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利用者:Lackfieldbrown/sandbox

BSscdd氏への返信

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まず、学生新聞については「数学界全体でどのような状況なのか」の情報として挙げたものですので、これを記事の出典としようとするものではないことをご理解ください。

第二に、Wikipedia:信頼できる情報源には確かに「一般的には査読された公表物はもっとも信頼できると考えられ、権威づけられた専門家による公表物がそれに次ぎます」と書いてありますが、同時に「学術的な主題についてはたいていの分野で、その分野の学術雑誌に見られるような査読と評価についての制度を持っています。例えば歴史では、アメリカン・ヒストリカル・レビュー (American Historical Review) 誌は毎年約 1,000 冊の書籍を査読しています。『アメリカ歴史学会の史学文献に関する指針』(1995年)では、歴史の全分野に関する27,000 冊の書籍と記事についての評価をまとめています。権威ある情報源を見つけるために、編集者はこのような公表物を探し出して利用すべきです。権威ある情報源の間での不一致は、それが信頼できる情報源に基づくかぎり許容されます。しかしその不一致については明白な形で記事中で示されるべきです。」ともあるわけです。コメント依頼でも書いた通り、ZbMATHヨーロッパ数学会などが運営する「数学の論文に関するデータベースとしてはMathSciNetと双璧をなす」存在であり、そのエディターがScholzeにレビューを依頼した、ということが何を意味するか、ということです。

第三に、(これはDiagonalさんのおっしゃる通り)Natureの記事は肯定ではありません。「疑義が呈されている論文が出版されることになった」と伝えている「記事」であって、査読論文でもありません。否定派、肯定派、静観派の声を同等に拾っているだけです。また、Saidiの論文は「宇宙際タイヒミュラー理論によるABC予想の証明」とは関係ありません。定理3.11が肯定されても、疑義が呈されているのはそこから系3.12を導く過程ですから。

第四に、DiagonalさんがP.S.2で書いていることは外れてはいないと思います。国際数学者会議(ICM)講演の姉妹論文におけるBuzzard氏の「clearly not accepted in general」について、BSscddさんはコメント依頼で「『完全に』と同じです」とおっしゃったわけで、「受け入れない者もいたがコンセンサスとなった」例を挙げることが不適切とは感じません。私の意見としては、「完全ではない」というのは「広く受け入れられているが否定する少数派もいる」というニュアンスですが、Buzzard教授は「広く受け入れられている」を否定しているのです、といったところです。

第五に、


さて、私が貼ったBuzzard教授の連続ツイート(再掲)を訳しました。前後のコンピュータによる証明検証に関する点は省いています。「望月の論文は出版されたが詳細が欠落している。他の数学者はその詳細を論文から再構築できておらず、望月はただ私たちにもっと努力するように伝えてくる。ただ(他の数学者にとって)そのモチベーションを見つけるのは難しい。何人かの(some)非常に賢い数学者たちがすでに非常に懸命に働き、見つけ出せなかったからだ。望月自身はそれをしない。自分の仕事ではないと言っている。ゆえに基本的に状況は停滞している。」というものです。これも、ICMで講演する人がこう言っている、という「数学界全体でどのような状況なのか」に参考になるツイートだと思ったので紹介したわけです。むろん、論文を理解し、Kodai Math.へ掲載された論文の共著者となった方々がいるじゃないか、という反論はあるでしょうが。