利用者:Kaonohito/サンドボックス

PCエンジン/TurboGrafx-16

メーカー NECホームエレクトロニクス
種別 据置型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 日本の旗 1987年10月30日
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 1989年8月29日
フランスの旗 1989年11月22日
欧州連合の旗 1990年
CPU MOS 65C02
GPU HuC62
対応メディア HuCARD
CD-ROM2
SUPER CD-ROM2
アーケードカード
対応ストレージ バッテリーバックアップ
コントローラ入力 ケーブル
次世代ハードウェア PC-FX
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PCエンジンPC Engine)とは、1987年10月30日日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)から発売されたHE-SYSTEM規格に基づく一連の家庭用ゲーム機のシリーズ。狭義では初代PCエンジンで当時のメーカー希望小売価格は24,800円。

概要[編集]

8ビット家庭用据え置きゲーム機としては最後発のマシンであり、当時、圧倒的シェアを得ていた任天堂ファミリーコンピュータと市場争いを展開した。NECグループとしてはコンシューマ初参入ハード。[1]ハードウェアソフトウェアの開発はハドソン(現在はコナミデジタルエンタテインメントへ吸収。)が担当していた。

発売当時としては常識を覆す高速・高性能[2]であったが、任天堂のシェアを崩すには至らなかった。 コア構想に基づき多くの本体・周辺機器を出し、そのうちCD-ROMマルチタップ・セーブ用外部メモリという一部の機器はライバル機種や次世代機でも使われており進歩的な設計であった。

開発経緯と設計思想[編集]

1985年にハドソンで「プログラマーにとって、もっとゲームが作りやすいハードができないか」というコンセプトでPCエンジンの開発が企画され、チップ開発が始まった[3]。当初、PCエンジンのハード開発企画をソニーへ持ち込んだが断られ[4]、その後、NECホームエレクトロニクスと共同開発する事となった。

任天堂ファミリーコンピュータに対抗して作られたPCエンジンは、以下の特徴がある。

  • 既に普及していたファミリーコンピュータと同等のACアダプタRF端子を採用し、ケーブルを流用可能にした。またゲームパッドもファミリーコンピュータのコントローラI互換のボタンとした。これによりユーザーがファミリーコンピュータから容易に移行出来るようにした。
  • ファミリーコンピュータと同じくMOS 6502互換CPUを採用。
  • RAMにはSRAMを使用。

HE-SYSTEM(エイチイーシステム)[編集]

日本電気ホームエレクトロニクスハドソンによって提唱された規格ライセンス商品の証明としてPCエンジンに関連する本体とソフトウェアには必ずロゴが記載されている。 なお、「HE-SYSTEM」の「HE」はHome Entertainmentの略であり、『ホーム・エンターテイメント・システム』という意味である。

※ 規格に沿った本体については#本体のバリエーションを参照のこと。

コア構想[編集]

PCエンジンは「コア構想」という拡張思想を持つ。これは以下の目的があった。

  • PCエンジンにはパーソナルコンピュータのように(コア)の役割を持たせ、様々な周辺機器を接続することでゲーム以外にも対応させる。いわば周辺機器のエンジンに見立たものであり「PCエンジン」の命名はここが由来。

周辺機器による拡張が前提であり、本体にはゲーム機として最小限の機能しか無い。つまり本体のみでは対戦プレイ不可能で、ゲーム再開にはパスワードが必要になる。 一部機種を除いた本体の後部には拡張バスが標準装備されており、周辺機器の接続は主にこれを使う。

多岐に渡り、また多くの周辺機器が発売されたが以下の問題があった。

  • 拡張バスを使う為、機器は排他仕様である。
  • 本体の種類も多く、発売時期や組み合わせにより接続・使用できない商品がある。
例として「周辺機器を繋ぐための周辺機器が必要な機種」や「特定のソフトにしか対応しないセーブ機器」などがある。
  • 機能が本体組み込まれて不要になる商品がある。
  • 価格の割に利用価値が低い企画先行の商品も多い。
例としてアーティストツール、バッテリーセット(PI-AD14)などがある。

構想の要であった拡張バスは、CD-ROM2本体により占有されるか一体化されたDuoの登場により消滅した。これによりコア構想は事実上終焉した。その後の周辺機器の接続には残ったHuCARDスロットやコントローラーポートを用いた。

ソフトウェア媒体と規格、ゲームのバックアップについて[編集]

ソフトウェア媒体と規格[編集]

PCエンジンは周辺機器によりバージョンアップを繰り返し「後に発売された16ビットライバル機への性能的な優位」を保とうとした結果、1つのハードで多数のソフトウェア規格が出来た。

  • HuCARD - ICカード型のROM
  • PCエンジンスーパーグラフィックス専用HuCARD - PCエンジンスーパーグラフィックスでしか使えないHuCARD。
  • CD-ROM2 - 家庭用ゲーム機としては世界初となるCD-ROM採用例。[2]
  • SUPER CD-ROM2 - CD-ROM2のバージョンアップ版。
  • アーケードカード専用CD-ROM2 - SUPER CD-ROM2のメモリ増強版。

PCエンジンスーパーグラフィックス以外の本体をPCエンジンスーパーグラフィックス専用HuCARDのソフトに対応させる拡張機器は存在しない。

※ これ以外にLD-ROM2という規格も存在する。

バックアップについて[編集]

  • 初期 - パスワードで再開する。
  • 中期 - 拡張バスに接続する周辺機器でセーブデータバックアップが可能になった。
    • 1988年12月4日にCD-ROM2本体の機能として、セーブ機能単体では1989年8月8日に提供。
カートリッジ内蔵式のバッテリーバックアップと比べ容量が大きい。これは1台で複数ゲームのデータを管理する為である。外付けのため交換も可能。
  • 後期 - 拡張バス廃止・占有及びゲームのデータの肥大化に伴いHuCARDスロットやコントローラーポートを使用する機器でのバックアップも併用される。

NECとハドソンの戦略[編集]

販売戦略[編集]

NECホームエレクトロニクスはハードウェア製造メーカーで、当初はゲームソフトの自社開発ができなかった。代わりにハドソンローンチタイトル及び初期のラインナップを充実させている。 NECホームエレクトロニクスはPCエンジン発売の同年にNECアベニューゲームソフト開発・音楽ソフト開発会社)を設立させたがソフト開発・発売はハード発売から約1年の時間を要している。 [5]

1989年の年末商戦前には販売戦略をリニューアルしており以下の3機種を柱としたが、コアグラフィックス以外は失敗に終わる。結果、その後のPCエンジンのソフト供給はCD-ROM重視になる。

  1. 路線の継続 - PCエンジンコアグラフィックス
  2. 廉価版 - PCエンジンシャトル
  3. 上位機種 - PCエンジンスーパーグラフィックス

1991年にSUPER CD-ROM2へバージョンアップされ、翌1992年中頃にはソフト供給はCD-ROM中心になる。

1994年末にPCエンジンの次世代機PC-FXが発売される。詳細はPC-FXを参照のこと。 PCエンジンはこのPC-FXよりも後まで生き残ったが1999年6月に発売されたデッド・オブ・ザ・ブレイン 1&2を最後にソフトの供給を終了している。

広告戦略[編集]

専門番組にハドソンが提供・協力、一部は日本電気ホームエレクトロニクスも提供をしている。それに加えコロコロコミックタイアップ記事[6]週刊少年ジャンプの読者コーナー[7]など、影響下にあるメディアでPCエンジンの話題を多く取り上げ、また任天堂によるスーパーファミコンの発表まではファミコンの上位的な位置づけのハードとしてイメージ戦略を行った。

※ 雑誌や番組については#メディア展開を参照。

サードパーティー[編集]

初期にはナムコタイトーなどが参入。特にファミコンソフトの製造における優遇措置関連で任天堂とのトラブルになっていたナムコはPCエンジンに注力し、ソフト供給ではハドソン・NECアベニューと共に三本柱となった[8]。ハード立ち上げ時から強力なソフトラインナップを集め、ファミリーコンピュータへの移植が難しかったアーケードゲームが移植された。その後、アイレムコナミデータイースト日本物産なども参入。

CD-ROM2システムの発売により日本テレネットマイクロキャビンコーエー日本ファルコムといったPCゲームのソフトハウスも参入し、パーソナルコンピュータ用ソフトも移植された。

参入せず開発のみ行い、他社名義で販売した例としてはカプコン[9]コンパイル[10]がある。

日本国外展開[編集]

CD-ROMユニットを接続したTurboGrafx-16
HuCARD変換アダプタ

北米市場ではTurboGrafx-16(ターボグラフィックス16)の商品名で発売され、CD-ROM2にあたるTurboGrafx-CD(HES-CDR-01 TurboGrafx-16と同時発売)やPCエンジンGTと同機能のTurboExpress(HES-EXP-01 1990年11月発売)、PCエンジンDuoと同機能のTurboDuo(HES-DUO-01 1992年10月発売)なども発売された。

TurboGrafx-16は本体の大きさが国内版に比べ横幅が倍になっているが、これは本体が小さくて価格が高いと割高感が出て敬遠されるという海外の消費者心理を考慮したためである(ちなみに基板の大きさは国内版と同じのため、中はスカスカである)。またCD-ROMユニットは本体後部に接続する形式を取っているが、CD-ROMユニットの大きさは国内版と同じのため、組み合わせると、さらに特異な形状(真上から見ると『凸』型)となる。

欧州市場ではフランスを除いて正式販売は行われなかった。フランス版PCエンジンは、当時日本で販売されていた本体をRGB仕様に改造したのみで、本体の形状や商品名称などは日本と同様PC Engineとなっていた。

TurboGrafx-16の名称は、Sega Genesis(北米版メガドライブ)及びSuper Nintendo Entertainment System(北米版スーパーファミコン)が搭載していた16ビットCPUの話題性に対抗するため、PCエンジンは画像処理周りなど一部の処理を16ビットで行っていたため、この様な商品名となった。

北米では1992年4月より、取り扱いがNECテクノロジー社とハドソンの共同出資であるターボ・テクノロジー社に変更され、そのキャンペーンとして発売予定のTurboDuo(価格$299.99)に250ドル相当の特典(イースI・IIPC原人、PC原人2、ゲート オブ サンダーダンジョンエクスプローラー、専門誌『TURBO FORCE』、$50のソフト購入割引券)を添付させる「Add $250 Value」を実施。また1992年のサマーCESに合わせてTurboGrafx-16の本体価格を$69.99に引き下げた。

TurboDuo発売後、既存のTurboGrafx-CDユーザ向けにスーパーシステムカードと3-in-1 CD(PC原人、PC原人2、ゲートオブサンダー)と$50のソフト購入割引券をセットにしたバリューパックが$95で販売された。ちなみに旧来のシステムカードは起動画面がTurboGrafx-CDのロゴになっていたが、スーパーシステムカードは国内版と同じ「SUPER CD-ROM2 SYSTEM」の起動ロゴになっている。

北米でのTurboGrafx-16の販売はGenesisとSNESに苦戦した。日本ではヒットしCD-ROMゲーム機としてのPCエンジンの地位を確立したPCエンジンDuoも、北米版では同時期に発売されたSega CD(北米版メガCD)より普及せず、1993年中には市場からほぼ淘汰された。アメリカのゲーム雑誌GameProは「任天堂による日本のサードパーティの囲い込み」や「北米版ローカライズや広告宣伝の不備」も失敗の原因として挙げており、「1991年には市場がほとんど死んでいた」と評している。GameProの推計によると北米での最終的な出荷台数は約250万台、その他の地域(ほぼすべて日本)750万台、合計1000万台[11]。晩年は慢性的なソフト不足を補うため国内向けのソフトが輸出販売され、HuCARDのピンアサインを変換するアダプタも非公式に流通した。

仕様[編集]

CPU HuC6280A
VDC HuC6270
VCE HuC6260A
CPU:HuC6280(音源内蔵)
クロック:1.79MHz/7.16MHz (ソフトウェアで選択可能)
  • 音源部:波形メモリ6音または波形メモリ4音+ノイズ2音。(1周期32アドレス波形メモリ方式、LFO内蔵)
ソフトウェア処理によるサンプリング音再生時、波形メモリ4音+ノイズ1音+サンプリング1音[12]
VDC (Video Display Controller):HuC6270
VCE (Video Color Encoder) :HuC6260
※ CPU・VDC・VCEの詳細HuC62を参照の事。
メモリ
表示解像度(単位は画素
  • 256×240
  • 320×240
  • 336×240
  • 512×240[14]
TV の表示範囲に入るのは 224 ライン程。横方向の画素数は256、336、512の3種類から任意で切り替え可能。
VDC(HuC6270)に16ビットのレジスタがあり、横512の座標も問題なく扱うことができる。
画素単位で制作したグラフィックを横512画素で表示するにはVRAMの容量が不足するが、BG画面(後述)を使う事で表示可能。[15]
同時発色数
最大512色(BG:8×8ドット内256色中16色 スプライト16×16ドット内256色中16色)
スプライト
  • 最大64個(1個のスプライトサイズは16×16から最大32×64 カラー指定256色中16色)
  • 横方向へ16×16のサイズを最大16個(横320ドットモード時は14個に制限される。(NECのガイドラインにより設定。)これはスプライトを横に16個並ぶ設定にするとオーバークロック状態になり(VRAMのアクセスタイムを超える駆動をする)、PCエンジン本体の動作保証が出来ないのが理由。[16]
バックグラウンド(BG画面)
1画面(1キャラクタ8×8画素固定で最大2048個定義 カラー指定256色中16色)[17]

本体のバリエーション[編集]

PCエンジンコアグラフィックス(左)・II(右)
PCエンジンシャトル
型番 名称 発売日 拡張バス 備考
PI-TG001 PCエンジン 1987年10月30日 初代機
PC-KD863G PC-KD863G 1988年9月27日 PCエンジンをCRTディスプレイに内蔵させたもの。RGB接続により画面が鮮明に映る。そのためゲーム雑誌では画面撮影の用途に使われたという。発売当時の価格は138,000円。
CZ-830C-BK X1 twin 1989年4月 PCエンジンをシャープが開発していたパソコンX1に内蔵させたもの。
PI-TG5 PCエンジンシャトル 1989年11月22日 [18] 拡張バスを省いた低価格化マシン。希望小売価格は18,800円。本体は宇宙船のような流線型のデザイン。エルゴノミクス構造のパッドが付属し、この点だけは評価が高かった[要出典]。当時は拡張性の無さ・旧機種の販売価格下落の影響で流通しなかったが、現在では珍品としての価値がある。
PI-TG3 PCエンジンコアグラフィックス 1989年12月8日 初代PCエンジンのマイナーチェンジ版。メーカー希望小売価格は24,800円。映像出力端子をRF端子からAV端子にしたもの。本体添付のパッドには連射機能が標準装備された。(本体成型色=暗いグレー、ロゴアクセント=青)
PI-TG4 PCエンジンスーパーグラフィックス グラフィックチップを2つ搭載して、表示能力を2倍にした上位機種。
PI-TG6 PCエンジンGT 1990年12月1日 PCエンジンの携帯型ゲーム機
PI-TG7 PCエンジンコアグラフィックスII 1991年6月21日 コアグラフィックスのマイナーチェンジ版。色はSUPER CD-ROM2本体と同じ。(本体成型色=明るいグレー、ロゴアクセント=オレンジ)
PI-TG8 PCエンジンDuo 1991年9月21日 SUPER CD-ROM2本体との一体型。システムカードが内蔵され本体だけで起動する。CD蓋部のロック機構や専用バッテリー端子など独特の機能がある。
PI-TG9 PCエンジンLT 1991年12月13日 従来のPCエンジンと同様の筐体に、開閉式の液晶モニター、スピーカー、TVチューナー、コントローラー等を内蔵たもの。
PI-TG10 PCエンジンDuo-R 1993年3月25日 PCエンジンDuoの廉価版。ヘッドフォン端子やバッテリー端子等を省いた。
PCE-LD1 レーザーアクティブ 1993年12月1日 パイオニア製レーザーアクティブのOEM。
PCE-LP1 PC Engine Pack PCE-LD1のオプション。
PCE-DUORX PCエンジンDuo-RX 1994年6月25日 Duo-Rのマイナーチェンジ版。

周辺機器[編集]

発売された本体が多岐にわたるため、それぞれの本体に対応する周辺機器は以下のページを参照すること。

CD-ROM[編集]

型番 名称 発売日 備考
CDR-30 CD-ROM2 1988年12月4日 PCエンジンのCD-ROMドライブ。
PI-CD1 SUPER CD-ROM2 1991年12月13日 上位規格のCD-ROM2システム。

セーブ用外部メモリ[編集]

天の声2
型番 名称 発売日 備考
IFU-30 インターフェースユニット 1988年12月4日 CD-ROM2を構成するハードの内の一つ。PCエンジンに存在しなかったバッテリーバックアップ機能も提供する。詳細はCD-ROM2#仕様を参照のこと。HuCARDソフト凄ノ王伝説ではパスワード方式以外に本機を使用したセーブ機能が利用できるという発表が事前にされていた。
HC66-6 天の声2 1989年8月8日 拡張バスに接続するセーブ用外部メモリでハドソンが発売。バックアップブースターからAVブースターの機能を省いた廉価版。価格・流通量の多さにより利用者数はバックアップブースターより多い。名前の由来はハドソンのRPG桃太郎伝説』のパスワードが「天の声」という名称だった事による。
PI-AD7 バックアップブースター 1989年11月12日 HuCARD専用ユーザー向けセーブ用外部メモリでインターフェースユニット(IFU-30)に比べると機能を絞り込んだ分値段が安い。内容保持に単3電池を使用するため電池が切れたらデータも消失する。本体通電中なら電池交換してもデータは保持される。初期型RF出力の白いPCエンジンでの使用を前提としてAVブースターの機能を併せ持つ。
HC692 天の声BANK 1991年9月6日 HuCARD型のセーブ用外部メモリ。言わばPCエンジン用SRAMカード。それまでの外部記憶ユニットのセーブデータを4台分バックアップできる。バンク切り換え式でゲームタイトルごとの管理はできない。電池は内蔵リチウム電池でユーザでは交換不可能。電池が尽きるとデータが消えるが非常に長持ちで、PCエンジンのハード・ソフトが商品寿命の終了までは機能を持続したと推測される。なお、隠し要素としてハドソンの人気ゲームのデータが初めから記録されていた。
PI-AD19 メモリーベース128 1993年3月 パッド端子に接続して使用するセーブ用外部メモリ。後期、ゲームの複雑化によるセーブ容量の増大に対応するべく登場。容量は128KBでそれまに比べ非常に大きいが対応ソフト以外は使用不可能。
エメラルドドラゴン・リンダキューブ・プライベートアイドル・ぽっぷるメイルの4本には本体のバックアップメモリとの間でセーブデータをコピーするなどの操作が出来る管理ツールを内蔵。エメラルドドラゴン・リンダキューブは共通のツールでデータの互換性があるが、プライベートアイドル・ぽっぷるメイルは両者との互換性はない。
KH-1001 セーブくん 1993年6月4日 光栄(現・コーエー)が発売したセーブ用外部メモリ。価格・性能ともにメモリーベース128と同等で、主に信長の野望・武将風雲録に同梱された。

映像/音声出力[編集]

型番 名称 発売日 備考
PI-AD2 AVブースター 1988年4月8日 拡張バスに接続するコンポジット映像信号出力用の機器。初代PCエンジンでの使用が前提の商品。専用のDIN5ピンコネクタで本体と接続するコアグラフィックスと違い、汎用のAVケーブルをダイレクトに挿すことができる。
PI-AN2 AVケーブル 1989年11月22日 初代PCエンジン以外で使用可能なステレオAVケーブル。部品の調達・自作は割りと容易で、近年では社外製の互換品もみられる[19]
PI-AN3 RFユニット AVブースターとは逆にコンポジット映像信号出力のマシンに使用し、RF信号を出力するための機器。
PI-AD20 バーチャルクッション 1992年12月18日 エアークッションにサブウーファーを内蔵。音声が出力されるとクッション内の空気が振動する機器。アンプ・エアークッション本体・カバーに別れている。AVブースター等が付いたPCエンジンと直接接続するのは困難で、TV側の外部出力端子から接続されるのが一般的。発想は先進的だが本体価格が高く、長期間使用するとエアークッションの空気が漏れる・接触不良で音声や振動が出ない等の影響か普及には至らなかった。
CA-54 PCエンジンコネクターケーブル NEC製テレビ専用の接続ケーブル。一部のNECのTVに「PCエンジン端子」があり、ケーブル一本で映像/音声の入力・電源供給が可能。

パッド(コントローラ)関連[編集]

PCエンジン用パッド
型番 名称 発売日 備考
PI-PD003 マルチタップ 1987年10月30日 パッドを5つまで接続できる純正機器。本体のみではパッドを1つしか接続できなかった弱点が逆に普及を促し、ファミコン以上に多人数同時プレイソフトを登場させることとなった。2人用や4人用のサードパーティ製のものもあった。
HC63-8 ジョイタップ3 1988年10月4日 純正品。マルチタップの廉価版で、3つまでしかパッドを接続できない。
PI-PD10 PCエンジンマウス 1992年11月27日 後期、PCから移植等の一部ゲームに対応。親指で押せるセレクトボタン・ランボタンも付いており、当時としては珍しい4ボタンマウスだった。
NAPD-1002 アベニューパッド6 1993年5月28日 6ボタンパッド
PI-PD11 コードレスマルチタップセット 1992年12月18日 PCエンジンDuoに合わせたデザインの純正品。パット信号を赤外線で伝達することでコントローラのコードレス化を実現。コードレスマルチタップ自体はPCエンジン本体のパッド端子に接続する。コードレスパットを5本揃えれば5人同時プレイ可能である。受信可能距離は約3mまで。
PI-PD12 コードレスパッド コードレスマルチタップ用のパッド。
KS-PD10 テンキーコントロールパッド 1993年7月 キッズステーション専用コントローラ[20]
PCE-TP1 アーケードパッド6 1994年6月25日 6ボタンパッド。PC-FXの標準パッドとデザインがほぼ同じ。

グラフィック[編集]

型番 名称 発売日 備考
PI-AS1 アーティストツール 1989年9月29日 グラフィックソフト。イラストブースターがなくてもパッドで描画可能。画像の保存機能は無し。
PI-AD3 プリントブースター 本体に接続できるプリンター。ペンを差し込んで使うペンプロッター式。
PI-AD4 イラストブースター 専用ペンタブレット。透明なので下絵をなぞることができる。
PI-AD5 フォトリーダー ペン型モノクロイメージスキャナ。プリントブースターのリーダ端子に接続して使用する。

発売中止[編集]

通信ブースター
通信ツールというソフトと併用し、NECが運営していたテキストベースのパソコン通信PC-VAN」に接続出来るというもの。キーボードも発売されてBASICプログラミングなども可能になる予定もあった[21]。モニタ試験も行っていたが、開発期間が長引き性能が陳腐化した等の理由で発売中止となる。

PCエンジンのソフトをプレイする環境[編集]

各ソフトの規格に対応する機器[編集]

標準クラスのプレイ環境の一例:
コアマシン + CD-ROM2 + 各種システムカード
標準クラスのプレイ環境の一例:
コアマシン + SUPER CD-ROM2
スーパーグラフィックス + SUPER CD-ROM2。アーケードカードがあればLD-ROM2以外の全ソフトのプレイが可能

一般に多く流通したソフトを遊ぶにはSUPER CD-ROM2が可動する環境があれば良いが、本体、周辺機器共に多くのバリエーションが存在するため、システムの組み合わせパターンは数多い。分類すると下記のようになる。なお下記では、初代PCエンジン・PCエンジンコアグラフィックス・PCエンジンコアグラフィックスIIを合わせ「コアマシン」と称する。

  • 発売されたソフトの規格
    • 動作可能な本体、ハード、システムの組み合わせ
  • HuCARD
    • 全PCエンジンハード
  • HuCARD(PCエンジンスーパーグラフィックス専用)
    • PCエンジンスーパーグラフィックスのみ
  • CD-ROM2
    • コアマシン + CD-ROM2 + 各種システムカード
    • コアマシン + SUPER CD-ROM2
    • PCエンジンスーパーグラフィックス + ROM2 Adapter + CD-ROM2 + 各種システムカード
    • PCエンジンスーパーグラフィックス + SUPER CD-ROM2
    • PCエンジンLT + SUPER ROM2 ADAPTER + SUPER CD-ROM2
    • PCエンジンDuo系列機(R・RXを含む。以下同様)
  • SUPER CD-ROM2
    • コアマシン + CD-ROM2 + システムカードVer.3.00(SUPER SYSTEM CARD) or アーケードカードPRO
    • コアマシン + SUPER CD-ROM2
    • PCエンジンスーパーグラフィックス + ROM2 Adapter + CD-ROM2 + システムカードVer.3.00(SUPER SYSTEM CARD)or アーケードカードPRO
    • PCエンジンスーパーグラフィックス + SUPER CD-ROM2
    • PCエンジンLT + SUPER ROM2 ADAPTER + SUPER CD-ROM2
    • PCエンジンDuo系列機
  • アーケードカード専用CD-ROM
    • コアマシン + CD-ROM2 + アーケードカードPRO
    • コアマシン + SUPER CD-ROM2 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
      • 以下も含め、SUPER CD-ROM2上(Duo系列機含む)でのアーケードカードPROの使用は公式にはサポート外
    • PCエンジンスーパーグラフィックス + ROM2 Adapter + CD-ROM2 + アーケードカードPRO
    • PCエンジンスーパーグラフィックス + SUPER CD-ROM2 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
    • PCエンジンLT + SUPER ROM2 ADAPTER + SUPER CD-ROM2 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
    • PCエンジンDuo系列機 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO

ダウンロード販売サービス[編集]

※ メーカー未公認だがパーソナルコンピュータゲームエミュレータでもプレイは可能。

  • ドリームライブラリ
2000年6月1日、セガとの提携によりドリームライブラリ向けに配信された。(2003年1月31日にサービス終了。)
  • バーチャルコンソール
2006年12月2日、任天堂との提携によりWiiのダウンロード販売サービスであるバーチャルコンソール向けに配信されている。[22]
  • ゲームアーカイブス
2009年7月15日、ソニー・コンピュータエンタテインメントとの提携によりゲームアーカイブスの「PCエンジンアーカイブス」にて配信されている。[2]。なお、ゲームアーカイブスへの参入はPlayStation以外のプラットフォームとしては初めてである。

※ バーチャルコンソール・ゲームアーカイブスの提供タイトルはPCエンジンのゲームタイトル一覧を参照のこと。

  • PC Engine GameBox
2010年12月20日、iOS用ソフトPC Engine GameBox(発売元:ハドソン)のダウンロード配信が始まった。『パワースポーツ』以外のゲームはアドオン購入(各350円)となる。

その他[編集]

  • 「PCEngine」という商標名はコナミデジタルエンタテインメント及びNECビッグローブ登録商標(第2272123号ほか)となっている(発売当時はハドソン及びNECホームエレクトロニクス)。「PCエンジン」では商標登録されていない。
  • PC-88VAOSを「PC-Engine」と呼ぶが、PCエンジンとの関係はない。
  • 拡張バスにはRGB出力が含まれている[23]電波新聞社は、ここからRGB信号を取り出すコネクターの発売が予定していたが企画倒れとなった。
  • 同様のコンセプトを持つ品として、テクナ-ト(業務用基板を取り扱う会社)より「PCメイト」と言うRGB出力/業務用筐体に接続出来る機能を持つ基板が当時販売されていた。ゲーメストに広告が載っていたが、価格が2万円と高価だった。この基板をさらに改造して、業務用として設置できるようクレジット機能(コインの投入数分だけRUNボタンの押下を受け付ける)を搭載したものも存在した。
  • CD-ROM2本体のピニオンギアとドライブ間を接続する黄色いギアが経年劣化で破損しやすい状態にあるものが多い。黄色いギアは特注品らしく一般に流通するギアでの代替は基本的に不可能。自作もしくは特注するしか方法が無い。[24]
  • 富士見ファンタジア文庫から1990年2月に刊行された『悪の江ノ島大決戦』(とまとあき・塚本裕美子著)では、当時発売直後のシャトルやスーパーグラフィックスなどが作中のアイテムとして登場し、ゲーム機本体とライトノベルという、タイアップが行われた。
  • 1996年創刊の雑誌『ユーズド・ゲームズ』(現・『GAME SIDE』)では、PCエンジンの熱狂的なユーザのことを「PCエンジニア」と呼んでいた。この言葉は同誌2号のメガドライブ特集記事で誕生したものである。

メディア展開[編集]

専門誌[編集]

テレビ番組[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ただしNECはエポック社スーパーカセットビジョンのハードウェア開発を担当していた。
  2. ^ a b c PlayStationStore「ゲームアーカイブス」カテゴリ内にて「PCエンジンアーカイブス」を、本日より取り扱い開始”. ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン ニュースリリース (2007年9月15日). 2012年9月21日閲覧。
  3. ^ ドリマガ 2003年10月10・24日合併号
  4. ^ 平林久和急にハドソンのことが語りたくなった -Hisakazu Hirabayashi Official Blog 2011年1月21日
  5. ^ 対してPlayStationではソニー・コンピュータエンタテインメントは自力でローンチタイトルを用意している。これはソニーの音楽・映画部門のグループ企業がノウハウを蓄積していたからである。
  6. ^ ハドソン#ハドソン全国キャラバンによる。
  7. ^ さくまあきらが担当。
  8. ^ 多根清史『日本を変えた10大ゲーム機』ソフトバンク新書、2008年、p.100
  9. ^ サイドアームサイドアーム・スペシャルF1ドリームソンソン2、ポンピングワールド、ストリートファイターIIダッシュなど
  10. ^ エイリアンクラッシュデビルクラッシュサイバーナイトGUNHED精霊戦士スプリガンスプリガン mark2シルフィアなど
  11. ^ The 10 Worst-Selling Consoles of All Time
  12. ^ ガンヘッド、スーパースターソルジャー等で使用
  13. ^ ポピュラス(HuCARD版)のみカード側にメインRAM:32KBを増設。
  14. ^ HuCARDの「TVスポーツバスケットボール」の選手選択画面や、CD-ROM2の「シャーロックホームズ」の全編、「シャドウオブザビースト」のOPデモで使用。縦スクロールシューティングゲームで縦画面仕様のアーケードゲームの雰囲気に似せた、通称「縦画面モード」をオプション・裏技で選択可能。
  15. ^ 高解像度なソフトが少ない理由は、画素単位で制作したグラフィックをフル画面表示しづらい・スプライトが複数並び易く、横並び制限によるスプライト欠けが生じ易いからである。
  16. ^ 岩崎啓眞PCエンジン版R-TYPEのコトColorful Pieces of Game 2010年10月4日
  17. ^ この仕様により多重スクロールは苦手である。そのため背景の一部をスプライトにする・バックグラウンドのキャラクタを複数用意してアニメーションさせる、横方向ではそれに加えラスタースクロールを併用することで対応している。なお、これらは他のゲーム機でも使われるテクニックである。
  18. ^ 初期ロットでは全く拡張性が無く、後期ロットで正式な仕様変更の告知無しでバックアップユニット専用端子が追加された。(『桃太郎伝説II』など、バックアップユニットが無いとプレイ不可能なソフトへの対応。)開発・製造コストとの兼ね合いからコアグラフィックスの回路設計をそのまま流用しており、バスの仕様上は同一だった。
  19. ^ AVケーブル自作-PCエンジン保守の館
  20. ^ 幻のPCエンジン 幼児向け学習ゲームソフト
  21. ^ Japanese Secrets! - The Tsushin Booster Page
  22. ^ なお、2011年に任天堂からニンテンドー3DS向けも配信されるとアナウンスがあったが実現していない。
  23. ^ ●PCエンジン(PCEngine)
  24. ^ 日記みたいな何か(CD-ROM2ギア修理)

関連項目[編集]

ソフト一覧[編集]

その他[編集]

外部リンク[編集]