コンテンツにスキップ

利用者:Meauk/政治的信条/天皇制

ここでは、日本国における天皇制について、私が思うところを述べている。

天皇制の存在[編集]

現状維持されている状況下において、その存在は認める。積極的に賛成や反対をするものではなく、あくまで中立的な立場をとる。

天皇の先祖について[編集]

国号を「日本」とし、称号を「天皇」としたように、直接的に現代に繋がる流れを作ったのは天武天皇である(と言われる)。さらに、歴史学によれば、彼は神武天皇が初代天皇であるなどと言った日本神話を含む『日本書紀』と『古事記』を記すことも命じたという。従って、彼の代以降に天皇と称された者はそれとして認めるが、彼より前の代に在ったとされる者は、「天皇という名称が用いられていない」か「極めて神話的・神道的である」といういずれかの理由によって、天皇として扱うことに反対する。

天皇は国家元首であるか[編集]

西暦1947年5月3日に施行された現行の日本国憲法下で、「天皇は国家元首であるか」に対する個人的な答えは「YES」であり「NO」である。

現代日本は、純粋な君主国ではなく、君主制という側面と共に民主制という側面を持っているからである。ここで、前者は天武天皇の時から在るネーション的日本を、後者は第二次世界大戦後から在るステート的日本を意味している。なお、大日本帝国では、立憲君主制権威主義によって、ネーション的日本をほぼそのままステート的日本として扱ったようである(もちろん、現代日本にも立憲君主制は引き継がれている)。

元首格貸借論[編集]

現代日本は前項のような状況下にあるが、それに適合するであろう理論として『元首格貸借論』(格は「資格」「地位」の意味)を支持する。それは、天皇(ネーション的日本の代表者)と内閣総理大臣(ステート的日本の代表者)との間にある関係を表すものであり、権利義務によって示すならば次のような表となる。

義務 権利
天皇 元首格貸与義務 元首格回収権
内閣総理大臣 元首格返還義務 元首格借用権

「天皇が内閣総理大臣に元首格を貸与すること」については日本国憲法第6条第1項「天皇が内閣総理大臣を任命すること」を、「内閣総理大臣が天皇に元首格を返還すること」については日本国憲法第71条「新たに別の内閣総理大臣が任命されること」を意味する。基本的な流れとしては

  1. 天皇が義務によって元首格を貸与し、
  2. 内閣総理大臣が権利によって元首格を借用し、
  3. 天皇が権利によって元首格を回収する=内閣総理大臣が義務によって元首格を返還する

と言える。

ところで、日本国憲法第6条第2項「天皇が最高裁判所長官を任命すること」によって最高裁判所長官が元首であるか否かを問われるならば、その答えは「全くその可能性はない」である。なぜならば、内閣総理大臣の場合と異なり、その任命という過程において、内閣、すなわち「内閣総理大臣がその過半数を国会議員から任命する国務大臣を有する行政機関」(日本国憲法第68条第1項、日本国憲法第65条)が指名しているからである。言い換えれば、主権者である日本国民は日本国民でも内閣以外の意思が直接的にはその任命に反映されないということである。一方、内閣総理大臣は、文民日本国憲法第66条第2項)にして国会議員たる者の中から国会の議決により指名され(日本国憲法第67条第1項)、これに基いて天皇によって任命される(日本国憲法第6条)わけだが、任命者たる天皇と指名者たる国会の両者には、以下のように主権者たる日本国民の意思が直接表れていることが確認できる。さらに構造主義的な類似性も分かる。よって、最高裁判所長官ではなく内閣総理大臣が元首格を持ち得るのである。

  • 天皇:日本国憲法第1条「日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」
    • 天皇は、日本国民統合の象徴と呼ばれて日本国民を超越しているようであるが、実際は他の日本国民と同様に憲法によって縛られている。
    • 「日本国民の総意」とは、日本国民全員の意思を意味する。
  • 国会:日本国憲法第41条「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」
    • 国会は、最高機関と呼ばれて権力分立に関わる他の機関(行政機関、司法機関)を超越しているようであるが、実際はそれらの機関と同様に相互抑制・均衡の関係にある。
    • 「国権」とは、究極的には主権者たる国民(日本国憲法第1条)の意思に権威を求める国家権力を意味する。

話を戻して、権利と義務について言及する。実は、それらの権利と義務は陰陽思想で言うところの陰と陽のように相対的に存在するものである。具体的には、次のような対応関係にある。

  • 「元首格貸与義務」と「元首格借用権」
  • 「元首格回収権」と「元首格返還義務」

天皇は元首格貸与義務と元首格回収権を持っている点で元首格に関して「根源的」である。というのは、大日本帝国憲法下の近代日本でも天皇はその義務と権利を持っており、そのそれぞれに対応する権利と義務、つまり元首格借用権と元首格返還義務をも持っていたからである。これはちょうど陰陽思想の太極に相当する(元首格が一人の内に在り続ける時、上記の全ての権利と義務は欠けることなく一体化するが、それに依る元首格を「純粋元首格」と呼ぶ)。日本国憲法が施行されてから、天皇は内閣総理大臣に対して元首格借用権と元首格返還義務を与えた。これによって、ネーション的日本の代表者たる「天皇」とステート的日本の代表者たる「内閣総理大臣」が陰と陽のように相対的に在って共存できるようになったのである。なお、天皇は元首格に関して根源的であるために、外交慣例上は元首として扱われ、また、元首格の所有権者である。同様に、内閣総理大臣は元首格の占有権者である。

将来の可能性として二つの場合を仮定した時、それぞれに対する元首格貸借論的な解釈は次の通りである。

  1. 日本が民主主義国家ではなくなった場合
    1. 内閣総理大臣が元首格借用権を放棄したものと見なす。
    2. 天皇は自身の中に純粋元首格を有する。
  2. 天皇制が廃止となった場合
    1. 天皇が元首格回収権を放棄したものと見なす。
    2. 内閣総理大臣は自身の中に純粋元首格を有する。