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ホスホリパーゼA2(Phospholipase A2, PLA2)とはグリセロリン脂質sn2位のエステル結合を加水分解する酵素である。
機能[編集]
グリセロリン脂質のsn2位のアシル鎖を加水分解して遊離脂肪酸とリゾリン脂質を産生し、それぞれの生成物が重要な生理活性を有している。例えば遊離脂肪酸の代表的なものとしてアラキドン酸が挙げられるが、PLA2による切り出しを受けたあとにシクロオキシゲナーゼ(COX)と呼ばれる他の酵素を介した反応により種々のプロスタグランジン類に代謝され、炎症反応ヘ関与することが広く知られている。
分類[編集]
PLA2はコブラ毒に含まれる物質として発見された。その後、同じヘビ毒でもコブラやアマガサヘビとガラガラヘビなどではPLA2内のジスルフィド結合のパターンが異なることが分かり、1977年頃から前者をPLA2I、後者をPLA2IIというように番号による分類を行うようになった。PLA2には数多くのアイソザイムが存在しているが、その構造上の特徴から細胞質型(cPLA2)や分泌型(sPLA2)、Ca2+非依存型(iPLA2)、アセチルヒドラーゼ型(PAF-AH)、リソソーム型(LPLA2)、アディポサイトPLA2(AdPLA2)などに大きく分けられる。
cPLA2ファミリー[編集]
基本的に活性発現のためにカルシウムを必要とする。唯一IVCのみがカルシウム非依存性であるが、分子構造の相同性からこのグループに分類されている。
- cPLA2α(IVA)
- アラキドン酸含有リン脂質に対して強い選択性を有しており、炎症反応において中心的な役割を担う。遊離したアラキドン酸はシクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼによりそれぞれプロスタグランジン類やロイコトリエン類へと代謝される。
- cPLA2β(IVB)
- cPLA2γ(IVC)
- cPLA2δ(IVD)
- cPLA2ε(IVE)
- cPLA2ζ(IVF)
sPLA2ファミリー[編集]
sPLA2はその活性中心にヒスチジンを有する低分子量のPLA2であり、その活性発現にはカルシウムイオンを必要とする。
- IA
- IB
- IIA
- IIB
- IIC
- IID
- IIE
- IIF
- III
- V
- IX
- X
- XIA
- XIB
- XII
- XIII
- XIV
iPLA2ファミリー[編集]
iPLA2は活性発現のためにカルシウムを必要としない。
- iPLA2(VIA-1)
- iPLA2β(VIA-2)
- iPLA2γ(VIB)
- iPLA2δ/NTE(VIC)
- iPLA2ε(VID)
- iPLA2ζ/ATGL
- iPLA2η
PAF-AHファミリー[編集]
PAF-AHファミリーは
- VIIA
- VIIB
- VIIIA
- VIIIB
LPLA2[編集]
リソソーム型(XV)はウシの脳から精製された新規のPLA2であり、セラミドのアセチル化を行う[1]。
AdPLA[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
- ^ Hiraoka M, Abe A and Shayman JA.(2002)"Cloning and characterization of a lysosomal phospholipase A2, 1-O-acylceramide synthase."J Biol Chem 277,10090-9. PMID 11790796