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ケーブル理論とは神経細胞膜を流れる電流やそれに伴って発生する電位の時間的空間的特性を数学的に記述したもので、主にシナプス入力を受けている樹状突起などの受動的特性を持った部位のモデル化に使用される。 ケーブル理論では、樹状突起や軸索を円柱の連なりにより近似し、さらにその円柱を容量と、抵抗の並列接続により表現する。 この時、容量成分は細胞膜を構成する脂質二重層に、神経線維と同じ方向に挿入される抵抗成分は、軸索原形質における電荷の移動しにくさに起因している。
歴史
[編集]計算神経科学におけるケーブル理論の元は、 後にケルビン卿として知られるウィリアム・トムソンが、海底ケーブルにおける信号の減衰を数学的にモデル化した1850年代に遡る。 このモデルは、フーリエが記述した熱伝導方程式に似ていた。 しかし、 さらに、コールやホジキン、Offner、ラシュトンにより、神経線維のコンダクタンスを基盤としたケーブル方程式が完成された。
神経線維の電位がケーブル方程式に従うという実験的な証拠は、1930年代にColeやCurtis, Hodgkin, Katz, Rushton, Tasakiらによってもたらされた。 この時代の主要な文献としては、Davis and Lorente de Nó (1947) and Hodgkin and Rushton (1946)が挙げられる。
1950年代は単一神経細胞の電気的活動を測定する技術が飛躍的に発達した時期であった。そのため、細胞内記録を元に樹状突起の電気的特性を記述するため、 ケーブル理論の重要性が高まった。 Coombs, Eccles, Fatt, Frank, Fuortesといった科学者らは、ケーブル理論を元に、多くの神経細胞に対する機能的な示唆や、実験デザインのアイディアを得た。
その後、Jack, Rall, Redman, Rinzel, Idan, Segev, Tuckwell, Bell, Iannnellaらによりケーブル理論は発展・洗練されたモデルとなった。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 川人光男『脳の計算理論』産業図書 ISBN 4-7828-1514-X
- Poznanski, Roman R. (2013). Mathematical Neuroscience. San Diego [California]: Academic Press
- Tuckwell, Henry C. (1988). Introduction to theoretical neurobiology. Cambridge [Cambridgeshire]: Cambridge University Press. ISBN 978-0521350969
- de Nó, Rafael Lorente (1947). A study of nerve physiology. Studies from the Rockefeller Institute for Medical Research. Reprints. Rockefeller Institute for Medical Research. pp. Part I, 131:1-496; Part II, 132:1-548. OCLC 6217290
- Lazarevich, Ivan A.; Kazantsev, Victor B. (2013). “Dendritic signal transition induced by intracellular charge in inhomogeneties”. Phys. Rev. E 88. arXiv:1308.0821. doi:10.1103/PhysRevE.88.062718.