利用者:Kanbun/執筆コンテスト評価
Wikipedia:執筆コンテスト/第五回執筆コンテスト/選考にあたっての、具体的な評価内容をここに記します。
Kanbunの採点趣旨と総評
[編集]採点趣旨
[編集]「執筆コンテストは秀逸な記事の選考ではない」というのが、私のポリシーです。「新規記事」としての評価をするということは、おのずと新規記事のその後も、そしてウィキペディアのその後も射程に入ってきます。したがって、むしろこのコンテストは秀逸より審査は厳しいのです。そして難しいのです。新規記事としての総合的な評価をどう下すか、審査員にも課題が課せられていると言えるでしょう。
そこで自分は敢えて内容面にそれほどこだわらない採点評価をしています。どんなに内容ですばらしくでも、満点の1/4(網羅性も含めれば30点になりますが)しか獲得できない採点方式にしました。それ以上に重視したのは対象が新規記事ということで、発展性や印象面での良さ、そして書式の模範性です。
そのためウィキペディアで標準的な(?)秀逸な質/量に傾斜した評価とはだいぶ違ったものになりました。それがウィキペディアにいいことなのか悪いことなのか。私にはまだ何とも言えないのですが、せっかくのコンテストですので、審査員に一人くらい私のようなへそ曲がりがいてもいいと思うのです。わがままをお許しください。--Kanbun 2009年5月31日 (日) 13:38 (UTC)
総評
[編集]レベルが高いな、どれもすごいなというのが正直な感想です。やはり意欲が伝わってくるんですね。もうすでに秀逸一直線でしょうっていうレベルの記事もありましたし、差を付けるのはやはり難しかったです。採点基準があったので、それに寄りかかることができて、そのおかげでかろうじて差を付けられた感じですが、正直どれもしっかりした自己を持っている記事ばかりで魅力的で気を惹かれるものばかりでした。
それでも各記事の1位については、評価はこれしかないだろうという確信があって選びました。
A分野では新規記事としての今後の成長や百科事典にあるべき項目というような観点からユーゴスラビア王国にしました。内容面では他記事にむしろ優れたものがあり、また新規記事独特の先鋭性というようなものを感じさせるのは他にありましたが、自分は保守的なのか、結局A分野では新記事として手堅いという意味で選びました。レイアウト的にも自然に目になじんで見やすく感じましたし。A分野は一目見て激戦になることがわかりましたので、かなり苦労して差を付けました。そういった意味で場合によっては意地悪く感じられるような採点もあったと思います。ユーゴスラビア王国が私の中で浮上したのは今回の採点方式によるところが大きく、A分野はそれぞれに素晴らしい記事ばかりでしたから、違う採点方式ならば結果はまた違ったものになっていたはずです。
B分野は楽しい内容、(自分にとって)意外な内容の記事が多く、興味を持って読むことが出来ました。B分野で最終的に粘着式鉄道を選んだ理由は印象面の一言に尽きます。内容的にB分野を評価するのは自分には苦しかったので、どれも「なるほど」という感じでしたから、最終的には記事全体としての見やすさ、品の良さ、加筆のしやすさみたいなところで順位を決めました。自分が内容が分かる人間だったなら、もうちょっと違ったかもしれませんが、それは秀逸で専門的な知識を持っている人がやってくれるはずです!……そういった意味で割り切った評価をさせていただきました。
自分は異端的なのでしょうか、C分野では最初からテーレポスに即決してました。記事を開くと、ヘラクレスとテーレポスの像がだーんとお出迎えしてくれます。これだけでもう痺れるんですが、冒頭の導入文も簡潔に見えていろいろと断片的に(謎を残すかのように)述べていて、「え?つづきは?」と思わせるのがまた素晴らしかったです。内容面では質/量的に抜けているところはないんですが、参考文献などがしっかり挙げられているので、知りたくなるんですよね、その先が。今後の加筆に結びつきそうなギミック(?)を感じました。意図的ではないんでしょうけど、また、荒削りで完成度が高いとは必ずしも言えないんですけれども、これは高評価をしなくてはいけない気がしました。
総じて自分は楽しんで読むことが出来、レベルの高さに感嘆させられ、審査で悩まされました。それでも秀逸と違う形での評価を、秀逸と異なる執筆コンテストとしての意義を考えて模索した結果、今回のような採点結果になりました。しかし、私の中ではちょっと評価基準を変えればどれも1位になる可能性が見える、それくらいそれぞれに魅力を感じさせる記事ばかりのコンテストで、こういう結果になったのもある意味偶然の賜物です。それでも自分は今の自分の一生懸命考えた執筆コンテストの意義から導いた必然の結果として、自分の採点結果を皆様にお知らせします。ありがとうございました。--Kanbun 2009年5月31日 (日) 13:38 (UTC)
おまけ:意外に今回気になったこと
[編集]皆さん、画像って右左どっちに配置しますか?……自分は最近右に統一して置くように心がけてるんですよ。気づいたんですけれど、左に画像を配置すると、文頭の視線が定まらないで読みづらい気がします。わずかな差かもしれませんが。なんか書類の、縦書きと横書きでどっちの端をホチキス止めするかの話に似てくるんですが、文頭がずれているのは自分には読みづらく感じたので、今回印象点に意外に響いてるかもしれません(いくつかの記事はそれで明らかに評価を下げてしまったことを告白します)。--Kanbun 2009年5月31日 (日) 13:54 (UTC)
Kanbunの採点方式
[編集]採点は以下の各基準に基づいて行い、併せて80点満点としました。
- スタイル(減点方式、20点満点):主に記事の書式に関して。ただKanbunがよいと思う書式に基づいているので、必ずしもウィキペディア標準を満たしていれば減点しないというわけではないです。
- 網羅性(減点方式、10点満点):主に記事内容としてふさわしい質・量が満たされているか。
- 発展性(加点方式、10点満点):記事を発展させることを考えた時の潜在的可能性。
- 内容(加点方式、20点満点):記事内容のおもしろさ、Kanbunが読んで楽しめたかどうか。
- 芸術(加点方式、10点満点):画像や図表などの面白み。
- 印象(加点方式、10点満点):記事全体の印象に関して。見た目が好みの記事は高めにつきます。
選考(分野A)
[編集]- -4(参考文献)、-2(目次の構成が平坦)
- -4(合戦の意義があまり明確でない)
- 6
- 12
- 4
- 4
合計:46/80
- -2(目次の構成が平坦)、-4(参考文献)、-2(外部リンクの書式)
- -4(選挙の意義があまり明確でない)、-4(冒頭文が不親切)
- 8
- 10
- 5
- 4
合計:41/80
コメント
[編集]この記事については、かなり最近のことを扱っていることもあり、その中立性をどうやって担保するかという点に当初から注目していました。私個人の感じていることなのですが、外部サイトを参照元にしていている場合のリンク切れがウィキペディアには非常に多く感じているのです。記事内容の裏付けを取ろうと参照元サイトへのリンクをクリックしても通じないことが多く、とくに速報性の高い記事ではそういった情報をどう担保するのかというのは大きな課題とも思えます。ウィキニュースはリンク切れをしていても、ソースをうまく提示しているので縮刷版などで後追いがしやすく、それと連動していくというのも手でしょうが、現状ではウィキニュースの質・量がどのくらいか私はよく知らないので、やはり難しい問題です。ウェブサイトの利用では、とくに丁寧に閲覧日も含めて情報を提示すべきでしょう。そういった意味で意欲的な分、課題を残した記事との印象がありました。内容面でもソースの問題もあるのでしょうが、うまく掘り下げられていないような気もします。なんとなくニュースの要点をわかりやすくまとめた記事という印象があり、問題点などで新規性が感じられないというのも評価を低めにした理由です。しかし、この記事はとても意欲的であるのも事実で、そのうえ速報を上手く中立化しているという面では今後の速報記事の一つの模範になるでしょう。ただ速報記事というもののウィキペディアでの在り方自体は議論のあるところでもあり、正直評価を高くしづらいというのが採点結果に出てしまった感じです、すみません。ただレベル的には本当にすばらしく、よい記事をありがとうございました。--Kanbun 2009年5月30日 (土) 14:20 (UTC)
- -2(参考文献)
- -4(冒頭文が不親切)、-4(記事内容の意義が不分明)
- 7
- 8
- 3
- 3
合計:41/80
- -2(参考文献)、-4(引用の書式)
- -4(記事内容の意義が不分明)
- 8
- 12
- 7(切手の図版は見てて楽しいです)
- 7
合計:54/80
- -2(参考文献)、-2(目次の構成が平坦)
- -8(内容的にだいぶ足りない気がします)
- 8
- 8
- 7(切手の図版は見てて楽しいです)
- 5(未完成の記事という印象が勝ってしまうのが残念です)
合計:46/80
- -2(参考文献)
- -4(まだ調べることがあるそうなので)
- 6
- 10
- 8
- 8(こぎみよくまとまっている印象があります。好みです)
合計:56/80
- -2(参考文献)
- -2
- 6
- 10
- 6
- 6
合計:54/80
- -2(参考文献)
- 0
- 5
- 16(内容的にすばらしいと思います)
- 10(図版が非常に楽しいです)
- 8
合計:67/80
コメント
[編集]正直に言いますと、内容だけで見れば分野Aで私が最も驚嘆した記事です。訳文もすんなり自然と入ってくる和文で品も良く、安心して読めました。これは本当に大切で、しかし難しいことです。やはり原文を和文に訳すと語彙を補ったり、文章構造を和文に合うよう組み直したりする必要があるわけで、また翻訳元の記事の文章がこなれている保証は、必ずしもないわけです。そういった状況下でこの記事は、邦文の文献も取り入れ、元記事以上の情報を増補する形で理想的な発展をもたらしています。日本人が現地人の書いた記事よりもよい記事を日本語で読めるというのは本当に幸せなことです。執筆者にこれは感謝しても感謝しきれない、本当にありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。そのうえでなお私がこの記事を1位にしなかったのは、執筆コンテストの趣旨はウィキペディアの充実であるという一事が頭にひっかかっていたからに他なりません。その点でユーゴスラビア王国のほうが潜在的な読者は多いと思い、そこで評価に差を付けたのですが、もし記事内容コンテストでしたら、トーマス・マコーリーに始まり、トーマス・マコーリーに終わっていたことでしょう。--Kanbun 2009年5月30日 (土) 14:33 (UTC)
- -2(参考文献)、-2(目次構成が平坦)、-2(記事量的に適切な概要節が必要)
- 0
- 8
- 14
- 6(やや低めにしました。図版が記事の左右に散っていて見づらいと思ったためです)
- 4(読みづらい印象を受けたので低めにしました)
合計:56/80
コメント
[編集]分野Aで最も評価に悩んだのはこの記事です。というのは上の採点を見ても分かるとおり、私自身はかなり感性的な面で評価を低くしているからです。この記事の評価を低くしているのは本当に私の主観からであり、客観的に見て内容面に遜色はこれっぽっちもない、むしろこの記事は提示されているデータや内容の網羅性から見て、間違いなく秀逸を狙える位置にいます。ではなぜ評価を低くしたのかというと、読んでいて酔ったというのが正直な感想です。画像の配置のせいか、文章を読んでいるとでこぼこしていて、文頭の視点が定まらないんです。それが読みづらい。私も画像を左右に分散させている記事を過去に書いていることもあるので、偉そうに言えないんですが、画像はやはり一方にまとめるのが無難でしょう。画像配置の成功例としては寒山寺を参考にあげておきたいと思います。左右に画像が配置されているにもかかわらず、この記事の読みやすいのはおそらく縦の長さのある画像を使っているために、かなりの長さで文頭が揃っているせいでしょう。あとは大部の記事なので、内容を簡潔にまとめた概要節があるといいですね。また目次は階層的な方がいいと思いました。
- 1 概要
- 2 歴史的展開
- 2.1 植民前史
- 2.2 植民地時代
- ……
- 3 統計
- 4 脚注
- ……
というように。本当に評価が低いのは私の主観的な意見からで申し訳ないです。レベル的には本当に問題なくすばらしく、今回の執筆コンテストでも屈指の出来の良記事です。執筆者の方々、ありがとうございました。--Kanbun 2009年5月30日 (土) 14:49 (UTC)
- -2(参考文献)
- 0
- 10(間違いなく発展性は高いでしょう)
- 16(百科事典に必要な項目として考えれば、今回のコンテストで抜群の記事です)
- 8
- 8
合計:70/80
- -6(参考文献なし)、-2(目次構成が平坦)
- -4(意義が不分明)
- 5
- 10
- 6
- 6
合計:45/80
- -2(参考文献)、-2(脚注の書式が不統一)
- 0
- 4
- 12(個人的に意義の箇所こそ詳しく参考文献を示すべきと思います)
- 8
- 6
合計:56/80
- -2(参考文献)
- 0
- 6
- 12
- 6
- 6(実は地味にしっかりした記事という印象があります。なかなか書きづらい内容でもあったと思うのですが、苦労がしのばれます)
合計:58/80
- -2(参考文献)、-6(記事スタイル)、-4(わかりやすい概要節が必要)
- 0
- 6
- 10
- 4
- 4
合計:44/80
選考(分野B)
[編集]- 0
- 0
- 8
- 16
- 6
- 9(正直読んでいて興味深かったです。面白い)
合計:69/80
- 0
- 0
- 8
- 14
- 8(図版が素敵です)
- 8
合計:68/80
- -2(目次構成が平坦)、-4(参考文献)
- 0
- 6
- 10
- 5
- 5
合計:50/80
- -4(参考文献)、-4(定義書式の使い方)
- 0
- 6
- 10
- 4
- 4(ちょっと読みづらい)
合計:46/80
- -2(参考文献)
- 0
- 6
- 20
- 8
- 10(興味深い内容で楽しく読めました)
合計:72/80
- -2(参考文献)
- 0
- 7
- 18(内容的にはとても面白いです)
- 8
- 5(表などの書式に工夫があると良いのでは?今のままだと印刷しても美しくない気がします)
合計:66/80
- -2(脚注の書式)、-2(参考文献)
- 0
- 4
- 12
- 6
- 6
合計:54/80
- -2(参考文献)
- -4(記事内容の意義)
- 8
- 10
- 4
- 4
合計:50/80
選考(分野C)
[編集]- -4(参考文献、リンク切れもすでにあり)
- 0
- 6
- 12
- 8
- 6(無難な印象)
合計:58/80
- -2(参考文献)
- 0
- 6
- 14
- 6(もっと画像がほしいというのが正直な感想)
- 6
合計:60/80
- -2(参考文献)
- 0
- 5
- 12
- 7
- 8(内容的にはかなり楽しめる内容でした)
合計:60/80
- -2(インデントの使い方)
- 0
- 6
- 16
- 8
- 9(内容は非常に興味深い記事でした)
合計:67/80
- -4(参考文献)
- 0
- 8
- 16
- 8(図版が多く楽しい記事でした)
- 8
合計:66/80
- -4(参考文献、記事内容で議論する時を考えると……)
- 0
- 4(発展性を考えると、少し障害が多い気がします)
- 18(内容は文句なくすばらしいです。抜群でしょう)
- 8
- 4
合計:60/80
- -2(参考文献)
- 0
- 6
- 16
- 9
- 9(品が良く感じる記事です)
合計:68/80
- -2(定義の使い方)、-4(参考文献)
- 0
- 8
- 16
- 8
- 9(冒頭部に引き込まれます。印象的な記事です)
合計:69/80