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利用者:Neo chemistry/sandbox


操作手順の再現に耐えるよう詳しくしてみました。 ただ、現状が独自研究に近く、独自研究を独自研究で置き換えても良くないので、。 レイアウトも改善の余地があります。

シリカゲルカラムクロマトグラフィー[編集]

シリカゲルを充填剤として用いる。 典型的なカラムは内径50 mm、長さ50 cmほどのガラス製の筒で、出口は細長く伸びており、その途中に設けられたコックの開閉によって流速を調節する。

方法[編集]

  1. カラムの出口の内側から脱脂綿を詰める。脱脂綿を適当な大きさ(小指大など)に丸め、カラムの上から投げ入れ、細い棒を用いてコックの上部に詰める。
  2. 出口を下にし、カラムを鉛直に立てる。
  3. コックを閉じ、展開溶媒を適量入れ、カラムの径が一定になるところまで海砂または炭酸ナトリウムなどを詰める。このとき海砂等の上面が平らになるように注意する。
  4. 別の容器にシリカゲルを適量(分離する化合物の重量の20倍程度)取り、展開溶媒を入れてよく混ぜる。
  5. カラム内に(4)を移す。シリカゲルの上面が崩れないようにゆっくりと入れる。緩衝剤としてカラム内数cmの高さまで展開溶媒を加えておくと良い。
  6. コックを開いて展開溶媒を流しながら、カラムの側面を手で叩くなどしてシリカゲルが密に詰まるようにする。必要に応じて展開溶媒を加え、これを繰り返す。
  7. 展開溶媒の液面がシリカゲルの上面ぎりぎりになったら、コックを閉じる。
  8. カラムの出口の高さを調節する。溶出液を集める容器の内壁に出口が自然に当たり、容器を容易に取り替えられるような高さに調節するとよい。
  9. 分離したい混合物を少量の展開溶媒に溶かし、シリカゲルの上面に滴下する。このときもシリカゲルの上面が崩れないように注意する。
    1. 先の長いパスツールピペット等を用い、先端をできるだけシリカゲルの上面に近づけて加えるとよい。
    2. あらかじめ海砂などを敷いておくとシリカゲルの上面が崩れにくいが、この際も当然ゆっくりと行わなければならない。
  10. コックを開き、混合物溶液がシリカゲルに染み込んだら、展開溶媒を大量に加え、コックを開き、カラムの出口から出てくる溶出液を試験管などに一定量ずつに分け、フラクションとする。
    1. このとき上から圧力をかけることでフラッシュカラムクロマトグラフィーになる。精製が短時間で済み、かつスポットが拡散する前に流出させることができるため、分離能も保つことができる。ただし、混合物に含まれる高極性成分によって、混合物が分離せず一気に流出することがあるため、高極性成分が大量に含まれる場合は、最初の10分程度は圧力をかけずに待ち、高極性成分をある程度拡散させると良い。
    2. ひとつのフラクションをとり終わったら、コックをしぼって流速をできる限り落とし、溶出液が滴下される間に容器を取り替える。流出を完全に止めてはならない。拡散が進み、分離能が低下する。
    3. 展開溶媒をこまめに補給する。液面がシリカゲルの上面に達すると、シリカゲルに気泡が入り、分離能が低下する。
    4. 液だめ(写真上部)を用いると、大量の溶媒を2, 3回補給するだけで済むため、便利である。
  11. それぞれのフラクションを毛細管に少量とり、TLCプレートに打って成分を確認する。同じ Rf 値を持つフラクション、すなわち同じ極性の成分を集め、エバポレーター等で濃縮する。フラクションコレクター装置を使うとより便利である。
    1. できれば、流出させながら行うと効率的であろう。なかなか目的物が流出しない場合は、展開溶媒の極性を上げるとよい場合もある。
    2. 純粋な目的物を、不純なフラクションと混ぜない方が良い。
    3. 目的物と不純物が混じっているフラクションも、流出順にいくつかのグループに分けると、目的物が多い部分が見つかり、うまく精製できるかもしれない。
  12. 目的物の流出が終わったら、カラムに残った溶媒を流し出す。
    1. 溶媒をポンプなどで完全に押し出し、カラムを逆さにして放置すると自然にシリカゲルが落下し、容易に片付けることができる。
  13. うまく単一の化合物になっているかNMR等で確認する。純度が低い場合や、回収率が低い場合などは、展開溶媒等の条件を変えるか、フラクションを取捨選択するかして、再度カラム精製する。不純物が微量であれば、蒸留・再結晶等で精製できないか検討する。目的物が微量ならば、回収する必要は無いかもしれない。

充填剤[編集]

充填剤には基本的にシリカゲルを用いるが、シリカゲルは酸性であるために酸に弱い化合物が壊れてしまうという欠点がある。そのような場合には中性シリカゲルやアルミナを用いたり、展開溶媒に塩基を加えたりすることもある。

展開溶媒[編集]

展開溶媒はTLC分析において目的物のRf値が0.3程度となるものか、目的物と不純物のRf値が異なり、スポットが十分に分かれるものを用いる。 一種類の溶媒のみを使うこともあるが、一般には複数の溶媒の混合溶媒を用い、その比率を変えることで極性を調整し、適切なRf値を実現する。よく用いられる溶媒系はヘキサン-酢酸エチル、ヘキサン-ジクロロメタン、クロロホルム-メタノール(いずれも後者がより高極性)などである。また、途中で混合溶媒の比率を変える(無修飾シリカカラムなどの順相カラムの場合は極性を上げる)ことで、目的物がカラム内に拡散し分離能が低下する前に流しだして回収することができ、また、Rf値の小さい成分も流れてくるようになる。一見極性が同程度であっても、用いる溶媒系によってRf値は変わるので、分かれにくい時は別の溶媒系を試してみるとうまくいくことがある。

まぶしカラム[編集]

化合物によっては、溶解性が低くジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒やDMFなどの高極性溶媒にしか溶けないにもかかわらず、それらの溶媒ではRf値が高すぎて十分に分離できないものがある。そのような場合、目的物を含む溶液をシリカゲルなどの少量の担体と混合し、エバポレーターで溶媒を留去して吸着させ、これを前述の方法で組み立てたカラムに乗せ、ヘキサンなどで展開させる方法がある。これをまぶしカラムという。