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『大乗五蘊論』(だいじょうごうんろん、サンスクリット: Pañcaskandhaka)は、インドの仏教論書で、世親が五蘊説をベースに唯識の説を簡潔にまとめたもの。
テキスト
[編集]現在、サンスクリット本、漢訳、チベット語訳が伝わっている。
漢訳には玄奘訳以外に、
漢訳
内容
[編集]五蘊に加えて十二処・十八界についても述べられている。五蘊・十二処・十八界であげられている項目をあわせると概ね五位百法に対応するが、一部異なる部分がある(五位百法では四大種を数えない、心不相応行法や無為法の数が少ない、など)。
- 色蘊(物質的なもの)
- 四大種(四つの元素): 地界・水界・火界・風界
- 四大種所造色(四つの元素から作られたもの)
- 五根(五つの感覚器官): 眼根・耳根・鼻根・舌根・身根
- 五境(五つの認識対象): 色・声・香・味・所触一分
- 無表色(表われない物質的なもの)
- 受蘊(感受): 心所法のなかの受
- 想蘊(概念化): 心所法のなかの想
- 行蘊(形成作用)
- 心所法
- 遍行: 触・作意・受・想・思
- 別境: 欲・勝解・念・三摩地・慧
- 善: 信・慚・愧・無貪善根・ 無瞋善根・無癡善根・精進・軽安・不放逸・捨・不害
- 煩悩: 貪・瞋・慢・無明・見・疑
- 随煩悩: 忿・恨・ 覆・悩・嫉・慳・誑・諂・憍・害・無慚・無愧・惛沈・掉挙・不信・懈怠・放逸・忘念・散 乱・不正知
- 不定: 悪作・睡眠・尋・伺
- 心不相応行法(心と関連がないもの): 得・無想等至・滅尽等至・無想所有・命根・衆同分・生・老・住・無常・名身・ 句身・文身・異生性
- 心所法
- 識蘊
- 識の説明
- 最勝心(アーラヤ識)
- 最勝意(マナ識)
- 「蘊」の説明
- 十二処
- 五蘊と十二処との対応
- 無為法
- 「処」の説明
- 十八界
- 五蘊と十八界の対応
- 五蘊と十二処・十八界との対応
- 五蘊・十二処・十八界がとかれた理由
- 十八界の分類: 有色・有見・有対・有漏・界繋・五蘊・三性・内外・有縁・分別・執受・同分
注釈書
[編集]参考文献
[編集]- V. V. Gokhale (1937). "Pañcaskandhaka by Vasubandhu and its commentary by Sthiramati." Annals of the Bhandarkar Oriental Research Institute, Vol. 18, Pt. 3. pp. 276-286.
- Shanti Bhikshu Shastri (1956). "Pancaskandhaprakaraṇa of Vasubandhu." Indian Historical Quarterly 32, pp. 368-385.
- Shanti Bhikshu Shastri (1969). Pancaskandhaprakaraṇa of Vasubandhu: A Restitution into Sanskrit from the Tibetan Version together with an Introduction, English translation, Notes, a Tibetan-Sanskrit vocabulary and an Index of important Sanskrit Words. Kelaniya.
- Jean Dantinne (1980). Le Traite des Cinq Agregates (Pancaskandhaprakarana de Vasubandhu). Publication de l'Institut Belge des Hautes Etudes Bouddhiques, Bruxelles, Belgium.
- Stefan Anacker (1984). Seven Works Of Vasubandhu: The Buddhist Psychological Doctor. Motilal.
- 瀧川郁久(1996)「世親の『五蘊論』――校訂テキストとリファレンス――」(『論叢 アジアの文化と思想』5)
- 室寺義仁(2000)「ヴァスバンドゥによる「識」理解」(『アビダルマ仏教とインド思想 加藤純章博士還暦記念論集』春秋社)
- 上野康弘(2005a)「スティラマティの習気論―七転第八互為因果の解釈をめぐる諸問題(『密教文化』215)
- 上野康弘(2005b)「転変とātmâtiśaya 安慧著『五蘊論注』における転変解釈」(『印度學佛教學研究』53-2)
- 箕浦暁雄(2005)「スティラマティ『五蘊論釈』和訳 行蘊(1)」(『仏教とジャイナ教 長崎法潤博士古稀記念論集』平楽寺書店)
- Li Xuezhu et al (2008). Vasubandhu's Pañcaskandhaka, critically edited by Li Xuezhu and Ernst Steinkellner with a contribution by Toru Tomabechi. 中国蔵学研究中心, Austrian Academy of Sciences Press.
- Artemus B. Engle (2009). The Inner Science Of Buddhist Practice: Vasubhandu's Summary Of The Five Heaps With Commentary By Sthiramati. New York: Snow Lion Publications.
- チベット訳からの全文英訳
- 箕浦暁雄(2009)「書評・紹介 Vasubandhu's Pancaskandhaka, critically edited by Li Xuezhu and Ernst Steinkellner with a contribution by Toru Tomabechi」(『佛教学セミナー』89)
- 室寺義仁(2010)「思想の深化」(『新アジア仏教史03 インドIII 仏典からみた仏教世界』佼成出版社、ISBN 4333024315)
- 識蘊の和訳
- 松田和信(2010)「五蘊論スティラマティ疏に見られるアーラヤ識の存在論証」(『インド論理学研究』1)
- 梵本(未公刊)からの和訳
- Jowita Kramer (2013). "The Concept of the Person According to the Pañcaskandhakavibhāṣā.” (『2013年第一屆慈宗国際学術論壇論文集』)