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利用者:Nn246/sandbox

捜索および船体引揚げの経過
日付 内容
4月23日
最初に現場にて捜索活動を開始したのは、海上保安庁ヘリコプターで、13時22分には最寄りの釧路航空基地に出動指示が出された。しかし、当時は所属ヘリ2機のうち1機が整備中、もう1機は遠方の海域で哨戒業務中で、救助活動を行うにあたって燃料の補給と潜水士を同乗させる必要があった。このため、14時38分に釧路航空基地へいったん帰投、給油活動および2人の潜水士を同乗させたのちに15時20分に基地を出発し、最終的に現場に到着したのは通報から約3時間後の16時30分頃となった。このことは、海保の航空機配備数を見直すきかっけとなった(事故の影響の項参照)。以後、海上保安庁のヘリコプター2機、北海道警察のヘリコプター1機が現場海域付近の捜索を18時30分まで実施した。現場から約300km離れた海上保安庁千歳航空基地からも固定翼機が投入されたが、到着は18時15分頃だった。
また、13時22分頃に巡視船出動の指示を行ったが、高波のため通常の速力が出せず、捜索活動の開始に時間を要した。17時55分、根室海上保安部「くなしり」、18時50分、羅臼海上保安署「てしお」、19時30分、紋別海上保安部「そらち」が現場海域に到着し、それぞれ捜索を実施。
その後、第一管区海上保安本部本部長は、19時40分に千歳基地航空自衛隊第2航空団司令に対して捜索救難に係る災害派遣要請を行った。これを受け、千歳救難隊および救難教育隊U-125A救難捜索機、それぞれ1機が20時29分以降現場到着、捜索を開始したほか、海上自衛隊第2航空群所属のP-3C哨戒機2機が23時44分以降、捜索を開始した。海上保安庁の巡視船艇7隻、航空機2機による捜索は24時間体制で実施された。しかし天候不良により捜索は難航し、この日行方不明者は発見されなかった。
24日
空自の千歳救難隊および救難教育隊所属U-125A、海自の第2航空群所属P-3Cは日付が変わって以降も捜索を継続。0時10分、海自第14護衛隊所属の護衛艦せんだい」は寄港中であった大湊基地から捜索のため出港した。その他7時39分以降、空自の千歳救難隊所属UH-60J救難ヘリコプター1機が捜索を開始。各種対策本部等にリアルタイムで現場の状況を伝えるために、7時45分以降、陸上自衛隊北部方面航空隊所属UH-1J多用途ヘリコプター2機が映像伝送を開始。8時1分、千歳救難隊所属UH-60J救難ヘリコプターが行方不明者1名を発見、同24分に収容完了。9時27分以降、空自秋田救難隊所属のUH-60J救難ヘリコプター、1機が捜索を開始。10時11分、海保が発見した行方不明者を千歳救難隊所属UH-60J救難ヘリコプターが収容。12時55分以降、レーダー覆域の補完及び通信中継のため、空自のE-2早期警戒管制機が運用開始。海上保安庁は巡視船艇6隻、航空機3機、ヘリコプター4機、北海道警察はヘリコプター1機、北海道は防災ヘリコプター1機、漁業取締船1隻が捜索を実施。また、この日から地元の漁船や事故と関係のない観光船などによる捜索も始まった。
この日は、5時過ぎに知床岬突端沖で警察の航空機により最初の行方不明者が発見されたのを皮切りに、知床岬の岩場付近で10人、知床岬灯台から東側約14キロメートルの沖合で子供1人の合計11名が発見された(先述の自衛隊による収容を含む)ものの、11人全員の死亡が確認された。残る15名は行方不明のため、捜索が継続された。
【当日の行方不明者搬送の動き】
  • 5時4分 北海道警ヘリが2名を救出。
  • 5時55分 斜里町立知床ウトロ学校(小中学校)へ搬送、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、病院へ搬送。
  • 6時30分 北海道警ヘリで2名救出、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、病院へ搬送。
  • 7時00分 海上保安庁ヘリで2名を救出、斜里町陸上競技場に搬送、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、病院へ搬送。
  • 7時30分 海上保安庁ヘリで2名を救出、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、ウトロ支所(DMAT 所在)へ搬送。
  • 8時24分 航空自衛隊ヘリで1名を救出、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、ウトロ支所へ搬送。
  • 10時11分 航空自衛隊ヘリで1名を救出、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、ウトロ支所へ搬送。
  • 23時10分 海上保安庁巡視船で1名救出、斜里消防の救急隊に引き継ぎ、病院へ搬送。
25日
2時42分、海自第14護衛隊の護衛艦「せんだい」が現場に到着し捜索を開始。その他5時29分以降、空自の千歳救難隊及び秋田救難隊のUH-60J救難ヘリコプター計2機が捜索を実施した。7時20分以降、陸自の北部方面航空隊のUH-1J多用途ヘリコプター2機が映像伝送を開始。8時30分以降、海自の第2航空群のP-3C哨戒機1機が捜索を開始。10時25分時点で、空自飛行警戒監視群所属のE-2早期警戒管制機1機が活動を実施。12時28分以降、空自飛行警戒管制群のE-767早期警戒管制機1機が活動を開始。14時23分以降、空自の千歳救難隊のU-125A救難捜索機1機が捜索を実施。海上保安庁は巡視船艇6隻、航空機1機、ヘリコプター4機、北海道警察はヘリコプター1機、警備艇2隻、北海道は漁業取締船1隻が捜索を実施。また、漁船や観光船などによる捜索活動が引き続き行われた。
この日はKAZU Iのものとみられる浮き輪等は見つかったものの、行方不明者の発見はなかった。
一方海上保安庁は、乗客の携帯電話の反応が一切なかったため、船は沈没した可能性があるとして、ソナーなどを用いた捜索を急ぐとした。