利用者:Ks aka 98/教育目的のウィキペディア利用
大学や高校の授業など、教育の現場でウィキペディアを用いることも増えてきたようです。
もちろん、ウィキペディアは、誰でも執筆に参加できるプロジェクトです。
しかし、コンピューターの操作やインターネット・リテラシーの理解は、ウィキペディアの目的から外れています。ウィキペディアの目的を逸脱して利用してしまうと、作成した記事が削除されたり、編集ができなくなるブロックや保護といった措置がとられることもつながります。わたしたちは将来の執筆者としての初心者には親切に振る舞いますが、ウィキペディアの発展に結びつかない目的外の利用者には厳しい対処をとるかもしれません。
そうしたかたちで参加することを拒むものではありません。一般的には、ウィキペディアでは、参加したばかりの初心者には親切に、丁寧に対応することが求められています。教育の場でウィキペディアに触れ、百科事典の編集に興味を持って、執筆に加わってくれる人が増えることを期待します。
コンピューターの操作やインターネット・リテラシーの理解を第一の目的としつつ、百科事典の作成に参加しているということであれば、双方の目的を満たすものとなるでしょう。
この文書では、ウィキペディアを教育の場で用いる場合に留意すべき事柄をまとめておきます。なお、ウィキペディアでは、すべての方針やガイドライン、過去の議論、記事の編集過程が公開されていますから、必要な情報は、各自で得ることができます。
特に大事なこと
[編集]ウィキペディアは百科事典を作成するプロジェクトです。
[編集]ウィキペディアの参加者は、百科事典をつくることを目的として、それぞれの時間を割いて編集しています。多くの方針は、よりよい百科事典をつくろうとして考えられたもので、百科事典をつくろうとして参加するならば、問題を生じることはなく、またウィキペディア独自の決まりごとを理解することもできるでしょう。
ウィキペディアは誰でも編集できます。
[編集]ウィキペディアの記事は、誰でも編集できます。先生と学生だけで編集できるわけではありません。内容について、より詳しい参加者がいるかもしれません。「誰でも」のなかには、専門家や研究者も含まれています。また、ウィキペディアの方針などに合わせて修正されたり、注意されたりすることもあるでしょう。その修正や注意は、ウィキペディアとして正しいとも限りません。「誰でも」ということは、ウィキペディアに慣れていない人や方針などを誤解している人、悪意ある参加者も含まれるのです。
ウィキペディアでは、ほとんどのことが記録され、公開されます
[編集]ウィキペディアでは、編集ごとに改変されたすべての版が、投稿時刻と投稿者と共に記録されています。誰が何を投稿したのかということは、誰でも確認することができるのです。
ウィキペディアでは特別扱いされません
[編集]教育は大事なことですし、大勢が参加し、たくさんの項目があるウィキペディアの中で、多少のことは許されてもいいじゃないかと考えるかもしれません。しかし、ウィキペディアでは、ほとんどのことはコミュニティの合意によって物事が進み、あるいは決定されます。共同作業の中で、あなた(たち)を特別扱いするべきだという合意は、今のウィキペディアにはありません。これは、削除などの対処についても同様です。投稿者であっても、投稿したものを必ず削除できるとは限りません。
ちょっと変わった決まりごと
[編集]百科事典に親しみ、文章を書くことに慣れている参加者であれば、ウィキペディアのよき参加者として受け入れられるでしょう。ウィキペディアは、「フリー」であり、誰でも編集できて、共同作業によってつくられるという性質から、いくつか変わった決まりごとがあります。特に以下の二つが重要なものです。
情報源を示す:百科事典の文章では、個々の事実や学説などの出典情報を詳細に示すことはありません。しかし、ウィキペディアでは、執筆者が専門家に限らないですから、他の執筆者や閲覧者がそれぞれに内容を検証できるように、情報源を示すことを求めています。
ライセンスに従う:ウィキペディアの文章は、まったく自由に使えるものではなく、ライセンスに従って使うことができるものです。書かれているものを転記する場合や、他の言語から翻訳する場合には、「履歴」の扱いに注意してください。
ウィキペディアを意図的に試さないでください。
[編集]たとえば、間違いを混入させて、それが修正されるかどうかを試すようなことを授業のなかで行わないでください。その間違いを読んだ人は、ウィキペディアの信頼性に疑問を持つだけにとどまらず、それを信じて何らかの被害を受けるかもしれません。間違いの修正をするのは、現実の人であり、その人の貴重な時間を費やして修正をすることになるということを理解してください。
指導者のかたへ
[編集]あらかじめ執筆してみる
[編集]ウィキペディアは、大学や高校などの先生の執筆への参加を歓迎します。ぜひ、専門分野の記事の発展に協力してください。
専門家、研究者であっても、百科事典の執筆や監修の経験がある方は多くないでしょう。ウィキペディアという百科事典をつくりだすプロジェクトは、記事を書くだけがすべてではありません。執筆経験があったとしても、編集者としての仕事や、校正、組版などの経験もあり、フリーなライセンスやメディアウィキというソフトウェアに習熟しているという人は、ほとんどいらっしゃらないと思われます。
ウィキペディアでは、多くの参加者によって、様々なノウハウが蓄積され、一部は方針やガイドラインとして文書化されています。これらは完全なもの、最善なものではありませんが、これらを無視することは好まれません。
また、専門家の間では共有されている基本的な知識や常識そのものが問われることもあります。認められている研究に対して反発心を抱く人や、自分こそが正しいと思い込んでいる人にでくわすこともあるかもしれません。
実際にウィキペディアで執筆することで、ウィキペディアという共同体を知ることができます。それが授業などにも役立つことでしょう。
アカウント
[編集]ウィキペディアでは、誰でもアカウントを取得して編集することができます。ログインせずに編集をすると、接続元のIPアドレスが記録されます。ただし、ひとつのアカウントを共有することは禁止されています。
また、ひとりが複数のアカウントを使い分けることは、議論の撹乱に用いられたり、多数派であることを装うことに用いられる可能性があるため、好ましくないことと考えられています。受講者がアカウントを取得するとき、同じドメインから一時期に大量のアカウントが作られます。また、授業や課題でウィキペディアを使う場合、同じ記事に大勢の編集が集中します。こうした状況は、通常のウィキペディアでは見られませんから、複数のアカウントの不正しようと見られる可能性があります。
事情を説明する
[編集]可能ならば、記事のノートや利用者ページで、所属や担当教官、授業や課題としてウィキペディアを用いていることを示してください。授業中であることは、ウィキペディア上での責任を逃れる言い訳にはなりませんが、問題ある編集があったときに、参加者の中には解決に向けて事情を説明し、ブロックなどの解除に向けて動いてくれる人がいるかもしれません。
また、ウィキメールを設定することで、非公開でのやりとりが可能になります。
授業中に編集できなくなったら
[編集]何か予定外のことが起こったとき、まずは落ち着いて、編集できなかったときに表示されるページを読んでください。多くの場合、そこから基本的な説明へのリンクが貼られています。
編集できないときに考えられるのは「ブロック」「保護」です。ブロックは、問題がある編集があったときに、そのアカウントやIPから編集できなくする対処です。保護は、その記事の編集ができなくなる対処です。
多くの場合、対処の前、あるいは対処の後に、会話ページか、記事のノートに、なぜ編集できなくなったのかという説明や注意が書かれていると思われます。そこで書かれている、編集上の問題点を把握し、問題ある編集を継続しないことがわかれば、再度編集できるようになるでしょう。