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利用者:Racetwang/モクロベミド

   

モクロベミド
臨床データ
販売名 Amira, Aurorix, Clobemix, Depnil, Manerix
AHFS/Drugs.com Micromedex Detailed Consumer Information
胎児危険度分類
  • <abbr class="country-name" title="<nowiki>Australia</nowiki>">AU: B3
投与方法 By mouth
ATCコード
法的規制
  • <abbr class="country-name" title="<nowiki>Australia</nowiki>">AU: S4 (Prescription only)
  • <abbr class="country-name" title="<nowiki>Canada</nowiki>">CA: ℞-only
  • <abbr class="country-name" title="<nowiki>United Kingdom</nowiki>">UK: POM (Prescription only)
薬物動態データ
生物学的利用能 55-95% (再投与により増加)[1][2]
血漿タンパク結合 50%[2][3]
代謝 肝臓[4][5]
半減期 1-2時間,[5] 4時間(高齢者)[2][6]
排泄 腎臓, 便 (<5%)[3]
識別
  • 4-chloro-N-(2-morpholin-4-ylethyl)benzamide
CAS番号
PubChem <abbr title="<nowiki>Compound ID</nowiki>">CID
IUPHAR/BPS
DrugBank
ChemSpider
UNII
KEGG
ChEBI
ChEMBL
CompTox Dashboard (<abbr title="<nowiki>U.S. Environmental Protection Agency</nowiki>">EPA)
ECHA InfoCard 100.163.935 Edit this at Wikidata
化学的データ
化学式 C13H17ClN2O2
分子量 268.74 g·mol−1
3Dモデル (JSmol)
  • Clc1ccc(cc1)C(=O)NCCN2CCOCC2
  • InChI=1S/C13H17ClN2O2/c14-12-3-1-11(2-4-12)13(17)15-5-6-16-7-9-18-10-8-16/h1-4H,5-10H2,(H,15,17) checkY
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モクロベミド(販売名: Amira, Aurorix[7], Clobemix, Depnil, Manerix [8])は、モノアミン酸化酵素A可逆的に阻害する(RIMA)抗うつ薬で、主にうつ病社交不安障害の治療に使用されている[9][10][11]。日本や米国では未承認だが[12]カナダ、イギリス[13]、オーストラリアなど欧米諸国で承認されている(2000年12月、TGA承認[14])。ホフマン・ラ・ロシュの関連会社が製造している。当初は南アフリカでもロシュ社が販売していたが、特許権が切れ他社のジェネリック品が廉価で販売されたため既に撤退している。

モクロベミドは旧来の非可逆的かつ非選択的なモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)とは異なり、チラミンを含む食品や昇圧薬やと併用しても血圧の有意な上昇は起こらない[15]。またモクロベミドは、抗コリン作用、心血管系、認知、精神運動系の障害がないため、高齢者だけでなく、心血管疾患を持つ人にも有利である[15]

有効性

[編集]

モクロベミドなどのRIMAは、副作用プロファイルが不可逆的で非選択的MAOIに類似しているという誤解のためにあまり多く処方されていない。 [16]しかし、モクロベミドなどのRIMAは他の抗うつ薬に比ベて作用の発現が比較的速く[17] 、副作用の面でも長期的に良好な忍容性を有すると報告されている。 [18]

耐性はなく、モクロベミドは少なくとも1年間はうつ病の治療効果を維持することが確認されている。 [19]

うつ病

モクロベミドは、大うつ病の治療と管理において内因性・非内因性うつ病のいずれにも有効であることが実証されている[20]。さらにモクロベミドは他の抗うつ薬と比較して作用の発現が速く、三環系抗うつ薬より忍容性が大幅に高いことが確認されている。 [21]非常に優れた安全性プロファイルと副作用の発生率が非常に低いことから、モクロベミドはうつ病の患者に積極的に受け入れられる可能性がある[22]。高用量(450mg/日以上)の投与は重度のうつ病に効果的である可能性があり、低用量を投与されたされた患者は、三環系抗うつ薬で治療された患者よりも反応が悪い傾向がある。 [23]

精神病性うつ病、内因性うつ病、メランコリー型うつ病、遅発性うつ病、興奮性うつ病、神経性うつ病はすべてモクロベミドに反応し、非定型うつ病も同様である。[24][25]内因性うつ病は、モクロベミドが最もよく効くと報告されている。 [26] [27]うつ病患者にモクロベミドを投与すると、プラセボに比べ2倍以上の改善が見られる。 [28]抗うつ薬の副作用として懸念されるのは性機能障害であるが、モクロベミドは実際に性欲を高め、また勃起障害射精障害、オーガズムを改善することがわかっている。 [29]また三環系抗うつ薬などの抗うつ薬や不可逆的なMAOでは心血管毒性が懸念されるが、SSRIやモクロベミドなどのRIMAは副作用だけでなく過量投与においても心血管毒性がないか著しく低減されているので選択肢になる。 [30]
興奮性うつ病におけるモクロベミドの有効性は、イミプラミンおよびアミトリプチリンミアンセリンマプロチリンなどの鎮静性抗うつ薬の有効性と同等であり、興奮性うつ病患者の治療反応は、非交感神経性うつ病に見られる治療反応と同様である。しかし、過去に抗うつ薬の使用歴があると、治療効果が得られる可能性は低くなる。モクロベミドにベンゾジアゼピンを追加しても、この患者群に有効であることは確認されていない。 [31]モクロベミドはイミプラミンよりも副作用が少なく [32] [33]TCAと比べて忍容性が高い。 [34] [35]

双極性うつ病

全ての抗うつ薬と同様に双極性うつ病の単剤療法として一般的には推奨されていないが、ある臨床試験では(p=0.05での統計的有意性には達していないものの)モクロベミドはイミプラミンと同様にうつ症状を軽減し、躁転を引き起こすリスクが有意に低かった[36]。これは、双極性うつ病の治療において、MAOIが他の抗うつ薬よりも躁転の可能性が比較的低く、有効性が高いという点で優れているという知見と一致している [37]

気分変調症

モクロベミドは、このうつ病性障害の治療と管理に有効であることがわかっている。 [38]

社交不安障害

モクロベミドは短期および長期のプラセボ対照臨床試験において社交不安障害の治療に有効であることがわかっている。 [39]モクロベミドは有効だが、不可逆的なMAOIほど効果的ではない。 [40]最大限に効果が発現するまでに8〜12週間かかる場合がある。 [41]ただし、アルコール使用障害を併発している場合には治療が失敗するリスクが高くなる。 [42]オーストラリアの医薬品ハンドブックでは、社会不安障害は受け入れられているが認可されていない適応症として記載されている。 [43]社交不安障害の治療におけるモクロベミドの使用は、プラセボと比較より高い用量(300mg/日以上)で反応する傾向があり、さまざまな結果が得られている。 [44]

禁煙

喫煙が大うつ病患者の自己治療となっているという理論に基づき、タバコの煙が持つMAO-A阻害作用をモクロベミドに置き換えることで禁煙率を向上させるため依存性の高い喫煙者を対象にプラセボとの比較試験が行われた。[45]モクロベミドは3か月間投与され、その後中止される。 6か月間の追跡調査では、モクロベミドを3か月間服用した群の禁煙成功率はプラセボ群よりもはるかに高買った。しかし、12か月後の追跡調査では、プラセボ群とモクロベミド投与群の差はもはや有意ではなかった。 [46]

パニック障害

モクロベミドは、パニック障害の治療と管理に有用である。 [47]パニック障害は、オーストラリアの医薬品ハンドブックで受け入れられているが認可されていない適応症として記載されている。 [43]

ADHD

ADHDを持つ人々におけるモクロベミドの有効性を評価する2つの小規模な研究では、モクロベミドが良い結果をもたらすことがわかった。 [24]

線維筋痛症

モクロベミドは、このグループの人々の痛みと機能を改善することがわかっている。 [48]

片頭痛

モクロベミドは、片頭痛や慢性緊張性頭痛の治療に効果的であると報告されている。 [49] [50]

他のMAOIと同様に、モクロベミドなどの可逆的MAOIも、他のさまざまな精神障害に有効である可能性があります。 [24] [51]更年期の顔面紅潮もモクロベミドに反応することがある。 [52]また、モクロベミドはL-ドーパの効果を延長し強化することにより、一部のパーキンソン病患者にも有効である可能性がある。 [53]

大うつ病を対象とした有効性試験において、モクロベミドはプラセボに比べ有意に効果的であり、三環系抗うつ薬および選択的セロトニン再取り込み阻害薬と同じくらい同程度、不可逆的MAOIであるフェネルジンやトラニルシプロミンと比較しやや有効性が低いことが明らかになった。 しかし忍容性については、モクロベミドはSSRIと同等で、TCAや不可逆的MAOIよりも忍容性が高かった。 [54]モクロベミド単体またはSSRIなどの他の抗うつ薬との併用も治療抵抗性うつ病に有効であり、セロトニン症候群を発症することなく併用投与できるというデータが存在するが、このような併用が推奨されるにはさらなる研究が必要である。 [15] [55]追跡調査によると、抗うつ薬の継続的な使用によって長期に渡ってうつ病が改善されること、また少なくとも1年間はモクロベミドが抗うつ薬としての治療効果を維持することも実証されている。この長期的な有効性は、他の抗うつ薬と同等である。 [16]

不可逆的なMAOIを使用している人が全身麻酔を行う場合は実施の2週間前までに投薬を中止する必要があるが、モクロベミドは可逆的に作用するためそのような患者が抗うつ薬治療を継続できる可能性がある。 [56] [57]

デキサメタゾン抑制試験(DST)および血漿・尿中メトキシヒドロキシフェニルグリコール(MHPG)検査により、モクロベミドに反応しやすい人を推定することができる。 [58]

乳児への授乳

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母乳中のモクロベミドの量は非常に少なく(母乳中に回収されるモクロベミドは0.06%)、モクロベミドが授乳中の乳児に悪影響を与える可能性は低いと判断されている。 [8]

子供

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子供に対する安全性と有効性を評価するデータが十分にないため、子供への使用は推奨されない。 [43] [59]

高齢者

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モクロベミドのような可逆的MAOIはノルアドレナリンへの作用により、アルツハイマー病に伴ううつ病の治療に有効がある可能性がある。 [60]認知症患者のうつ病に対してモクロベミドを投与すると、認知機能障害が改善されることが確認されている。 [24]モクロベミドはその優れた安全性プロファイルにより、高齢者のうつ病治療における第一選択薬として推奨されている。 [61]モクロベミドの副作用プロファイルから、高齢者にとって他の抗うつ薬よりも良い選択肢となるかもしれない。 [62]研究によれば、モクロベミドは抗コリン作用薬(スコポラミン)による認知障害に対抗できる可能性があるというデータが存在し、高齢者や認知症の人のうつ病に対して良い選択となる。 [63]

副作用

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副作用の発生率に年齢との相関はないものの、男性よりも女性でより頻繁に発生する。 [64]モクロベミドは一般的に安全な抗うつ薬と見なされており、その良い副作用プロファイルから薬物療法の第一選択薬と見なすことができる。 [65]モクロベミドの副作用は非常に低く[22] 、投与初期に起こる副作用では不眠、頭痛、めまいが報告されている。 [66] モクロベミドは600mgの高用量でも自動車を運転する能力を損なうことはない。 [8] [67]モクロベミドの忍容性は女性でも男性でも同様で、高齢者でも十分な忍容性を示す。 [68]モクロベミドは、抗コリン作用、鎮静作用、または心血管系の副作用がないため、副作用の面では三環系抗うつ薬および不可逆的MAOIよりも優れていることがわかっている[15] [67]

不可逆的MAOIとは異なり、モクロベミドに肝毒性は認められていない。 [69]モクロベミドは他の抗うつ薬と比較して同様の有効性プロファイルを有する一方、耐性および安全性プロファイルの点で、従来のMAOIや三環系抗うつ薬よりも優れている。 [70]モクロベミドは精神運動機能にほとんど影響を与えない。 [71]その他の副作用としては吐き気、不眠、振戦、ふらつきなどがあり、起立性低血圧は、高齢者でもまれな症状である。 [54]モクロベミドでは、400mg以上で末梢反応速度が低下することがあるが、行動毒性や日常生活に関連するその他の障害は発生しない。 [72]モクロベミドは末梢性浮腫を伴うことがある。 [73]

副作用の一部は一過性であり、投与開始から2週間以内に消失する。 [74]モクロベミドの投与による副作用として、重度の倦怠感、頭痛、落ち着きのなさ、神経過敏、睡眠障害などが報告されている。 [75]またいくつかの研究において、一部の患者でうつ病の逆説的な悪化が報告されており[76] 、まれな副作用として自殺または自殺念慮が報告されている。 [77]全体として、抗うつ薬は自殺のリスクを減少させる。 [78]モクロベミドの痙攣促進効果は小さいと考えられているが、 [79]まれに発作が起こることがある。 [80]また、高血圧がごくまれに発生することが報告されている。 [54]

モクロベミドは比較的高い忍容性を有している。以下は、潜在的な副作用とその発生率である。 [81] [82]

一般的な(1%以上の発生率)副作用
  • 吐き気
  • 口渇
  • 便秘
  • 下痢
  • 不眠症
  • めまい
  • 不安
  • 落ち着きのなさ
まれな(1%未満の発生率)副作用

[[Category:モルホリン]] [[Category:ベンズアミド]] [[Category:モノアミン酸化酵素阻害薬]]

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