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利用者:Keishin Kimura/sandbox

ヨーガ療法とは

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ヨーガ療法とは、伝統的ヨーガの智慧を活用してヨーガ・クラスに参加して来る生徒/クライアントの心身状態をヨーガ療法アセスメント(YTA)して、その見立て/アセスメントに応じて、伝統的ヨーガ技法をその生徒/クライアントの心身状態に合わせてアレンジして処方するヨーガ療法インストラクション(YTI)である。そのアセスメント/見立て技法は肉体面と心理面に分けて行われる。現代西洋医学や伝統医学の中国医学では医師がクライアントを治すが、ヨーガ療法ではクライアント自身が自分の不調の原因を見つけて、自分が自分を癒やすセラピーになっている。ヨーガ療法士はクライアントの不調の原因を見立てるが、クライアント自身が不調の根本原因を悟れるようにファシリテート/支援するのが、ヨーガ療法士の役目とされている。

ヨーガ療法の現状

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近年、スイスのジュネーブの世界保健機関WHOも“ヨーガ”を伝統医学・相補統合医療部門に加えたので、“ヨーガ”も“ヨーガ・セラピー”として、またヨーガ指導者も中国医学やアーユルヴェーダの医師同様に“ヨーガ・セラピスト/YT”として、生徒/クライアントの心身状態をアセスメント/見立てて、適切なヨーガ療法技法を処方して、生徒/クライアントの主訴に合わせて指導ができなくてはならなくなっている。今や“ヨーガ”指導はアセスメント/見立てと、見立てに応じた指導/処方がインストラクション/指導できなくてはならなくなっている。インドの諺に“心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる”とあるように、ヨーガ療法は生徒/クライアントの心のあり方、病的な認知と行動を健やかな認知行動へと導き、健やかな行動/カルマから健やかな生活習慣をクライアントが自分で造り、自分の運命/人生を自分で造り出せるというカルマ・ヨーガの教えをクライアントに伝えるインド五千年の認知行動療法なのである。

ヨーガ療法の由来

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こうして伝統的ヨーガのアセスメント法とインストラクション法は、約2300年前に聖師パタンジャリ大師によって記された聖典ヨーガ・スートラというヨーガの根本経典内の随所に記録されている。ヨーガ療法士はウパニシャッド聖典をはじめ、ヨーガ・スートラやバガヴァッド・ギーター、ヨーガ・ヴァシスタ等のヨーガの聖典群に精通した智慧を持って、見立てと指導を行なっている。世界中にヨーガ・セラピスト/YTは活躍しており、日本には(一般社団法人)日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ療法士が1000人以上活躍しており、全国的に組織(特定非営利活動法人日本ヨーガ療法士協会)化されて、学会認定ヨーガ療法士たちは日本国内では各種公民館・スポーツジム・文化施設・ヨガスタジオ・医療施設・福祉施設・矯正施設・緩和ケアー施設・緊急災害地支援等で活躍している。また、障害者支援・緊急災害支援・依存症矯正支援・被曝者支援等、海外支援も幅広く実施されている。

統合医療としてのヨーガ療法

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以上のようにヨーガ療法(よーがりょうほう、英語: yoga therapy)とは、インドに約5000年前から伝承されている伝統的ヨーガの諸行法を、一般社会に生きる人たちの健康促進と病気予防、時には疾病治癒の為に活用する手段がヨーガ療法である。世界保健機関WHOは2022年、数回の議論を重ねた後にヨーガ指導者が学ぶべき教育内容(Benchmarks for training in Yoga)を定めて、ヨーガを伝統医学・相補代替医療部門に中国医学やアーユルヴェーダ医学と同列に分類[注釈 1][注釈 2]した。また、厚生労働省もヨーガを国家資格がある鍼灸/マッサージ等と同列にして、厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』の中に入れている[注釈 3]

ヨーガ療法の歴史

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伝統的ヨーガに対して現代科学の視点を持ってヨーガ諸技法の持つ医学的メカニズムを解明しようとしたのは、1920年代にカイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所を設立したスワミ・クヴァラヤナンダ師[注釈 4]であった。以来、本ヨーガ研究所は4~6週間単位のヨーガ学習講座を広く世界に公開している。ヨーガの科学的研究は、全世界において行われるようになっている[注釈 5]

ヨーガ療法の高等教育

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2022年現在、インドにおいては160校を越える大学がヨーガ学科/学部/単科大学を擁してヨーガとヨーガ療法の教育を行っている[注釈 6]。日本においてはインド最大のヨーガ単科大学であるSwami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana, Bangalore[注釈 7]のディスタンス講座が全講座(学部3年・修士2年・博士3年)を日本語にてオンライン受講できるようになっている[注釈 8]。 伝統的ヨーガをヨーガ療法と理解するには、WHOがヨーガを伝統医学・相補代替医療部門に入れたことでも理解できるように、中国医学やアーユルヴェーダ医学がクライアントを“見立てて治療する”のと同じことが、ヨーガ療法アセスメント(YTA)とヨーガ療法インストラクション(YTI)として処方されねばならない。こうしたヨーガ療法に関する一般向けの専門書も日本国内では市販されている[注釈 9]。また、ヨーガ療法のフィジカル・エクササイズは、西洋心身医学からは“メディテイティブ・エクササイズ”とか、心理療法に肉体面から心理操作をする “ソマトサイキック・アプローチ”とも呼ばれている。こうしたインド五千年のサイコセラピーに関する一般向けの専門書も市販されている[注釈 10]

心身相関療法としてのヨーガ療法

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以上、伝統的ヨーガを医療のセラピーとして取り扱うヨーガ療法は、現代西洋医学や東洋医学がその根本治療にも取り組んでいる“ストレス関連疾患”、“心身相関疾患”、“生活習慣病”と称されるような、心理的乱れから生じる各種疾患や心理の誤認知から生じる生活習慣病である糖尿病や高血圧やリウマチなどのクライアントの心理作用に対する癒やし効果が期待されて、世界に広まっている。

世界のヨーガ療法学会

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現在、世界各地でヨーガ療法学会が組織化されており、アジアオセアニアでは第2代代表として(一般社団法人)日本ヨーガ療法学会代表理事の木村慧心がAsian Yoga Therapy Associationを組織しており、北アメリカではInternational Association of Yoga Therapists (IAYT)がMatra Majmundar女史を中心に組織化されている。その他、南米でもDr. Danilo Forghieri Santaella(サンパウロ教授)がブラジルでヨーガ療法学会を組織している。またヨーロッパにおいてもドイツのベルリンに、ヨーガ療法団体のDeutsche Gesellschaft für Yogatherapie(DeGYT/Alexander Peters )がある。AmsterdamではCommunity Psychiatric Nurse であるAnneke Sips が中心になってヨーロッパ・ヨーガ療法会議を2018年に開いている。アフリカにはまだヨーガ療法普及の中心となる組織はない。

脚注

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注釈

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  1. ^ WHO traditional medicine 【WHO伝統医学・相補代替医療部門に属する8医療分類】 ●アーユルヴェーダ医学専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Ayurveda ●自然療法専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Naturopathy ●タイマッサージ(Nuad Thai)専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Nuad Thai ●整骨療法(Osteopathy)専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Osteopathy ●中国医学専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Traditional Chinese Medicine ●中国マッサージ(Tuina)専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Tuina ●ユナニ(Unaniインド)医学専門家教育内容基準Benchmarks for Training in Unani Medicine
  2. ^ 【ヨーガ療法と世界保健機関WHO】 スイス・ジュネーブに本部がある世界保健機関(WHO)は2019年にインドの主都ニューデリーで'WHO Working Group Meeting on WHO Benchmarks for training in Yoga'会議を開催し、インド中央政府のAYUSH省がこの会議の財政支援を果たした。本会議には、世界各地方から代表者が1名ずつ選抜され、東アジア諸国(日本・韓国・中国・モンゴル・極東ロシア)を代表として日本から(一般社団法人)日本ヨーガ療法学会代表理事の木村慧心が選出され、草案策定を行った。WHOの伝統医学・相補代替医療部門には以下のBenchmark(専門家として学ぶべき教育内容)が既に設定されている。それを以下に紹介する。詳しくはWHOのホームページで確認できる。
  3. ^ 【ヨーガ療法と厚生労働省】 日本国内においてもヨーガは厚生労働省の厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業Evidence based Japanese Integrated Medicine / eJIM』には、国家資格に関係する鍼灸・漢方・指圧と共に、ヨーガ関連の沢山の研究論文が掲載されている。これらの構造化された症例報告は(一般社団法人)日本ヨーガ療法学会のヨーガ療法専門家達が原論文を構造化して翻訳して、同サイトに掲載している。同サイトに掲載仕切れない構造化論文は、(一般社団法人)日本ヨーガ療法学会ホームページに公開されている。同ホームページにはヨーガ療法の有害事象も少数ではあるが、公開されている。有害事象サイトは非公開ではあるが、(一般社団法人)日本ヨーガ療法学会のヨーガ療法士専用サイトで専門家だけが閲覧できるようになっている。
  4. ^ 【ヨーガ療法の歴史】https://www.kdhamjp.com/page/tradition/
  5. ^ PubMed
  6. ^ Yoga Universities in India 2022https://university.careers360.com
  7. ^ Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana, Bangalore
  8. ^ SVYASAヨーガ大学
  9. ^ ヨーガ療法マネージメント 改訂 ヨーガ療法アセスメント(YTA)とヨーガ療法インストラクション(YTI)技法・・・ガイヤ出版
  10. ^ インド五千年のサイコセラピー ─ヨーガ療法ダルシャナ─ 伝統的ヨーガにもとづくヨーガ療法標準テキスト・・・ガイヤ出版