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利用者:Mkb/バスのシャーシの見分け方

バスの型式や排ガス規制については、非常に見分けるポイントが難しく毎回苦労します。バスの型式(形式ではないので注意)は、ホイルベース、サスペンション、エンジン(高出力エンジンか標準出力エンジンか)など、様々に変化します。ホイルベースは窓の数などで大体わかるのですが、サスペンションのエアサスと板バネの違い(路線車に限る)は乗ってみるか、ホイルハウスをのぞき込むか、プレートを見るしかありません。ただし近年は、低床化の影響でエアサスのみのバスが殆どなので以前ほどは苦労しません。また排ガス規制がP-かU-かKC-かKL-KK-かそれ以降かは、外観からもわかるケースがありますが、それほど大きな差異はありません。全く外観からは見当がつかないケースも多数あります。 エンジンも、見分けるポイントが無いケースも多く、型式のプレートを見るか、エンジン音の微妙な差を聞き分けるぐらいしか方法がありません。

さらにバスの場合、同じボディでもシャーシのメーカーが異なる場合があります。これは富士と西工の車体が複数のメーカーのシャーシに架装されていたためです。これらのシャーシメーカーを見分けるのは苦労しますが、法則性があり、バス後部の開口部(通称ルーバー)を見ることにより、大体のシャーシや型式の見当がつきます。

以下に具体的な例を挙げていきます。

富士重工製大型路線車7Eの場合[編集]

日産ディーゼル車[編集]

U/UA系の場合、ルーバーは右側(運転席側)にあります。形は普通の正方形です。

ただし、都営向けのリフト付き超低床バスには、一部左側にルーバーがある車両があります。ただし特殊な仕様のため、いすゞ車とすぐに見分けられると思います。

いすゞ車の場合[編集]

LV系の場合、ルーバーがは左側(ドア側)にあります。これはいすゞ車の伝統的な特徴です。なおルーバーの形は後ろドアの有無によって変化します。ルーバーが右にあれば、富士の場合ほぼ100%いすゞLV系と判断して間違いありません。

富士ではKL-LV834系、つまりエルガType-Bシャーシに架装した例がありますが、今のところ京成と東武バスのみの在籍です。両社は日デUA系のFタイプを導入していませんので(少なくとも京成は)、後部に垂直横置き搭載されたエンジンのバスならエルガシャーシと判断して良いと思います。

日野車の場合[編集]

HT/HU系の場合日野車体製と同じく、ポリタンク形のルーバーが右側(運転席側)にあります。日野はブルーリボンシティからルーバーの形が変わりますが、富士はKC-車までなので、問題ありません。

富士-日野の組み合わせは、富士-三菱ほど少なくありませんが、こちらも限られたユーザーが導入しており、代表的なところでは遠州鉄道、京都バス、大分バス、東武あたりが大口になります。

三菱車の場合[編集]

MP2/6系の場合、ルーバーは右側(運転席側)にあります。形は不等辺四辺形ですが、日デに似ており注意が必要です。ただし、三菱車の場合、後ろ側のナンバープレートの取り付け位置が右側にオフセットされています。また後ろ側には特徴的な鈎形の出っ張りがあり、容易に判別が可能です。出っ張りについてはこちらも参照。なお、富士ではMP3/7系は架装していません。

ただし富士-三菱の組み合わせはMP2/6系移行後は非常に少なく、京成電鉄(一部は関東鉄道移籍)や広島バス、江ノ島電鉄、小湊鉄道など限られた事業者のみが導入していますので、それほど遭遇することは無いと思われます。


西日本車体工業製大型路線車58MC/96MCの場合[編集]

日産ディーゼル車の場合[編集]

U/UA系の場合、U-車以降の場合、田形のルーバーが右側(運転席側)にあります。ただし、フルフラットノンステのNタイプの場合、初期の京都市向けを除いて田形ルーパーではなく、三分割のルーバーになります。なおKL-車の場合、田形ルーバーの後ろに細い縦のルーバーが入ります。

新長期排出ガス規制適合車(ADG-RA273A系)以降の場合は、田形のルーバーが左右の両側につきます。あと、平成18年灯火器類保安基準適合のため、リアコンビネーションランプが縦並びになっています。

三菱ふそう車の場合[編集]

MP2/6系の場合、後部に出っ張りがあります。出っ張りについてはこちらも参照。MP2/6系は殆どの場合、58MCが架装されていますが、わずかに96MCが架装された例があります。なおMP2/6系-96MCの導入先は、把握分では阪神電鉄と阪急バス、金剛自動車です。

MP3/7系(ニューエアロスターシャーシ)からは後部に出っ張りが無くなります。ルーバーは右側上下2分割で左下が欠けています。

なおノンステップバスにも架装していますが、こちらはルーバーが左側になります。ただし同じ左側のいすゞLV系とは形が異なり、LV系よりも大きく上下3分割となっています。導入先の大口は京都市と阪急バスで、それ以外の導入先の把握分は、西鉄、熊本電鉄、北九州市交通局、大阪市、明石市などです。

いすゞ車の場合[編集]

いすゞLV系の場合、KL-車までは左側(ドア側)にルーバーがつきます。日野の一部に左側にルーバーが付く形態が見られますが、殆どの場合はいすゞ車で間違いないと思います。

新短期規制車(PJ-車)以降は、右側(運転席側)にルーバーが変わっています。屋根上のクーラーがKL-車までのものと異なり、リアのフラッシャーが日産ディーゼルとは異なる、2連の角形なのが見分けるポイントです。

一部でLV8系フルフラットノンステに架装した例がありますが、西工では本格的なフルラットノンステへの架装はこれ以外例がありません。導入先も京都市と大阪市のみです。


日野車の場合[編集]

HT/HU系の場合、ルーバーが右側(運転席側)にあります。形は純正車体や、富士と同じポリタンク形の場合もありますが、多くは大きいルーパーの左上に小さいルーバーがある形になります。それ以前の、HT/HU22系(RC用のエンジンをRT/RU22系の車体に搭載した系列)や、日野車体ではモノコックボディになるRC系にスケルトンボディの58MCを架装した例もありますが、これらは殆ど現存していないと思われます。

RT/RU22系にも架装していますが、こちらは左側(ドア側)にルーバーがつきます。こちらも殆ど現存していないと思われます。

後期形HIMRにもわずかに架装していますが、こちらの場合もは左側(ドア側)にルーバーがつきます。阪急バス以外では導入例が無く、低公害車の表記もあるため見分けられます。

KL-車以降はルーバーが三菱ふそうと似た形になりますが、ふそうに比べ高い位置にあり完全な四角形です。またリアのフラッシャーが低めなのが日野車の特徴です。導入は極めて少なく、西鉄と九州産業交通が知られています。