ウチのムスメに手を出すな!」(Don't meddle with my daughter!)は、環望による日本漫画作品。『ヤングコミック』において2014年2月号より2015年5月号まで連載。その後発表の場を同人誌に移し、2018年現在も継続中。 長いタイトルのため読者の間では「ウチムス」と略されて呼ばれることが多い。本項では外伝の『キツく!抱いてハニー』、および続編の同人作品、そして同じ世界観に属する「STARGAZER」「ミス・マーベリックにはさからうな」「リリィ・トゥリガー」の3作品についても併せて記述する。

概要[編集]

超能力やハイパーテクノロジーを操るヒーローヴィラン(悪役)が戦いを繰り広げる地球を舞台に、最強と謳われたスーパーヒロイン「エイスワンダー」の母娘二世代にわたる冒険を描くアクション作品。アメリカンコミックの世界観を下敷きに、作者特有のユーモアエロスが盛り込まれ、「親と子」「ヒーローとは何か」というテーマにまで言及することで単なるオマージュパロディとは一線を画す内容となっている。

なお作者本人が原作を担当したアメコミオマージュ漫画「STARGAZER」「ミス・マーベリックにはさからうな」(二作とも作画榊原瑞紀)「リリィ・トゥリガー」(作画かのえゆうし)の三作品も「ウチムス」と同じ世界観を共有しており、お互いの作品に度々登場する。

キャラクター造形をはじめストーリー、世界観など随所にアメコミへのオマージュが散りばめられ、同好の読者から親しまれた。特にアメコミ好きのクリエイターにファンが多く、ヤングコミック本誌で開催されたヴィランデザイン企画「怪人カード」には神野オキナブッチャーUチバトシロウもっちーといった作家、漫画家が設定やデザインを提供し、本編にも登場している。この企画が読者からも好評だったことから、連載終盤ではネットを通じて広く一般読者からヒーロー、ヴィランのデザインを公募、最終的には応募者30人超、キャラクターは総勢60人以上という盛り上がりを見せた。これには小原愼司いけだたかし上山道郎久正人といったプロ漫画家も参加している。なおここに応募されたヒーロー、ヴィランはほぼ全て最終回前後編の大決戦に登場、参加読者はその名前が単行本3巻のあとがきに列記されている。

この作品はアメリカでも英語版が刊行されている。

ヤングコミック連載終了後も完結を惜しむ声が寄せられたことを受け、作者本人の同人誌に活動の場を移して続編や番外編が継続的に発表されている。

またこれらの同人誌において原作者以外の作家陣による外伝小説が多数発表されている。これらの作品は全篇に渡り環による監修がなされている上、小説で描かれた人物や設定が度々本編に流用されているため、公式外伝と捉えて差し支えない。

あらすじ[編集]

第一部(連載作品)[編集]

20年前犯罪結社ブロウジョブの魔の手から日本を守り抜いた地上最強のヒロイン・エイスワンダーこと遥アテナも今は引退し、主婦として普通の生活を送っていた。そんな折ブロウジョブが復活、それと戦うためひとり娘のクララが2代目エイスワンダーとしてデビューしてしまう。過去に自分が受けたセクハラ攻撃の悪夢を思い出したアテナは娘が同じ目に晒されては一大事、とヒロインに復帰、クララを守るため人知れず体を張って奮戦する。ブロウジョブの首領ゼノビアは彼女を倒すため最強の刺客ポイントブランクを送り込む。彼は世界を守るために戦い散ったアテナの夫B・M・ザ・シューターと瓜二つだった。深まりゆく謎。果たしてアテナは世界と娘の貞操を守り抜くことができるのか。

第二部(同人作品)[編集]

ブロウジョブを再び壊滅させ、世界を救ったエイスワンダー親子。一人前に育ったクララにエイスワンダーの名を譲り、普通の主婦に戻ったアテナ。再会した夫との間に次女セーラを授かり順風満帆の生活を送るはずが、トラブルが彼女についてまわる。やがてセーラが成長し、三代目エイスワンダーとしてデビューするが、それに呼応するように異次元より新たな侵略者が来襲、アテナは娘を守るため三度復活することとなる。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

エイスワンダー(初代) 

本名 遥アテナシア・アテナ・アリシーア 初出「ウチのムスメに手を出すな!
「ウチのムスメに手を出すな!」の主人公。秘められし天空の島ハイパートピアからやってきた無敵のスーパーヒロイン。七つの超能力を駆使し、秘密結社ブロウジョブと戦った。スターゲイザーと並び、90年代後半を代表するヒーローの一人。
元はハイパートピアに住まう女神の一人であり、若くして七つの力に目覚めた優秀な女王候補であったが、親友ゼノビアが突如狂乱したのを追って地上へ降りた。ゼノビア率いるブロウジョブとの戦いの中でB・M・ザ・シューターと出会い、彼と恋に落ちて結ばれたことで地上に定住する。勝利と引き換えに夫を失ったことでヒーローを引退、一子クララを出産して平和に暮らしていたが、ブロウジョブの復活とクララの二代目デビューという珍事により、急遽熟女ヒロインとして復活することになる。
 当初はクララにも正体を隠していたため、影から娘のフォローに奔走していたが、パパラッツォ事件の際に正体を明かし、母娘二人でブロウジョブと戦っていく。ブロウジョブとの最終決戦ではゼノビアの過去を知って和解し、夫とも再会を果たし、成長したクララに後を託して再度引退した。だがさらに十数年後、次女セーラが三代目エイスワンダーとしてデビューし、異次元生命体ランゴリアーズの侵略が始まるに及び、五十路にして二度目の復活を果たす。
 明るく包容力のある優しいママだが、負けず嫌いでムキになりやすい面もある。現役のヒーローの中では最ベテランの世代に属し、ヒーローの使命や責任、ジレンマといったことについては長い経験と深い見識を持っている。引退中も「マダム8のヒーロー質問箱」というサイトを匿名で運営し、若手ヒーローからの悩みや質問に答えていた。
なお基本的には夫一筋だが、エロチックな攻撃をしてくる敵(ブロウジョブにはそういうのが多い)に体を張って対処し続けてきた経験ゆえか、セックスに関してはわりと寛容。「ワンタイム・メモリー」事件では、タイムブレットの一途な思いにほだされて一夜を共にしたりしている。
 エイスワンダーとは「世界七不思議」に続く「八番目の不思議」の意。七つの超能力の詳細は下記の通り。
①飛行能力…マッハ20で飛べる。
②超怪力…40tの岩を持ち上げ、10㎝の鉄板をぶち抜く。
③超感覚…10㎞先の悲鳴を聞きつける鋭敏な聴力と透視能力を持つ。
④熱線…両眼から熱線を射出する。アテナは「ワンダーヴィジョン」と名付けている。
⑤超タフネス…鋼鉄より強く弾丸も受け付けない肉体。また、毒にも耐性がある。
⑥精神感応…弱いテレパシー能力を持ち、動物と意思疎通したり、人の嘘を見抜いたりできる。
⑦生体ジェネレーター…大都市の瞬間消費電力に匹敵するエネルギーを体内で生み出し続けている。
さらに第八番目の能力として時間跳躍の力を持つが、これは巨大なエネルギーにさらされた時にしか発現しないという制約がある。
ちなみに、アテナ・クララ・セーラの持つ超能力は皆同じだが、これは親子だからで、ハイパートピア人が覚醒させる超能力が皆この七種類というわけではない。

エイスワンダー(二代目) 

本名 遥クララオーラ・クララ・アリシーア 初出「ウチのムスメに手を出すな!
「ウチのムスメに手を出すな!」の主人公その2。遥アテナの娘。母譲りの超能力を持ち、N.U.D.Eの誘いに応じて二代目エイスワンダーとしてブロウジョブと戦う。
子供の頃からエイスワンダーの大ファンだったが、その正体が自分の母親であることは知らされておらず、デビューしてからもしばらくその秘密に気づいていなかった。
明るく楽天的で人を引きつける天性の魅力を持つ。頭はいいが調子に乗りやすく、ヒーローとしての経験も浅いため、しばしば先走っては失敗して母に助けられていた。しかしブロウジョブとの戦いの中でぐんぐん成長し、エイスワンダーの名に恥じないスーパーヒロインとなっていく。
その素質は母を凌駕しており、何の訓練も受けていないにもかかわらず七つの超能力を目覚めさせ、ブロウジョブとの最終決戦では第八の力にも覚醒した。さらにその後独自の鍛錬によって父B・M・ザ・シューターの能力「サイキックバレット」も会得し、ハイパートピア史上唯一の「9番目の能力」を持つ、真に最強の女神となった。
以後八年間にわたって世界のトップヒーローとして活躍した後、25歳の時に引退し、ハイパートピアの女王に就任するため地上を去った。その後も世界やセーラに危機が迫るとたびたび地上に降りてきている。
セクシャリティーとしてはレズビアンであり、ハニー・ザ・ハガーこと瀬能メイを終生の伴侶とし、ハイパートピア女王に就任後結婚

エイスワンダー(三代目) 

本名 遥セーラ 初登場作品『ウチのムスメに手を出すな!りた~んず』(同人誌『MILF of STEEL RETURNS』に収録)
ブロウジョブとの最終決戦後に生まれた遥アテナの次女で、クララの妹。アテナ、クララを大きく上回る素質を持ち、わずか12歳にして八つの力すべてに目覚め、三代目エイスワンダーとしてデビューする。しかし第八の力は本人にも制御できておらず、不用意にワームホールを開きまくったことが、異次元生命体ランゴリアーズを呼び寄せるきっかけになってしまった。そのためアテナはやむを得ずヒーローに復帰し、かつてのクララのとき同様、何も知らず大暴れする娘の陰でフォローに追われることになる。
未成年ヒーローチーム「ティーンブレイブス」のメンバー。仲間のスーパーノヴァこと星マイケルにほのかな恋心を抱いているが、本人もまだ自覚はない。

ポイント・ブランク→B・M・ザ・シューター

本名 不明  初登場作品「ウチのムスメに手を出すな!」第4話
エイスワンダー抹殺のため、ブロウジョブ大首領が直々に送り込んだ殺し屋。
強力なサイコキネシスを狙った一点に集中させ、あらゆる物質を破壊する「見えない弾丸」サイキック・バレットを放つ。
ニヒルで天の邪鬼な性格だが、その実姑息な手段を嫌い、スーパーヒロインの頂点たるアテナを正々堂々倒す事にこだわる孤高のダークヒーロー。
クララと同程度の年齢(17~8歳)だが、その面差しと能力は20年前死んだアテナの夫B・M・ザ・シューターと生き写し。そのためN.U.D.E科学部は当初B・Mのクローン人間である可能性を示唆していたが、のちに同一人物と判明する。
首領ゼノビアとは実の親子であり、MK・アルティマ計画で彼女が生んだ最後の子供。20年前のブロウジョブ壊滅時ゼノビアを追い詰めたアテナが彼女を殺さず逃したのはお腹にポイント・ブランクがいたからだった。その後彼は母の愛情を一身に受けて成長していたが、ゼノビアがブロウジョブを再結成したのをきっかけにヴィランへの道に進んだ。
首領と部下という関係に固執しあまつさえ肉体関係を結ぶなど、その親子関係はねじれ歪んでしまっている。
突如豹変した母に戸惑いつつも、彼女の命に従いアテナを狙ったのは、母の悲願であった「エイスワンダー打倒」を実現したい一心からであった。だが挑戦と敗北を繰り返すうち、アテナにかつての母の優しさに通じるものを見出し、ついには心を通わせるようになる。
一見とっつきにくい性格だが芯はまっすぐで根は優しいため子供には好かれるらしく、キッカゼッカには「ブランキー」と呼ばれ、親しまれていた。

ハンナ司令 

本名 ハンナ・バーバラ・プリスケン 初出「ウチのムスメに手を出すな!
スーパーヒーロー&ヒロインを擁する秘密防衛組織N.U.D.E日本支部の司令官。左眼をアイパッチで覆った隻眼の美女。ダイナマイトバディと歯にきぬ着せぬ物言いで他者を圧倒するが、的確な指揮能力と豪胆さで部下たちの信頼を一身に集める。20年前は初代エイスワンダー・アテナのサイドキックとして活躍し、ブロウジョブが復活するや、その娘クララをスカウトしてエイスワンダー復活を演出した張本人。
 眼帯に覆われた左の瞳は見つめられた者を瞬時に催眠状態に陥らせ、自由自在に操ることができる「万華鏡の眼」。その能力を用い10代にして数万人の部下を率いるヴィラン・クイーン「ファンタズマゴリア」として犯罪界に君臨していたが、若き日のアテナに敗北したことをきっかけにヴィランから足を洗い、N.U.D.Eの一員となった.
ハイパートピア人であるがゆえに「眼」が通用しないアテナは生まれて初めて得られた「対等の友人」であり、二人の間に流れる信頼と献身の情は絶大である。
新生ブロウジョブによる東京占領で逮捕された時左眼を潰されるが、実は右目もコンタクトレンズに隠された「万華鏡の眼」であった。