- エンジェルフードケーキとは、19世紀の手動泡立て器の発明によって、アメリカで人気になったケーキの種類である。エンジェルフードケーキはエンジェルケーキとも呼ばれている。その白い色と空気のような軽さから、天使の食べ物とも言われている。ベーキングパウダーの発明によって、多くの新しいケーキがアメリカで作られるようになり、その中で誕生したチョコレートデビルフードケーキは、エンジェルフードケーキとは対極的な存在のケーキである。エンジェルフードケーキはホイップケーキの一種であるのに対し、デビルフードケーキはバターケーキの一種である。
- エンジェルフードケーキには、固まる前のホイップされた卵白に、他の材料をへらで切るようにゆっくりと混ぜ合わせる事が必要である。ケーキをよく膨らませるために、小麦粉を使うのが便利である。この脂質のない材料により、とても軽い生地と味が生まれる。その見た目はまるでコットンのようである。刃先の硬いナイフでは、ケーキは薄切れにならず、むしろ圧縮されてつぶれてしまうので、エンジェルフードケーキを切る時は、刃先がギザギザの柔らかいナイフを使うのが好ましい。またそれがなければ、代わりにフォークなどが好ましい。
- エンジェルフードケーキは通常チューブパンと呼ばれる、底が深くてケーキの中央に穴が空くように側面が突き上がっているケーキ用の鍋で作られる。ブンデュパンも同様に用いられるが、側面が曲がっているため、ケーキを鍋から取り出すのが難しい。鍋の中央の突き上がった管は、ケーキの生地が鍋の全ての側面にくっつく事で、ケーキの厚みがより増すように付けられている。他のケーキと違い、エンジェルフードケーキはケーキの厚みをより増すために、鍋の側面にバターは塗らない。ケーキを焼き上げた後、ケーキが型崩れするのを防ぐために冷ましている間、ケーキ鍋をひっくり返してケーキを取り出す。エンジェルフードケーキには時々糖衣えおかぶせるが、たいていは果物のソースを上にかける。こうやって照りをソースによってつけるのが一般的である。新鮮なカットイチゴを上にのせたり、ホイップクリームを塗ったりする人もいる。最近では多くのシェフ達がケーキに香辛料としてメースやにんにくの欠片を添えて、より香りをよくする試みがなされ、エンジェルフードケーキはより香り高いケーキになってきている。
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