コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:Omotecho/Centennial Range

 

センテニアル山系
Centennial Range
最高地点
山頂センテニアルピーク英語版
標高3,820 m (12,530 ft)
総称
座標北緯60度56分48秒 西経140度43分17秒 / 北緯60.94667度 西経140.72139度 / 60.94667; -140.72139
規模
面積341 km2 (132 sq mi)
地形
カナダの旗 カナダ
準州ユーコン
山脈座標北緯60度58分 西経140度39分 / 北緯60.967度 西経140.650度 / 60.967; -140.650座標: 北緯60度58分 西経140度39分 / 北緯60.967度 西経140.650度 / 60.967; -140.650[1]
プロジェクト 山

センテニアル山系(センテニアルさんけい : Centennial Range)とは、カナダのセントイライアス山脈の山系の一つ。ユーコン準州最西端に位置するクルアニ国立公園・保護区英語版に含まれる。命名の由来は1967年に迎えたカナダ建国100周年英語版であり、主峰14を数える[1]。当時、ヌナブト準州はまだカナダ領ではなかったため除外し、14の嶺は全てカナダの州の名前を頂き[2]、最高峰はセンテニアル峰という。建国祝いの一環としてユーコン高山100周年探検(Yukon Alpine Centennial Expedition)が指揮され、同年、9座の山頂を登攀した[3]


地理

[編集]
センテニアル山系の地形図

セントイライアス山脈はカナダの最高峰で、北アメリカ大陸では隣接するアラスカ山脈に次ぐ第2位の高さを誇る。西のアラスカ州アメリカ合衆国)、南北にカナダのユーコン準州とブリティッシュコロンビア州が境を接する地点に広がる。この山系の南にローガン山、東にルカニア山がある。近隣の山頂はマウント・スティールとルカニア山など海抜5000m超であり、対照的にこの山系は4000m峰すらなく最高点は3820mである[4][5]。山系全体はクルアニ国立公園と同保護区の指定範囲に収まる。

この山系はほぼ東から西に走り、南北をウォルシュ氷河とキティナ氷河に挟まれている[6]。センテニアル峰と、バフィン島にちなんで名付けられたバフィン山を例外として、いずれの山頂もカナダの州と準州にちなんで命名された。その東西の順序は由来となった名称の地理的位置に大まかに対応し、最東端のノバスコシア山から順に最も西のノースウェスト山まで連なる。ただしヌナブト準州は山頂の名前が決まった1967年時点でカナダ領ではなかったため、同名の山はない[4]

ユーコン高山100周年探検

[編集]

カナダ山岳会(頭字語:ACC=英: Alpine Club of Canada)はカナダを代表する登山家の団体。1963年以来、セイントイライアス山地の遠隔峰の探検に関心をいだき、1967年にカナダ建国100周年と隣国アメリカのアラスカ購入100周年が重なることから、アメリカ山岳会(American Alpine Club)と合同で記念の探検事業を発案した。当時のカナダ山岳会長はカナダ政府に働きかけると、1965年に連邦100年祭委員会との協議が始まり、建国の節目の年に国がもよおすであろう祭典の一環として登山隊の派遣をするかどうか協議が始まる。1966年に連邦政府の承認を得て、遠征資金は国が出すと決まった[7]

カナダ山岳会は国内すべての州と準州で地域の名前を冠とした代表登山隊をおくと隊員をつのった。隊ごとにそれぞれの地域の住民を集める決まりだったが、それでは応募者がたりないため、結局は山地の多いブリティッシュコロンビア州出身者で人数を補うと、センテニアル山系への遠征日程は1967年7月下旬、期間は2週間と発表した[7]

ベースキャンプ3ヵ所は、それぞれカナダ国土の特徴を反映して牧畜の「Tボーン」(ステーキ=西部)、大平原の「プレーリー」(カナダ大平原英語版=中央部)、大西洋側(東部)のファンディ湾の「ファンディ」と名付けた。 Tボーンキャンプに集まった登山家はノースウェスト山、ユーコン山、ブリティッシュコロンビア山を目指した。プレーリーキャンプはアルバータ山、サスカチワン山、オンタリオ山、マニトーバ山およびセンテニアル峰行きの登山隊をサポートした。ケベック隊、プリンスエドワードアイランド隊、ニューファンドランド隊、ノバスコシア隊の各登山家は、ファンディキャンプを用いた。登山隊は未知のルートを開き、強風と雨天に苦しめられながらも全部で9隊9座の遠征が成功した[7]。サスカチワン隊は登頂できないまま時間切れを迎えている[8]

主要なピーク

[編集]
凡例:山頂はその位置を西から東へたどって一覧し、標高を添える(訳注:地図で左から右へ)。高さは『フィッシャー報告書』[9]による。

脚注

[編集]

 

  1. ^ a b Coutts 1980, pp. 51.
  2. ^ “A mountain by any other name”. Canadian Geographic. (September–October 2001). http://www.canadiangeographic.ca/magazine/so01/mtn_names.asp 2013年3月14日閲覧。. 
  3. ^ Weekend Magazine (October 7, 1967). “Climbing For The Centennial”. Weekend Magazine. オリジナルの2021-12-14時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211214161149/http://expo67.ncf.ca/climbing_for_the_centennial.html 2021年12月20日閲覧. "End of report. Copyright by the Weekend magazine, Saturday, October 7, 1967. All rights reserved." 
  4. ^ a b Centennial Peak ; Yukon Territory.” [センテニアルピーク] (英語). Bivouac.com. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。14 March 2013閲覧。 “Ranges: Pacific Cordillera / Saint Elias Mountains / Icefield Ranges / Centennial Range.
    • Height: 3820 m -> 12533 feet
    • Prominence?: 980 m
    • Line Parent?: Mount Cabot (10 km away, at bearing 64 degrees)
    • Location: 60.94670, -140.72130 60:56:48, -140:43:17
    • 7V 515099 6756883
    • NTS Mapsheet: 115.C.15
    • First Ascent: 1967
    • This peak is #58 on the Height List for Yukon Territory . This peak is #93 in Prominence List for Yukon Territory . The highest peak in the Centennial Range. Located at the head of the narrow Centennial Glacier.”
  5. ^ Centennial Range” [センテニアル山系] (英語). Bivouac.com. 2021年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。14 March 2013閲覧。
  6. ^ Energy Mines and Resources, Surveys and Mapping Branch; Reports, Canadian Alpine Journal 1968. (1968年). “Climbing routes added by Stan Rosenbaum.”. Centennial Range map that was printed specially for the 1967 expedition.. Government of Canada, Energy Mines and Resources, Surveys and Mapping Branch. 2021年12月20日閲覧。 “All photographs found throughout this collection have been graciously provided by Stan Rosenbaum. Routes followed by climbing teams, superimposed on Centennial Range map that was printed specially for the 1967 expedition. The routes were derived from reports in the Canadian Alpine Journal 1968.”
  7. ^ a b c Reichwein, PearlAnn (September 2011). “Expedition Yukon 1967: Centennial and the Politics of Mountaineering in Kluane”. Canadian Historical Review (University of Toronto Press) 92 (3): 481–514. doi:10.1353/can.2011.0042.  仮題「1967年ユーコン探検:クルアニ登山をめぐる100周年の政情」
  8. ^ “Attempt on Mount Saskatchewan falls short”. カナダ放送協会. (May 26, 2005). http://www.cbc.ca/news/canada/north/attempt-on-mount-saskatchewan-falls-short-1.568521 8 December 2013閲覧。  仮題「サスカチワン山の登頂計画、未遂に終わる」
  9. ^ Fisher 1972, 『Expedition Yukon』.

参考文献

[編集]

本文の出典、主な執筆者名の順。

  • Coutts, Robert C. (1980) (英語). Yukon Places & Names. ブリティッシュコロンビア州シドニー: Gray's Publishing. pp. 51  ISBN 0888260857
  • Fisher, Marnie (1972) (英語). Expedition Yukon. Lord Hunt of Llanvair Waterdine. オンタリオ州ドンミルズ: Thomas Nelson & Sons (Canada). OCLC 1034669731. https://archive.org/details/expeditionyukon00fish , ISBN 9780176350406. 電子書籍

関連項目

[編集]

関連資料

[編集]

本文の典拠ではないもの。出版年順。

  • ブラセイ探検隊Lord John Hunt 卿. Handbook for expeditions: a planning guide. Lord Hunt of Llanvair Waterdine(序文)1971年。(仮題『探検ハンドブック:計画の手引き』)『The Geographical Magazine』(Markham, Clements R.(編)OCLC 561355499)と共同企画。
  • Gesser, Samuel. A folksong portrait of Canada = Un portrait folklorique Canada. Markham : マーキュリー/ポリグラム, 1994年。音楽CD : 言語コンテンツなし(仮題『民謡でたどるカナダ』)
  • Rayburn, Alan. Naming Canada : stories about place names from Canadian Geographic.(英語)電子書籍。バッファロー州トロント : トロント大学出版局。1994年。(仮題『カナダの地名:〈カナダ地理学会誌〉から』)
  • Canadian Geographical Names Data Base (CGNDB)(英語)(フランス語) Natural Resources Canada. 1995年。オンタリオ州オタワ OCLC 827773746 カナダ地名委員会Canadian Permanent Committee on Geographical Names)。カナダの国営地名管理団体による地名データベース。

外部リンク

[編集]
  • 登攀と写真、随想(英語)センテニアル峰にて、スタン・ローゼンバウム筆(1967年) センテニアル峰登頂隊に随行したローゼンバウムは撮影と記録を担当。