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利用者:Pastern/第六回執筆コンテスト採点

第六回執筆コンテストの採点の詳細。

採点基準[編集]

採点基準は以下の通りです。基準の作成にあたっては、私がもともとそのテーマに関心を寄せているなどといった、編集によって改善することのできない、純粋に主観的な要素を点数に反映させることがないよう気をつけました。 そのテーマで記事を執筆したことの意義を採点基準に含めるかどうかについては迷いましたが、意義の評価にその記事のテーマへの関心が影響することは否めないと判断し見送りました。スタイルに関して細かい注文は出さないつもりです。

採点基準は3つの大項目と6つの小項目で構成されています。全ての項目の配転を合計すると41点です。

  1. 文章(20点)
    1. 文章の読みやすさ。言い回し・表現に違和感はないか。(10点)
    2. テーマについて、様々な観点・視点・側面から特徴をとらえ、詳しくわかりやすく説明しているか。(10点)
  2. 画像(10点)
    1. 記述の理解を助ける活用がされているかを中心に、量・質も考慮。(10点)
  3. 出典・検証可能性(11点)
    1. 参考にした資料の豊富さ。(5点)
    2. 検証がより容易になるよう、脚注を活用して出典を示しているか。また、どの程度丁寧に付けられているか。(5点)
    3. (ボーナス)参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれているか。[1](1点)

採点結果に説得力が出るよう、その点数にした理由を説明するように心がけます。

同点の場合の順位決定法[編集]

コンテストのルール上、同じ順位点を複数の記事につけることはできませんので、上位に同点の記事が複数ある場合には優劣を決める必要があります。そのための方法は以下の通りです。

  1. 6つの小項目のうち、ボーナス項目を除く5項目の点数を比較し、最も点数の高い項目が最も多い記事を最上位にします。
  2. それでも上位の記事が決まらない場合は、ボーナス項目を含めた比較を行い、最も点数の高い項目が最も多い記事を最上位にします。
  3. それでも上位の記事が決まらない場合は、同じ点数であっても厳密にはどの記事がより優れているかについて検討し、最も点数の高い項目が最も多い記事を最上位にします。

結果[編集]

順位 記事名 点数
1 オランダ黄金時代の絵画 36
2 食品サンプル 36
3 櫻間伴馬 35
4 アルプ・シュニットガー 34
5 アルトン・エリス 32
5 ジャンゴ・ラインハルト 32
7 アレクセイ・フォン・ヤウレンスキー 31
8 デイヴィ・グレアム 24

オランダ黄金時代の絵画食品サンプルは36点で同点でしたので、ボーナス項目を除く5項目の点数を比較しました。その結果、オランダ黄金時代の絵画が3項目、食品サンプルが2項目相手を上回りましたので、オランダ黄金時代の絵画が1位、食品サンプルが2位となりました。5位のアルトン・エリスジャンゴ・ラインハルトには順位点がつきませんので同じ順位のままとしました。

採点[編集]

  • アルトン・エリス - 32点。アルトン・エリスという人物の特徴を表現するためにはより多くの証言やデータを集めることが重要だと思いますが、エントリー期間終了時点の版ではそのことがやや不足していた印象があります。エントリー終了後も加筆が続けられていて、最新版を採点すればより高い点数が出ると思います。
  1. 文章 - 14点
    1. 9点 - コメントで指摘したように何点か不自然な表現が見受けられた分、若干評価を下げました。
    2. 5点 - 最新版では大幅に加筆されていますが、評価に関する記述が不足している点はマイナスとなってしまいます。「来歴」節についても渡英後はやや手薄な感じです。
  2. 画像 - 7点
    1. 7点 - 1枚だけですが、パフォーマンス時の表情がよく分かります。
  3. 出典・検証可能性 - 11点
    1. 5点
    2. 5点 - 実に丁寧です。
    3. 1点
  • デイヴィ・グレアム - 24点。採点基準に当てはめるとどうしても点数が低くなりますが、こうした隠れた人物の記事を作成されたことの意義は高いと感じています。
  1. 文章 - 14点
    1. 10点 - 問題は感じませんでした。
    2. 4点 - 記述量の少なさから点数化するとこの点数になってしまいますが、見方を変えれば記述量は少ないながらもデイヴィ・グレアムの特徴の一端を伝えることには成功していると思います。これ以上観点を増やしたり記述量を充実させていくことは実際にはなかなか難しいのかもしれません。
  2. 画像 - 0点
    1. 0点 - 1枚もないということでこの点数になってしまいます。英語版の画像が使用できないのは不運でした。
    2. 0点 - 上に同じです。
  3. 出典・検証可能性 - 10点。
    1. 5点
    2. 5点 - 実に丁寧です。
    3. 0点 - 日本語の文献がないのは仕方がない面もあるとは思います。 
  • ジャンゴ・ラインハルト - 32点。特徴ある演奏方法とその背景が伝わってくる記事です。基本的な枠組みは出来上がっている印象ですので、あとはそれぞれの観点について材料をより多く集めることで充実していくと思います。
  1. 文章 - 16点。
    1. 10点 -問題は感じませんでした。
    2. 6点 - 演奏法や影響についての記述から、人物の特徴が伝わってきます。同時に資料次第という面もありそうですが、これらをより掘り下げていく余地も残されていそうだと判断いたしました。情報をまとめて記述する余地(例えば、公演をすっぽかす、遅刻するといった行動に関して)もありそうです。
  2. 画像 - 6点
    1. 6点 - 活躍した時代の関係から、画像の収集には難しい面があったと思います。パフォーマンス時のものはないものの、盟友ステファン・グラッペリとともに楽器を持って映っている画像がよかったです。
  3. 出典・検証可能性 - 10点
    1. 5点
    2. 4点 - 脚注の付け方は実に丁寧です。コメントで指摘したように『ジャンゴ・ラインハルトの伝説』と『ジャンゴ・ラインハルト伝 ジャンゴ わが兄弟』についてもう少し詳細に頁数を示して頂ければ満点でした。
    3. 1点
  • 食品サンプル - 36点。まず記事名が興味を引き、読んでみて「このテーマでここまでの記事ができるのか」と思わされる記事です。野瀬氏の著書1冊に大きく依存していることが唯一にして最大の課題といえそうで、採点にも影響しました。
  1. 文章 - 18点
    1. 10点 - とても読みやすく、問題は感じませんでした。
    2. 8点 - 他の模型との違いや日本国外の事情にも触れており、観点は豊富です。同時に野瀬氏以外文献を参照することで観点を増やし、掘り下げていく余地も残されていると感じました。
  2. 画像 - 8点
    1. 8点 - フォークが宙に浮いたスパゲティ、ヘラが宙に浮いたヤキソバの画像が揃えられた点がプラスに作用しました。ハードルが高いかもしれませんが、Wushiさんがコメントされたように製作過程の画像があれば完璧でした。質について、ガラス越しに撮ったことで照明の光が反射しているものがいくつかあったころから若干評価を下げました。やむを得ない部分ところだとは思いますが。
  3. 出典・検証可能性 - 10点
    1. 4点 - 参考文献の数としては十分だと思います。野瀬泰申『眼で食べる日本人』1冊に大きく頼っている点は、ジャンルを考えればやむを得ないところでかもしれませんが若干マイナスに作用しました。
    2. 5点 - 実に丁寧です。
    3. 1点
  • 櫻間伴馬 - 35点。芸一筋に生きた人生が伝わってくる記事でした。最新版は採点した版よりもさらに完成度の高い記事となっている印象です。
  1. 文章 - 18点。
    1. 10点 - とても読みやすく、問題は感じませんでした。
    2. 8点 - 様々な側面から厚く記述されている印象です。とくに舞込みの説明が素晴らしいと感じました。否定的な評価について言及している点も印象に残りました。一方、いくつかの用語の解説とコメント期間開始後に加筆された「能楽界への影響」への言及については、マイナスとなりました。
  2. 画像 - 6点。
    1. 6点 - 昔の人物なので、質に制約があるのはやむを得ないところでしょう。舞台での立ち姿を写した画像があることがプラスに作用しました。個人的な要望として、「花のよう」と称された青年時代の画像があれば見てみたいです。
  3. 出典・検証可能性 - 11点。
    1. 5点
    2. 5点 - 実に丁寧です。
    3. 1点
  • アルプ・シュニットガー - 34点。コメントでも述べたように、職人として名声を得たにも関わらず出生や生い立ち、最期に関して不明な点が多いというところが面白く、楽しんで読めました。ただ詳細に内容を検討すると、翻訳元が抱える問題点の影響を受けた部分が少なからずあるという印象です。
  1. 文章 - 17点。
    1. 9点 - 読みやすい構成をしていると感じました。同時にコメントで指摘した箇所のほか、「結婚から子供が誕生」(「素性」節)など、ところどころ言い回しを改善する余地があると感じた箇所もありました。
    2. 8点 - 観点はとても豊富です。一方コメントで指摘した通り、「構造上・音響上の特徴」節の記述やオルガン製造に関する特権についてなど、もう少し説明が欲しいと感じる箇所がありました。
  2. 画像 - 8点。
    1. 8点 - 現存するアルプ・シュニットガー製造のオルガンのほとんどを見られる点がよかったです。これは地理的な関係から執筆者の方にご対応頂くことは難しいでしょうが、記述の内容を理解しやすいようオルガンの一部を大きく写した画像があればさらによいと感じました。また、これも難しい要求かもしれませんが、やはり記事のテーマであるアルプ・シュニットガー自身の姿に関する何らかの画像が欲しいとも思いました。
  3. 出典・検証可能性 - 9点。
    1. 5点
    2. 4点 - 丁寧です。ただ「人物像」節の「彼の広く輝かしい商才や経済的な見識は、いくつかの工房の支部が特に1700年頃に繁盛したことからも明白である。」という記述に脚注による出典がない点が気になりました。人物の評価にかかわる事柄については、評価の主体または出典を明記しないと執筆者の個人的な評価と受け取られてしまう可能性があると思います。
    3. 0点 - 本語の文献がまったく含まれないということでこの点数となります。
  • オランダ黄金時代の絵画 - 36点。解説が丁寧で、かつ豊富な画像を参照することができ、絵画やオランダに関する知識がなくてもスムーズに読み進むことができました。
  1. 文章 - 18点。
    1. 9点 - 1つ1つの文章は読みやすいです。ただ、コメントでも申し上げたように「風俗画」節に「肖像画や歴史画を描く画家は非常に高く評価され…」という文が置かれている理由はよく分かりませんでした。
    2. 9点 - 丁寧な説明がされているという印象を受けました。ただ、コメントで述べたように一部整合性に疑問を感じた箇所もありました。
  2. 画像 - 9点。
    1. 9点 - 豊富な画像が記事を理解する上で大きな助けとなっています。オランダの絵画に影響を与えたと書かれてる隣国フランドルやイタリアの絵画を配置し、影響についても視覚的に把握できるようにすることでより理解しやすくする余地があるとも感じたため、満点とはなりませんでした。
  3. 出典・検証可能性 - 9点。
    1. 5点
    2. 4点 - 「風景画」節の冒頭や「絵画のジャンル」節が手薄で、ややムラがある点が気になりました。
    3. 0点 - 日本語の文献がまったく含まれないということでこの点数となります。
  • アレクセイ・フォン・ヤウレンスキー - 31点。翻訳元の記事に依拠する部分が大きく、したがって翻訳元の記事が抱える様々な問題点が解消されなかったため、点数に影響してしまったという印象です。日本語の文献をもとに加筆を行うことが可能であれば、内容は大幅に充実するはずだと思います。
  1. 文章 - 16点。
    1. 9点 - 一つ一つの文は読みやすいのですが、コメントで指摘したように前半を中心に情報が錯綜していて読み進みづらいところがありました。
    2. 7点 - 盛り込まれている情報量自体は多いと思います。ただコメントで指摘したように、意味が取りづらい文章や対応する文が見当たらない記述が複数ありました。また、評価や後世への影響など観点を増やす余地があるように思います。
  2. 画像 - 7点。
    1. 7点 - 代表的な作品である「抽象的な頭部」の画像がある点、ヤウレンスキーにゆかりのある場所の画像を配置して読者の想像力を高めようとしている点がよかったです。著作権の関係上困難な部分もあるとは思いますが、やはり作品の画像をもう少し、それから記事のテーマであるヤウレンスキー自身の姿に関する画像が欲しいと思いました。
  3. 出典・検証可能性 - 8点。
    1. 5点
    2. 3点 - 全体的にやや甘い印象です。とくに作風や画法などに関する評価は、その主体または出典を示さないと執筆者の独自研究と受け取られてしまう可能性があると思います。
    3. 0点 - 日本語の文献がまったく含まれないということでこの点数となります。

脚注[編集]

  1. ^ Wikipedia:検証可能性#情報源/ソースに、「ウィキペディア日本語版では、可能な限り日本語による情報源を示すべきであり、常に日本語による情報源を日本語以外の言語による情報源より優先して使用するべきです。」とあることによります。