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利用者:Kitty757/ソラデー3

ソラデー3 (Soladey 3) は株式会社シケンが製造販売する光触媒反応で歯垢細菌の分解を行う歯ブラシ電動歯ブラシではなく、全くの手動式である。

概要

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ソラデー、ソラデー2、ソラデー3とシリーズ化されているが、2009年現在の現行品はソラデー2とソラデー3のみ。 ソラデー2とソラデー3はブラシ部が歯ブラシ本体から脱着可能で、ブラシ部のみの交換方式。 この替えブラシは毛の硬さが、ふつうサイズの、かため、ふつう、やわらかめ、極細がある。そのほかにコンパクトサイズ、子供サイズがある。


構造

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替えブラシ部と歯ブラシ本体部に分かれて、歯ブラシ本体の先端に酸化チタン棒電極が配置され、替えブラシを酸化チタン棒電極に、かぶせて取り付ける構造。なお、酸化チタン電極が覆われないないように、替えブラシの柄部分にスリットが入って酸化チタン電極が外に出る構造。本体の柄部分はステンレス製。ステンレス柄部分の先に太陽電池が配置されている。内部は太陽電池の+側がステンレスに-側が酸化チタン電極に接続されている。

歴史

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  • 1981年に半導体光触媒歯ブラシソラデーが発売された。これはブラシ部が交換できない使い捨て歯ブラシだった。
  • 1985年に日本化学会51秋季年会講演にてソラデーによる乳酸の光触媒分解が報告された。
  • 1986年にソラデー2が発売された。これは、ブラシ部が交換でき、また同時に交換用替えブラシが発売された。同年、雑誌「歯科医学」に「光エネルギー転換歯ブラシの歯垢清掃効果について」と題してソラデー2の臨床的歯垢除去効果が報告された。
  • 1987年に雑誌「電気化学および工業物理化学」にソラデー2による乳酸光触媒分解の論文が掲載された。
  • 1989年に雑誌「ザ クインテッセンス」に「半導体TiO2装着歯ブラシによる歯垢清掃効果」が掲載された。
  • 2004年にソラデー3が発売された。

使用されている技術

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酸化チタン (TiO2) 電極に太陽電池が接続されている。酸化チタン電極自体が半導体光電気化学セルとなっている[1]。 酸化チタン電極には太陽電池からマイナス電位が、握り柄部分のステンレスにはプラス電位が与えられ、歯みがき時には電流ループが形成される。そして、太陽電池を酸化チタン電極に接続した場合は、接続がない場合に比べて乳酸の分解反応において、乳酸分解量の増加が認められ、太陽電池からのバイアス電圧を加えることで、酸化チタン表面での酸化還元反応(光触媒反応)が活性化されていることが分かった。[2]

このソラデー3システムを使うと、光触媒反応により口腔内での虫歯歯周病の原因細菌であるS. mutans が作り出す酸の産生が抑制されることが分かった。また、S. mutans の生菌数の抑制も太陽電池を付与することで増大した。そのときの生菌数抑制範囲は酸化チタン電極近傍数mmに及ぶことも分かった。[3] また、人工歯で代用されるアパタイトペレットを使ってS. mutans のアパタイトペレットへの付着抑制効果を実験すると、太陽電池を付与した酸化チタン電極の方が、付与しない場合より付着抑制効果が増大していることが分かった。[4]

脚注

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  1. ^ 太陽電池付棒状半導体TiO2の光触媒効果 株式会社シケン公式 - 学術資料
  2. ^ Photocatalytic Decomposition of Lactic Acid in Water on a Photoelectrochemical Circuit System Consisting of a Rod-type TiO2 Electrode and Silicon Solar Cell, Topics in Catalysis Vol.47 Nr.3-4 162-165 Apr. 2008
  3. ^ 太陽電池を付与した棒状半導体TiO2の S. mutans に対する光触媒効果-第1報:酸産生抑制および抗菌効果について-、小児歯科学雑誌Vol.44, No.4, 567-572, 2006
  4. ^ 太陽電池を付与した棒状半導体TiO2S. mutans に対する光触媒効果-第2報:付着抑制効果について-小児歯科学雑誌Vol.44, No.5, 709-712, 2006

参考文献

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