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利用者:Shusuke88/sandbox

ハムサコヌス
地質時代
古第三紀 始新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : アフリカ獣上目 Afrotheria
階級なし : 近蹄類 Paenungulata
: 長鼻目 Proboscidea
階級なし : 近ゾウ型類 Plesielephantiformes
: フォスファテリウム科 Phosphatheriidae
: ハムサコヌス Khamsaconus
学名
Khamsaconus
Sudre et al., 1993

K. bulbosus Sudre et al., 1993


ハムサコヌス学名Khamsakonus ) とは、ゾウ目(長鼻目)の絶滅した属である。
学名は、5つの尖頭が歯にあったため、「ハムサ = 5つ」(khamsa) の「円錐」(conus) と名付けられた[1]。 歯の化石しか見つかっておらず、最小のテティス獣類でゾウ目と推定されているが、詳細は分かっていない[2]

学名

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属名は、ギリシア語起源のラテン語「therium (=animal、wild beast、動物、)」に、化石の発見地域名「シディ・ダーウィー(Sidi Daoui)」を冠した合成語で、「ダーウィーの獣(哺乳類)」を意味する。

なおカタカナ名はラテン語読み表記をするのが通常であるが、地名等の固有名詞に由来する場合にはその固有名詞の発音から付けられる[3] それであるならば、「ダーウィーテリウム」もしくはモロッコで良く使われるフランス語風に「ドゥーイテリウム」などと表記される可能性もある。

生息時代・生息域

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タイプ標本と思われる骨片
(国立自然史博物館 (フランス))

フォスファテリウムは早期始新世ヤプレシアンに北アフリカのモロッコで生息していた。化石はウルド・アブドゥン盆地から発見されており、同盆地では暁新世後期のエリテリウムや、始新世に生息していたダオウイテリウム等も見つかっており、ゾウ目の起源を探る上で重要な地層となっている[1]

発見

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もともとは、化石ディーラーより軟骨魚類の歯と一緒に入手した2つの左上顎骨の欠片で、1996年に記録された。一つは第四小臼歯(dP4)と第一大臼歯(M1)の組み合わせの化石片であり、もう一つは第三・第四小臼歯(P3-4)と第一・第二大臼歯(M1-2)に加えて犬歯や第三切歯の歯槽まで揃った下顎骨片でありタイプ標本となっている。ウルド・アブドゥン盆地のリン酸塩鉱床から発掘されたものだが、化石の発見者や正確な発見場所は分かっていない。同時に見つかった軟骨魚類(サメ)の生息年代から後期暁世代(サネティアン)と推定されていた[4]

しかし、その後の2000年代の発掘でウルド・アブドゥン盆地の北東に位置するグランド・ダオウイ採掘場から頭蓋骨や下顎骨などのいくつかの化石が発見されたことで、正確な発掘地層の年代を推定することが可能となり、早期始新世のヤプレシアンに生息していたことが判明した[5]

形態

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フォスファテリウムの頭骨

フォスファテリウムは中節骨と思われる骨片を除いて、頭部の化石しか見つかっていない。頭蓋の長さ(=170mm)から、体重は 17kg までで、肩高は 30cm と推測されている[6]。 歯式は、上顎歯は分かっているものの下顎歯に欠損があり もしくは と考えられている[1]。 さらに頭蓋骨の形態など多数の化石による個体差が大きく、ゾウ目では比較的一般的ではあるが、フォスファテリウムも性的二形の可能性を指摘されている[7]

  • 切歯
上顎前歯列は化石が残っていないため良く分かっていない。しかし、上顎骨の歯槽からヌミドテリウム同様に第一から第三切歯(I1-I3)と犬歯が残っていたと考えられている。I2 は最も大きな上切歯であった。対して下顎切歯は2本で、他の原始的なゾウ目同様に下顎第一切歯(i1)が発達している[7]
  • 臼歯
上顎臼歯は最古のゾウ目と言われるエリテリウムよりもより進化したバイロフォドント(二稜歯)に近い形態であるが、ヌミドテリウムダオウイテリウムのような真正バイロフォドントの臼歯と比べると原始的で、両者の中間状態といえる[1]エナメル質は2層構造で、外部の放射状エナメルと内部の HSB とで構成される。より進化したゾウ目の共有派生形質である 3Dエナメルプリズムはまだ獲得していない[8]
下顎においては小臼歯は第三・第四小臼歯以外は非常に小さい歯槽しかないため、犬歯なのか第一小臼歯なのかは明確に判断できず歯式が定まっていない[7]。第二小臼歯(p2)が小さい点はヌミドテリウムを除けば本属の特徴となっている。下顎大臼歯は良く保存された標本が見つかっており、すべてはっきりとバイロフォドントである[1]
  • 頭蓋骨
フォスファテリウムは縦に細長い頭蓋骨を持っている。横から見た場合、歯列は頭蓋骨の中央部分までしかない。眼窩は前縁が第四小臼歯(P4)の上にあり、全体的に前方に位置する。頭頂部の盛り上がりとなる矢状稜英語版は頭蓋骨自体のほぼ半分に広がっている。ゾウ目の頭骨はその重量を支えるため前後方向に短く進化していくが、まだ後頭部が長く伸びる原始的な頭蓋骨の形状をしている[7]
鼻腔は大きく前方に位置し、生前の大きな鼻を示唆しているが、モエリテリウムやヌミドテリウムのものほど容量は大きくない。フォスファテリウムの頭蓋形態に鼻の証拠はないが、眼窩下孔やその下の溝は、前唇を作動させる筋肉への神経伝達の経路を意味しており、のちのゾウ類の鼻の発達の前兆となっている[1]

生態

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フォスファテリウムの顎の化石

フォスファテリウムは非常に原始的な頭蓋骨の形状をしている。一方で大臼歯は(横堤歯 = ロフォドント)であり、始新世もしくは前期漸新世のより最近のゾウ目であるヌミドテリウムバリテリウムと共通している。これはフォスファテリウムの生息していた暁新世から始新世への移行期における初期の栄養適応 (葉食性の食事)を示す証拠と考えられている[7]

またバリテリウムモエリテリウムについては半水棲であったと考えられているが、より原始的なヌミドテリウムについても半水棲であった可能性が高いとされる。フォスファテリウムの体骨格については中節骨と思われる骨片以外見つかっていないため正確な分析はできないが、臼歯の形状より類似の食性を持つと考えられることから、フォスファテリウムの水棲適応の可能性も指摘されている[9]

分類

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2024年現在、以下のような分類体系と考えられている[1]

下位分類

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一種のみで、タイプ標本を研究・保管のために寄贈したローランド・ルボー( Roland Reboul )氏にちなんで、レボウリ ( rebouli ) と名付けられた[4]

上位分類

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最初の発見者である Emmanuel Gheerbrant らは、発見当初(2002)はダオウイテリウムを ヌミドテリウム科 (Numidotheriidae) に分類していた。もっとも科の参照は不明であるとし、仮にヌミドテリウム科に分類しているだけであった[4]

その後、Sanders が incertae sedis 扱いにした SandersBook

始新世前期にモロッコから出土した、フォスファテリウム・ハムサコヌス・ヌミドテリウム・ダオウイテリウム


脚注

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  1. ^ a b c d e f g Evolution and Fossil Record of African Proboscidea
    Sanders (2024)
  2. ^ Cenozoic Mammals of Africa: Chaptor15 PROBOSCIDEA
    Sanders et al. (2010)
  3. ^ 横川浩治. “生物の名前と分類”. 西表島貝類館. 2024年5月26日閲覧。
  4. ^ a b c A new large mammal from the Ypresian of Morocco: Evidence of surprising diversity of early proboscideans
    Gheerbrant et al. (2002)
  5. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「Gheerbrant2003」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  6. ^ Shoulder height, body mass and shape of proboscideans
    Larramendi (2016)
  7. ^ a b c d e Nouvelles données sur Phosphatherium escuilliei (Mammalia, Proboscidea) de l'Eocène inférieur du Maroc, apports à la phylogénie des Proboscidea et des ongulés lophodontes
    Gheerbrant et al. (2005)
  8. ^ Evolution of the tooth enamel microstructure in the earliest proboscideans (Mammalia)
    Tabuce et al. (2007)
  9. ^ Stable isotope evidence for an amphibious phase in early proboscidean evolution
    Alexander et al. (2008)
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参考文献

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  • . 


外部リンク

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Phosphatherium - The Paleobiology Database]