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利用者:Ppy6083/sandbox

山根英則と緒川奈々瀬は、二段ベッドのある簡素な部屋で共に暮らしている。二人は元々親同士が親友であり、幼いころから親しくしていた。12年前、両家族で行った旅行の帰りに山根家と奈々瀬が乗っていた車が踏切事故に遭い、後部座席に座っていた英則と奈々瀬だけが助かった。英則はその事故で走ることができなくなり、今も右足を引きずっている。英則はこの事故のことで奈々瀬を恨み、英則自身もまだ思いつかないような「エグい復讐」を果たすと決めているが、奈々瀬を恨む具体的な理由は、英則自身もよく分かっていない。奈々瀬はこの責任を少しでも取ろうと、同居を始めて以来笑わない英則を笑わせるネタを日々考えながら、英則の復讐を待っている。また英則は、度々マラソンに行くといって出かけるふりをして屋根裏から奈々瀬の様子を覗いているが、奈々瀬はこれを知りながら気づかないふりをしている。

ある日英則の同僚、番上が部屋を訪れる。番上は奈々瀬に興味を持ち、彼女の梓に奈々瀬とコンビを組ませて二人の様子を探らせながら、それを口実に度々奈々瀬に会っては関係を迫る。梓は奇妙な二人の関係を気持ち悪がりながらも、マンネリ気味になっている番上に好かれようと応じ続ける。自分が嫌われることを極端に恐れる性格の奈々瀬は、梓と仲良くしてくれることを条件に番上についに体を許すようになる。番上と奈々瀬の関係に気付き腹を立てた梓が包丁を持ち出したところで、屋根裏から一部始終を覗いていた英則がつい声を出し止めてしまう。覗きが明るみに出たことで、奈々瀬は部屋を出ていくことを決める。

翌日英則は、番上と梓に誘われた食事に向かう道中に踏切事故の原因となった奈々瀬の一言をついに思い出す。部屋に駆け戻った英則は、奈々瀬に事故は全てお前の責任だから復讐すると告げる。しかし梓に英則の言葉が事故の原因で、奈々瀬の一言が無ければ二人も助からなかったのではないかと指摘され、英則は愕然とする。奈々瀬はあくまで自分の責任だと主張し言い合うさなか、突如英則が復讐を思いついたと部屋を飛び出し自ら車に轢かれる。

数日後指を切断し包帯だらけの姿の英則が部屋に戻る。

山根英則[編集]

作品中に30歳の誕生日を迎える。無表情で冷たい印象の男。12年前の踏切事故の後遺症で、右足を引きずっている。中学では陸上部、高校では美術部に所属していた。現在は刑務所に勤め、「ボタン」を押す業務を事務的に淡々と行っている。

緒川奈々瀬[編集]

26歳。英則とは親同士が親友で、小さい頃から「お兄ちゃん」と呼んで慕っている。現在は英則と同居している。色気の無いスウェット・伊達めがね姿で過ごす。相手の気持ちを想像するのが癖で、深く考えすぎてしまう。人の顔色ばかりを窺い、いらつかれないか嫌われないかを過剰に気にしている。中学時代はいじめられていた。

番上[編集]

英則の同僚。英則とは対照的に、「ボタン」を押す手が震えてしまう。後半では英則に完全にその仕事を任せてしまっており、余裕を見せる。英則と奈々瀬の関係を面白がり、彼女の梓に調べさせる。梓をぞんざいに扱う一方で、奈々瀬に興味を示し度々関係を迫る。

金森梓[編集]

番上の彼女で、奈々瀬とは小中高の同級生。現在はOLをしている。奈々瀬とは対照的に、きつい香水をつけブランド品に身を包んだ派手な格好をしている。高校時代に奈々瀬にされたことを今も許していない。