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利用者:Kizhiya/sandbox-d

ヤサク(ロシアの貢税)  ヤサクロシア語: Ясак)とは、ロシア語シベリアヴォルガ川流域の現地民族から取りたてた、おもに毛皮での税を指す[1]。もとはトュルク=モンゴル系諸民族で、弱い部族が、より強大な部族や国家に納めていた税のことである。強大な部族や国家は、弱い部族からヤサクを受け取る代わりに、彼らの土地や生業を守った[2]。本記事ではおもにロシア語圏でのヤサクについて紹介する。ヤサークとも。

語源[編集]

ヤサクの語源については、以下の説がある[3]

モンゴル語ヤサグで、元は普通法の集成、次に統治、政府などの意。金帳汗国の時代にチュルク語に移り、命令、法律、国家的納税義務、税を意味した。タタール人からロシア人に移った。 — ドミトリエフ「レキシコグラフィー論集」、第3集、1958年)[3]


ヴォルガでの歴史と運用[編集]

ヴォルガの異民族

  1. ウドムルト
  2. チェレミス
  3. タタール
  4. モルドヴァ
  5. チュバシ

;ヴォルガからシベリアへ

  1. バシキール
  2. 大ノガイ


シベリア・極東地域[編集]

16世紀後半のイェルマークシビル・ハン国攻略から、ロシア人によるシベリア進出がはじまった。シビル・ハン国では、イェルマークに破れたクチュム・ハン英語版ロシア語版の治世のもとでもヤサク収集が行われていた。ロシア人は既存の徴収態勢を受け継いだのである[4]




脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]


参考文献[編集]

  • 田中, 陽兒、倉持, 俊一、和田, 春樹『ロシア史〈1〉9世紀-17世紀』山川出版社、1995年。ISBN 4-634-46060-2 
  • 三上, 次男、神田, 信夫『東北アジアの民族と歴史』 3巻、山川出版社〈民俗の世界史〉、1989年。ISBN 4-634-44030-X 
  • 栗生沢, 猛夫『タタールのくびき ロシア史におけるモンゴル支配の研究』東京大学院出版会、2007年。ISBN 978-4-13-026130-2 
  • 三上, 正利「シベリアの開拓と人口」『人文地理』第4巻第2号、一般社団法人 人文地理学会、1952年、94-108,173、doi:10.4200/jjhg1948.4.94 
  • 加藤, 九祚『シベリアの歴史(新装版)』紀伊國屋書店、2018年(原著1963年)。ISBN 978-4-314-01158-7 
  • 宮脇, 淳子『モンゴルの歴史 遊牧民の誕生からモンゴル国まで』 59巻、刀水書房〈刀水歴史全書〉、2002年。ISBN 978-4-88708-244-1 
  • 護, 雅夫、岡田, 英弘『中央ユーラシアの世界』 4巻、山川出版社〈民族の世界史〉、1990年。