利用者:Qnighy/双代数 (圏論)

数学の特に圏論における双代数（そうだいすう、英: bialgebra）は、F-代数と余代数の両方の構造を両立する形で備えた対象のことである。

定義

C を圏とし、 F, G: C → C をその上の自己関手とする。また、 τ: FG → GF を自然変換とする。(このτは分配律と呼ばれることがある。)

このとき、 (F, G, τ)-双代数とは、Cの対象と射の三つ組 (X, f, g) であって、以下の条件を満たすものである。

• f: FX → X (すなわち、 (X, f) は F-代数である)
• g: X → GX (すなわち、 (X, g) は G-余代数である)
• $Gf\circ \tau _{X}\circ Fg=g\circ f$

代数の圏の余代数として

F-代数とその準同型からなる圏を Alg(F) と書く。このとき G は Alg(F) 上の自己関手に以下のようにして持ち上がる。

• ${\overline {G}}((X,f))=(GX,Gf\circ \tau _{X})$
• ${\overline {G}}(h\colon X\to Y)=Gh$

このとき、 (F, G, τ)-双代数は、 ${\overline {G}}$-余代数にほかならない。

余代数の圏の代数として

双対的に、 F を G-余代数の圏の上の自己関手に持ち上げることができる。 このとき、 (F, G, τ)-双代数は、 ${\overline {F}}$-代数にほかならない。