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利用者:Ks aka 98/ブロックと投稿ブロックと追放

投稿ブロックとは、というところは、複数の文書が混在していて、概念にも混乱があります。定義や文書間の齟齬を考えようとすると、ちょっと丁寧に過去の議論を追わないと、かなりわかりにくいと思うので、注意が必要です。

日本語版では「投稿ブロックの方針」が、最初に作られ、基本的にはこれに従った運用がされています。06年に英語版の方針を移入しようとする試みがあり、それが試験運用中の「改定案」と草案の「追放の方針」になります。

  • Wikipedia:投稿ブロックの方針/改定案の初版2006-05-19T08:58:41(en:Wikipedia:Blocking policy 09:02, 16 May 2006の翻訳)
  • Wikipedia:追放の方針の初版2006-05-22T12:41:53(en:Wikipedia:Banning policy 17:34, 17 May 2006)

2006年当時の英語版

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以下、日本語版における草案のWikipedia:投稿ブロックの方針/改定案Wikipedia:追放の方針を基に、制度設計とか概念とかを確認してみます。

英語版では、「ブロックとBAN」が「ブロックの方針」と「BANの方針」に分かれて、それぞれに方針が存在します。英語版で「ブロックとBAN」が「ブロックの方針」に限定されたときの差分は23:09, 3 April 2004。英語版では、ブロックは技術的な手段であり、BANは「ウィキペディアの一部または全部を編集する資格を利用者から公的に剥奪すること」で、「社会的制度」です。

ブロックの方針では「投稿ブロックを実施すべき場合」として、ブロックという機能を用いることができる条件・対象を列挙しています。ここで挙げられている条件に合致するならば、コミュニティの合意を得ずともブロックを実施でき、BANは、その中のひとつとなります。

BANは「ウィキペディアの一部または全部を編集する資格を利用者から公的に剥奪すること」で、「社会的制度」です。追放の対象となりうる行為としては「個人攻撃あるいは無礼なふるまい」「他の利用者への嫌がらせ、ストーキング(つきまとい)、脅迫」「法的な脅迫」「編集合戦、およびその他破壊的な編集をしつこく繰り返すこと」「NPOVや検証可能性のような、ウィキペディアの内容の方針に対する重大な違反をしつこく繰り返すこと」「ウィキペディアの基本方針とガイドラインへ従う気がない、あるいは従うことができないことを示すふるまい」が例示されています。決定できるのは、arbcom、ジンボ・ウェールズ、財団、そしてコミュニティの合意となっています。

日本語版

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日本語版では「投稿ブロックの方針」が独自に作られ、基本的にはこれに従った運用がされています。日本語版で、現在の方針が制度化される際の編集差分は2004-09-23T11:59:02 要約欄:改訂版をドラフトから移動(fmt、てにをは程度の修正のみ)で、当時のノートを見ると、英語版との違いについても言及されていました。

日本語版の「投稿ブロックの方針」では、「問題のあるユーザーの投稿を禁止することで被害の拡大を食い止めること」を「投稿ブロック」と呼び、「投稿ブロックされたユーザーはWikipediaの閲覧はできますが、編集や記事の移動はできません」とされています。この「投稿ブロック」は、「ユーザー」を対象としたもので、後の「「対話が必要なユーザー」に対する投稿ブロック」以下の節でも、「ユーザー」を対象としたものとして扱われています。ここでの「投稿ブロック」は、「制度(のようなもの)」を指すと思われます。

「投稿ブロックの方針」では、「投稿ブロックを行えるのは管理者、ビューロクラット、および開発者で、また投稿ブロックの解除を行うこともできます」という記述など、「ブロックという機能」を指しているところもあります。続く「投稿ブロックの種類」の節の「投稿ブロックはログインユーザー名およびIPアドレスに対して、投稿ブロック期間と理由を示して行います」とあるのも同様で、これはブロックという機能を用いる際の注意書きと読めます。

しかし、機能としての「投稿ブロック」を行使する条件については記述がありません。通常はコミュニティの依頼を経るものとされています。ブロックという機能を行使するもののうち、通常の手続きを取らないものというのは、権限を持つ管理者による、コミュニティの合意に拠らない、つまりは裁量でのブロックということになります。これは例外的に「即時投稿ブロック手続き」が示されています。投稿ブロックの対象として「投稿ブロックの対象となる行為」の節の「対象行為の例示」で、公開プロキシやbotなど、「ユーザー」ではないものも挙げられています。制度と機能の区別には、記述の上で混乱があるようです。

まとめ

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英語版では、ブロックという機能一般についての方針があり、その一部としてコミュニティの合意を経て決定した「BAN」の執行のためのブロックも含まれ、BANについては別の方針があるのに対して、日本語版「投稿ブロックの方針」は、「ブロック機能の行使の方針」と「BANの方針」の両方を含む形になっていて、コミュニティの合意を経ての「投稿ブロック」を基本として、例外的に「(裁量による)即時投稿ブロック」がある。全体的な構造が異なっているということになります。

内容だけを考えるなら、「投稿ブロックの方針」の「通常の手続き」の改定案として「追放の方針」があり、「即時投稿ブロック手続き」の改定案として「改定案」がある。ですから、「投稿ブロック」の厳しいものとして「BAN」があるのではありません。もちろん、ブロックと追放と投稿ブロックでは、それぞれに理由となるものとして挙げられているものは異なりますし、細部の違いも多々ありますから、同一視するべきではありませんが。