利用者:Quark Logo/sandbox冬将軍
冬将軍(ふゆしょうぐん、英語: General Winter, General Frost, 仏: général Hiver, général Givre)とは厳しい冬の到来の様子を擬人化した表現である。
日本の気象に関する慣用表現では、冬季に周期的に日本列島へ南下するシベリア高気圧(シベリア寒気団)によって寒気が訪れることを指すが、歴史的な意味での冬将軍はこれとは気象現象という意味でも気温の低下度合いからいっても異なる。ロシアの独特の気候で、
解説
[編集]日本では冬将軍が到来すると日本海側に強い降雪をもたらし、太平洋側では乾燥した北西風が吹き荒れる。
標高の高い関東山地を越えて雪雲が東京に流れ込むことは少ない。しかし、太平洋と日本海が最も接近する名古屋~敦賀の間は回廊のような地形である伊吹山地が雪雲の通り道となり、太平洋岸の名古屋周辺に雪をもたらす。
朝鮮半島や中国東北部では、冬将軍は三寒四温となって現れる。冬将軍が到来すると気温は10度以上低下し、去れば元に戻る。7月のソウルの月平均気温が東京とほぼ同じであるにも拘らず1月の月平均気温が、ソウルよりも高緯度の函館とほぼ同じであるのはシベリアとの間に海がなく、北極気団に直撃されるためである。
語源
[編集]ロシアに対する諸外国からの軍事的攻撃は、ロシアにおける冬の厳しい気候によって過去に幾度も失敗してきた歴史がある。
「冬将軍」の語源は、1812年のロシア戦役でのフランス軍の敗退をイギリスの記者が「general frost」と表現したことであるとされる。実際には、モスクワ退却は10月19日から始まっており、この年のモスクワにおける初雪は11月5日であった。
「冬将軍」と歴史
[編集]ロシア(ロシア帝国時代、ソビエト連邦時代)はその気候の利を生かして18世紀の大北方戦争、19世紀のロシア戦役(ナポレオン戦争)、20世紀の独ソ戦(第二次世界大戦)においてそれぞれ交戦国であったカール12世のスウェーデン(バルト帝国)、ナポレオンのフランス(フランス帝国)、ヒトラーのドイツ(第三帝国)の軍隊に甚大な損害を与えたことは有名であり、いずれの敵も撃退されている。
しかし、13世紀に侵攻してきたモンゴル帝国に対してはタイガが凍りつく真冬に侵攻されたために冬将軍が通用せず、モスクワやキエフなどの主要都市が占領されている(冬季のモンゴルはロシア以上の厳冬になるため、モンゴル軍・モンゴル人が寒さに耐えうることも通用しなかった要因の1つである)。また、大北方戦争の冬季戦にあってもロシア軍は上述のカール12世率いるスウェーデン軍に大敗北を喫している。結局、ロシア軍は冬と春を通じての攻城戦を耐え、疲弊したスウェーデン軍に対して夏に攻勢をかけ勝利を収めたのであった。