利用者:Pastern/第3回秋の加筆コンクール採点

第3回秋の加筆コンクールの採点の詳細。

採点基準[編集]

私がもともとそのテーマに関心を寄せているなどといった、編集によって改善することのできない、純粋に主観的な要素を点数に反映させないよう努めるのはこれまでと同様です。 スタイルに関してあまり細かい注文を出したり、それを理由に減点をすることはしないつもりです。 また、記事にプラス材料がある場合にはその部分を加点につなげ、単に失点の少なさを競うことにならないよう心がけたいと思います。少々のマイナス材料があってもプラス材料が大きければ高い得点が出るようにします。 採点についてはできるだけ説得力が出るよう、理由を説明するように心がけます。

採点基準は、基本的に3つの項目(44点満点)で構成されています。特別加点により、44点以上の点数が出ることもあります。

  1. 文章・内容(20点) - 文章は読みやすいか(美文である必要はありません)。テーマについて、様々な観点・視点・側面から特徴をとらえ、詳しくわかりやすく説明しているか。配点に占める文章と内容の割合は1:4、つまり文章4点、内容16点です。
  2. 画像・図表(8点) - 記述の理解を助ける活用がされているかを中心に、量・質も考慮。
  3. 出典・検証可能性(16点) - 参考にした資料の豊富さ。また、検証がより容易になるよう脚注を活用して出典を示しているか。さらにどの程度丁寧に活用されているか。
  4. 特別加点(1点 - )
    1. 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれているか。[1](1点)
    2. その他、基本的な評価の枠を超えて特に優れている部分があると判断した場合、1つのポイントにつき1点の加点を行うことがあります。

同点の場合の順位決定法[編集]

  1. 上位の記事が決まらない場合は、基本3項目について比較を行い、最も点数の高い項目がより多い記事を上位にします。
  2. それでも上位の記事が決まらない場合は、エントリー期間終了時の版を採点し比較します。まず総得点を比較し、同点の場合は基本3項目について最も点数の高い項目がより多い記事を上位とします。
  3. それでも上位の記事が決まらない場合は、特別加点の有無、加点ポイントの多さを比較し、より点数の高い記事を上位にします。
  4. それでも上位の記事が決まらない場合は、寄せられたコメントに対する対応などコンテストへの参加姿勢を比較し、上位の記事を決定します。

結果[編集]

順位 記事名 点数
1 イタリア統一運動 44
2 条約改正 42
3 陳朝 42
4 鎌倉仏教 41
5 シギショアラ歴史地区 41
6 エイブラハム・リンカーン 39
7 デンマークの歴史 38
8 神戸連続児童殺傷事件 32
8 プリンスルパート 32
10 宮崎勤 28
11 家庭経済学 10
  • 条約改正陳朝は42点で同点でしたので、2位および3位の順位を決めるために以下の比較を行いました
  1. 基本3項目を比較。両記事とも全く同じ配点のため、上位の記事は決まらず。
  2. エントリー期間終了時の版を採点し比較。まず総得点について、条約改正は年表を加えたことで画像・図表に関する点が7点から8点に、陳朝は文章・内容に関する点が19点から20点に上昇しており、再び同点でした。次に基本3項目について比較。文章・内容に関する点は陳朝が、画像・図表に関する点は条約改正が上回っており、出典・検証可能性に関する点は同点のまま。上位の記事は決まらず。
  3. 特別加点の有無、加点ポイントの多さを比較。両記事とも1点で同点。上位の記事は決まらず。
  4. 寄せられたコメントに対する対応などコンテストへの参加姿勢を比較。両記事とも寄せられたコメントに対し誠実に対応し改変を試みるなどしており、甲乙つけがたいものがありました。それでもルール上どうしても順位の先後を決めなければならないことから、どのように判断するかで本当に悩みましたが、条約改正についてはエントリー者がライバルコメントや同分野にエントリーした記事の加筆を積極的に行いつつ寄せられたコメントにも対応していることから、敢えて参加姿勢の積極性で順位を付けるのであれば条約改正が若干上かと判断し、条約改正を2位、陳朝を3位としました。
  • 鎌倉仏教シギショアラ歴史地区は41点で同点でしたので、4位および5位の順位を決めるために以下の比較を行いました。基本3項目を比較したところ、文章・内容に関する点と画像・図表に関する点で鎌倉仏教が、画像・図表に関する点でシギショアラ歴史地区がシギショアラ歴史地区が上回っており、より多くの項目で点数の高い鎌倉仏教が4位、シギショアラ歴史地区が5位となりました。

採点[編集]

  • 神戸連続児童殺傷事件 - 32点。基本的な構成は整っており、サイズの割に読みやすい記事でした。課題もいくつかありますが解決法がある程度はっきりしているものが多いので、今後の発展に期待しています。
  1. 文章・内容 - 14/20点 - 文章については、コメントで指摘したように犯人の視点に引きずられたのではないかと感じる表現があった分を減点しています(3/4点)。内容に関しては、コメントで指摘したように第1・第2の事件への言及が少ない点、井垣康弘氏の著書やインタビューにより、氏の見解について加筆が見込まれる点などを考慮しました。利き腕が左右どちらであったかについては冤罪の根拠ともなっていることから、どこかではっきりと触れておいた方がいいと思います。(「事件の経緯」節か、「右利きと左利き」節のどちらかが妥当なところでは)(11/16点)
  2. 画像・図表 - 6/8点 - 事件現場周辺の画像など、記事の性質を考えればよく揃えられていると思います。
  3. 出典・検証可能性 - 11/16点 - 文献数は豊富ですが、全ての文献について脚注で頁数などを示しているわけではないことや、脚注によって具体的な出典が示されていない箇所も少なからずみられる点を差し引きました。文献探しについては、やはりこれだけの事件ですので、絶版になっている書籍でも図書館等に所蔵されていることが多いだろうと思います。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • 家庭経済学 - 10点。点数としてはどうしても低くなってしまいますが、締め切りを失念されていたことから今回は仕方がないと思います。今後の加筆に期待しています。
  1. 文章・内容 - 8/20点 - 内容に関しては、「概要」節で基本的な枠組みが示されている点などをプラスに評価しました(4/16点)。
  2. 画像・図表 - 2/8点 - 家庭収入の構造が示されている点を評価対象としました。
  3. 出典・検証可能性 - 0/16点 - エントリー期間中には参考文献が示されなかったことからこの点数となります。
  • 条約改正 - 42点。私が以前に執筆した神戸外国人居留地と関連性があることもあり、興味深く読ませていただきました。壮大なテーマについて丁寧に記述されており、内容に対する疑問もほとんど覚えませんでした。日本が近代国家として成長していく過程がダイナミックに描かれており、好みだけでいえばこの記事が一番です。
  1. 文章・内容 - 19/20点 - 全体的にとても分かりやすく書かれています。あえて疑問に感じた点を挙げればコメントで指摘した、森有礼が伊藤博文に条約改正の本交渉入りを進言し伊藤がその旨を倉具視に提案した経緯についてです。
  2. 画像・図表 - 7/8点 - 画像が豊富に用意されています。エントリー期間終了後に年表が追加されたことで、より理解しやすい記事になったと思います。
  3. 出典・検証可能性 - 15/16点 - 文献数は豊富ですし、脚注の活用も「不平等条約の締結」の後半が少し薄いかなと感じる程度で全体にいいと思います。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • デンマークの歴史 - 38点。文章・構成はもちろん地図が豊富で地理的な要素の把握がしやすく、デンマークをはじめ北欧に関する知識が薄い私にもとても読みやすい記事に仕上がっています。今後のさらなる充実を期待します。
  1. 文章・内容 - 17/20点 - 文章・構成ともに読みやすいです(4/4点)。内容面では加筆がされている箇所の充実が目を引く半面、先史時代と現代、とりわけ現代が手つかずなのが惜しまれます(13/16点)。
  2. 画像・図表 - 8/8点 - 地図の類が非常に充実しており、理解を助けてくれました。
  3. 出典・検証可能性 - 12/16点 - 脚注が活用されていない節が複数ある点が減点要因となりました。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • エイブラハム・リンカーン - 39点。文章面の課題が原因で次点となりましたが、エントリー期間終了後積極的に改変が試みられています。エイブラハム・リンカーンの前半生の立項とあわせ、日本語版の利用者にとって最も有名な合衆国大統領の一人であろうリンカーンに関する記事を大きく発展させたことは大変な貢献です。お疲れさまでした。
  1. 文章・内容 - 17/20点 - コメントでも指摘したように、日本語として難解であったり意味がとりにくい箇所がいくつか見られる点は減点となります(3/4点)。この点は内容面(わかりやすさ)にも影響を及ぼしてしまっています(14/16点)。
  2. 画像・図表 - 7/8点 - 肖像の他に2回の大統領選挙の結果や風刺漫画などが揃えられており、なかなか充実していると感じました。
  3. 出典・検証可能性 - 14/16点 - 文献数は非常に豊富です。脚注による出典明記も積極的にされていますが活用がまったくない節があり若干のムラも感じます。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • 鎌倉仏教 - 41点。条約改正と同様、壮大なテーマに果敢に挑んだ記事です。ダブルエントリーでここまでの記事を仕上げたChokorinさんの力量と意欲の高さは素晴らしいと思います。
  1. 文章・内容 - 18/20点 - コメントで述べたような疑問もあり幾分か減点せざるを得ませんが、全体的な完成度は相当に高いと思います。
  2. 画像・図表 - 8/8点 - 画像は豊富ですし、6宗の概要や旧仏教の刷新に関する表が記事の理解を助けてくれています。
  3. 出典・検証可能性 - 14/16点 - コメントで指摘したように気になった個所もあるものの、全体としては高いレベルにあります。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • 宮崎勤 - 28点。現段階で盛り込まれている情報についてはよくまとめられていると思います。情報量の不足が解消されればかなりの充実が見込めそうです。
  1. 文章・内容 - 15/20点 - 文章は読みやすく、現時点で盛り込まれている情報はうまくまとまっている印象を受けました(4/4点)。この人物がどのような事件を起こしたのかについての説明が大きく欠けている点が減点要因となりました。逮捕後のビデオ押収についても、そのことと東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件#影響に書かれているような影響との関係について記述が欲しいと思いました(11/16点)。
  2. 画像・図表 - 2/8点 - 全く使用がありませんが、テーマ的に難しい面もあることを考慮し0点とはしませんでした。
  3. 出典・検証可能性 - 10/16点 - 文献数はやや少ないものの、脚注の活用は丁寧だと感じました。文献探しについては神戸連続児童殺傷事件と同様、やはりこれだけ世間を震撼させた事件ですので、絶版になっている書籍でも図書館等に所蔵されていることが多いだろうと思います。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • シギショアラ歴史地区 - 41点。テーマについてわかりやすくまとめられており、関連する知識が乏しくてもよく理解することができました。
  1. 文章・内容 - 17/20点 - よくまとまっている印象です。記述の深さに関し、コメントで指摘のあった保護政策や建築様式についてより詳細に記述されていれば万全だったかもしれませんが、採点対象の版でも完成度は十分に高いと思います(13/16点)。
  2. 画像・図表 - 7/8点 - 視覚的な把握が重要と思われるテーマについて画像が豊富に使われています。
  3. 出典・検証可能性 - 16/16点 - 文献数は多く、脚注の活用がとても丁寧です。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • プリンスルパート - 32点。英語版からの翻訳とweb文献による執筆とで作られた記事です(市役所のHPが日本語で閲覧出来るとは知りませんでした)。テーマの性質から記述の充実に限界がありそうですが、現状でも比較的よくまとまっている、いい記事だと思います。
  1. 文章・内容 - 14/20点 - 文章や基本的な構成はよく(4/4点)、内容的にも、必要な要素は一通り揃えられている印象です(10/16点)。
  2. 画像・図表 - 6/8点 - 位置に関するものや気候情報など、都市の記事に必要なものは一通り揃っている印象です。
  3. 出典・検証可能性 - 11/16点 - プリンスルパート市役所HPへの依存が大きいですが、テーマ的に致し方ないところだと思います。脚注の活用も、英語版からの翻訳である「歴史」節がやや甘いものの、全体的に丁寧だと思います。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • イタリア統一運動 - 44点。難しいテーマを実にうまくまとめています。記述と画像・図表、検証可能性、いずれをとっても、レベルの高い記事に仕上がっていると思います。
  1. 文章・内容 - 20/20点 - 文章・構成ともに読みやすく、内容にも全くと言っていいほど疑問を感じませんでした。完璧に近いです。
  2. 画像・図表 - 8/8点 - イタリアが統一されていく過程や未回収のイタリアに関する地図が非常に充実しており、理解を大きく助けてくれました。
  3. 出典・検証可能性 - 15/16点 - イストリア難民について触れた箇所は、記事がないだけに脚注の活用があった方がよかったかなと思いますが、全体的に高いレベルにあります。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。
  • 陳朝 - 42点。ベトナムの王朝という私には馴染みの薄いテーマですが、関連知識がなくても理解のしやすい記事に仕上がっています。観点としても政治経済文化などへの言及はもちろん、様々な階層の人々に目が向けられているなど充実していると思います。
  1. 文章・内容 - 19/20点 - コメントで指摘した「医学」節に関する疑問も感じましたが、完成度は非常に高いと思います。
  2. 画像・図表 - 7/8点 - 陳朝の基本的な勢力に関する地図や元軍の侵攻に関する図が揃えられており、充実しています。
  3. 出典・検証可能性 - 15/16点 - 文献数が豊富で、脚注の活用もほぼ完ぺきかと思います。
  4. 特別加点 - 1点 - 参考にした資料の中に、日本語によるものが含まれるため。

脚注[編集]

  1. ^ Wikipedia:検証可能性#情報源/ソースに、「ウィキペディア日本語版では、可能な限り日本語による情報源を示すべきであり、常に日本語による情報源を日本語以外の言語による情報源より優先して使用するべきです。」とあることによります。