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渡辺淳(わたなべ じゅん──本名あつし、1922年12月12日─)は評論家(とくに演劇映画)、フランス文学者東京都立大学名誉教授

略歴[編集]

 1922年(大正11)12月12日三重県久居町(現津市)に生まる。宇治山田中学(三年まで、現伊勢高校)、松本中学(現深志高校)、旧制富山高校を経て東京大学文学部仏文学科を卒業(1948年)。

 敗戦後、まず現代仏文学、とくにナチス・ドイツの占領を契機に変貌した新しい文芸・思想の紹介、評論を各種新聞、雑誌、単行本上に発表してデビュ。50年代からは、とりわけ内外の演劇・映画などに軸足を移し、61年から63年までフランスを中心にヨーロッパに遊学、その後も、2000年代はじめまでほぼ二、三年おきに渡欧。演劇・映画の批評・研究を中心に文化一般の評論活動に従事、「東京新聞」、「新劇」、「テアトロ」、「キネマ旬報」、「週刊文春」、「マリ・クレール」などにレギュラーとして執筆、80年代以降は主に単行本出版に力点を置き今日に至っている。

 なお、その間50年代末から90年代初頭にかけ、専任としては東京都立大学(フランス文学科)、共立女子大学(演劇学科)で教授歴任。人類学者、元東京大学教授の故渡辺仁は兄。

主要著作[編集]

  • 『芸術論入門』北条元一、一条重美編、北隆館、1949年(この中に収められた「象徴主義の芸術論―ヴァレリー」は東京大学の卒論に若干手を加えたものである)
  • 『神を信じていた者も神を信じていなかった者も─フランス・レジスタンスの記録』ナウカ社、1951年
  • 『現代フランス文学─新しい動き』白水社、1951年(加藤周一らと共著)
  • 『現代フランス思想─新しい動き』白水社、1951年(森有正らと共著)
  • 『現代のフランス文学─展望と課題』青木新書、1956年
  • 『イヴ・モンタン─人と芸術』社会思想研究会出版部、1959年
  • 『新しい文学─その思想と社会的背景』社会思想研究会出版部、1961年(佐伯彰一、橋川文三らと共著)
  • 『パリの世紀末─スペクタクルへの招待』中公新書、1984年
  • 『スペクタクルの60年代』平凡社、1987年
  • 『カフェ─ユニークな文化の場所』丸善ライブラリー、1995年
  • 『現代演劇101物語』岩淵達治編、新書館、1996年(書中カミュ、サルトル、ロルカ、イオネスコ、バロー、ヴィラール、シェローら多数項目執筆)
  • 『映画と文学の間』清水書院、1997年
  • 『パリ 1920年代─シュルレアリスムからアール・デコまで』丸善ライブラリー、1997年
  • 『パリ開幕 劇場・映画館探訪』丸善ブックス、1998年
  • 『現代演劇のゆくえ─失われたドラマを求めて』丸善ライブラリー、2000年
  • 『パリの橋』丸善ブックス、2004年
  • 『二十世紀のフランス知識人』集英社新書、2004年
  • 『喜劇とは何か─モリエールとチェーホフに因んで』未知谷、2011年
  • 『映画の原典を読む─映像芸術《思想化》の歩み』未知谷、2011年
  • 『断絶と連続─私説《八月十五日》前後』未知谷、2012年

主要翻訳書[編集]

  • ルイ・アラゴン『文化と人間』三一書房、1951年
  • マルセル・ジラール『現代フランス文学事典』白水社、1951年
  • ジャン・ポーラン編『祖国は日夜つくられる』I、II、月曜書房、1951年(小場瀬卓三、安東次男と共訳)
  • アルベール・ソブール『フランス革命』上下、岩波新書、1953年(小場瀬卓三と共訳)
  • ロジェ・ヴァイヤン『奇妙な遊び』白水社、1953年(白井健三郎と共訳)
  • モーリス・デコート『ロマン・ロラン』理論社、1954年
  • シャルル・デュラン『俳優の仕事について』未来社、1955年
  • ロジェ・ヴァイヤン『現代の演劇』書肆パトリア、1956年
  • イヴ・モンタン『頭にいっぱい太陽を』講談社ミリオン・ブックス、1956年
  • マルク・ベーグブデル『アンドレ・ジッド─人と作品』講談社ミリオン・ブックス、1957年
  • ロマン・ロラン『ピエールとリュース』角川文庫、1958年
  • アルベール・メンミ『植民地─その心理的風土』三一新書、1959年
  • ロラン・バルト『零度のエクリチュール 付・記号学の原理』みすず書房、1971年(《付》は沢村昂一訳)
  • ジャン・デュヴィニョー『スペクタクルと社会』法政大学出版局、1973年
  • ニコラ・シェフェール『新しい芸術精神─空間と光と時間の力学』法政大学出版局、1975年
  • ジャン・ヴィラール『演劇の事典』テアトロ社、1976年
  • エドガール・モラン『スター』法政大学出版局、1976年(山崎正巳と共訳)
  • アブラアム・A・モル エリザベート・ロメル『空間の心理学』法政大学出版局、1983年
  • エドガール・モラン『映画 あるいは想像上の人間』法政大学出版局、1983年
  • タデウシ・コフザン『文学とスペクタクル』未来社、1984年
  • ジャン・デュヴィニョー『遊びの遊び』法政大学出版局、1986年
  • ジャン・デュヴィニョー『俳優』法政大学出版局、1997年
  • アンドレ・マルロー『王道』講談社文芸文庫、2000年

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