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利用者:Rabit gti/work01

初期の歴史[編集]

オーストリア学派[編集]

経済学のオーストリア学派は、経済現象の基礎を個人の意図的な行動に置く方法論的個人主義を提唱した[1][2][3][4]。オーストリア学派の呼称は、カール・メンガーらが19世紀後半から20世紀のウィーンで活動した事から生まれた[5]。オーストリア学派による経済理論への貢献には、主観的価値論(en)、価格理論における限界効用理論経済計算論争の系統的論述などがある[6]

ウォルター・リップマン会議[編集]

1930年代に反自由主義の雰囲気が決定的となった中、1938年8月にパリで開催された国際会議のウォルター・リップマン会議には、Louis Rougier、ウォルター・リップマンフリードリヒ・ハイエクルートヴィヒ・フォン・ミーゼス、Wilhelm Röpke、Alexander Rüstow などを含む多数の自由主義グループが参加した。リップマン、Rüstow、Rougierらはレッセフェールの古い自由主義は失敗したため新しい自由主義が必要と主張し、ハイエクやミーゼスはレッセフェールの古い自由主義への非難には参加しなかったが、全参加者は新しい自由主義の研究プロジェクトの必要性に同意した。Rüstowの提案によりこのプロジェクトは「ネオリベラリズム」と呼ばれた。この会議から生まれたネオリベラリズムは主に、強い政府の規制と支配下にある市場経済に対する規制の無い自由とのRüstowの概念に沿っていた[7]。それは反資本主義反共産主義第三の道への試みでもあった。このように初期のネオリベラリズムは、現在一般に認識されているような市場原理主義とはまったく異なった概念であった[7]

モンペルラン・ソサイエティー[編集]

1947年、フリードリヒ・ハイエクは新自由主義の理論や政策を広めるためにモンペルラン・ソサイエティーを設立した。ハイエクらは、古典的自由主義は概念的な欠陥により機能せず失敗したため、その診断と是正のために集中的な議論が必要と考えた[8]

第二次世界大戦後の歴史[編集]

シカゴ学派[編集]

シカゴ学派は、シカゴ大学の教授陣を中心として生まれ、経済学の学術的なコミュニティでは新古典派経済学とも呼ばれている。この学派は政府による介入を批判し、中央銀行による通貨供給を例外として大半の市場に対する規制に反対する。この理論は1980年代までに、新古典派の価格理論や、リバタリアニズムに影響し、ケインズ主義を拒否しマネタリズムを支持した。

ドイツ[編集]

ドイツで新自由主義の概念が最初に構築されたのは、ルートヴィヒ・エアハルトを中心とした新自由主義の経済学者達で、1930~1940年代のドイツで研究開発され、第二次世界大戦後の西ドイツに貢献した[7]。エアハルトは自分自身を「ネオリベラル」と分類し、その分類を受け入れた[9]

チリ[編集]

1960年代、ラテンアメリカの知識階層はオルド自由主義の理念に注目し、しばしばスペイン語の新自由主義(ネオリベラリスモ)との用語を学派名として使用した。彼らは特に社会的市場経済とドイツの「経済の奇跡」に影響を受け、自国への類似政策導入を模索した。1960年代のネオリベラリズムは、独占への傾向に反対して社会的不平等を緩和するために国家政策を使用する事を支持する、古典的自由主義よりも近代的な哲学を意味していた[10]

オーストラリア[編集]

1980年代以降、オーストラリアでは労働党自由党の両党によって新自由主義的な経済政策が実施された。1983年から1996年のボブ・ホークおよびポール・キーティング政権は、経済的な自由化とミクロ経済的改革の政策を追求し、国営事業の民営化、要素市場の規制緩和、オーストラリア・ドルの流動化、貿易障壁の緩和などを行った[11]

  1. ^ Carl Menger, Prinicples of Economics, online at http://www.mises.org/etexts/menger/principles.asp
  2. ^ Austrian School of Economics: The Concise Encyclopedia of Economics | Library of Economics and Liberty
  3. ^ Methodological Individualism at the Stanford Encyclopedia of Philosophy
  4. ^ Ludwig von Mises. Human Action, p. 11, "r. Purposeful Action and Animal Reaction". Referenced 2011-11-23.
  5. ^ Joseph A. Schumpeter, History of economic analysis, Oxford University Press 1996, ISBN 978-0195105599.
  6. ^ Birner, Jack; van Zijp, Rudy (January 25, 1994). Hayek, Co-ordination and Evolution: His Legacy in Philosophy, Politics, Economics and the History of Ideas. London, New York: em:Routledge. p. 94. ISBN 978-0-415-09397-2 
  7. ^ a b c en:Oliver Marc Hartwich,Neoliberalism: The Genesis of a Political Swearword, Centre for Independent Studies, 2009, ISBN 1-86432-185-7, p. 18–19 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "Hartwich"が異なる内容で複数回定義されています
  8. ^ en:Philip Mirowski, Dieter Plehwe, The road from Mont Pèlerin: the making of the neoliberal thought collective, Harvard University Press, 2009, ISBN 0-674-03318-3, p. 16
  9. ^ Ludwig Erhard, Franz Oppenheimer, dem Lehrer und Freund, In: Ludwig Erhard, Gedanken aus fünf Jahrzehnten, Reden und Schriften, hrsg. v. Karl Hohmann, Düsseldorf u. a. 1988, S. 861, Rede zu Oppenheimers 100. Geburtstag, gehalten in der Freien Universität Berlin (1964).
  10. ^ Taylor C. Boas and Jordan Gans-Morse (2009), "Neoliberalism: From New Liberal Philosophy to Anti-Liberal Slogan", Studies in Comparative International Development (ドイツ語), vol. 44, no. 2, pp. 147, 148, doi:10.1007/s12116-009-9040-5, ISSN 0039-3606 {{citation}}: 不明な引数|Comment=が空白で指定されています。 (説明)
  11. ^ Cameron Clyde R How the Federal Parliamentary Labor Party Lost Its Way