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利用者:Tmonzenet/言語間リンクの探し方

言語間リンクの探し方

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ウィキペディアは日本語版だけではなく、さまざまな言語で展開されている世界的なプロジェクトです。ある記事について、他言語版の同じ主題を用いている記事へとリンクすることを「言語間リンク」と呼んでいます。

言語間リンクの設定には、以下のような様々な利点があります。

  • 辞書の代わりになる。
基本的な用語の解説記事の場合、言語間リンクが適切に設定されていれば、多くの言語版に対応する記事が書かれていることを発見できます。これによって、なじみのない言語でも対応する言葉を簡単に探すことができます。
  • 知識を深める。
いくつかの言語を知っていれば、言語間リンクを辿ることによって、一言語で書かれた記事の範囲を超えて、扱われている主題について知識を深めることができます。まだ十分に掘り下げられていない記事があっても、言語間リンクを辿れば、補完する知識が得られる可能性があります。場合によっては、さまざまな言語の話者によるその話題の扱われ方の違いも知ることができるでしょう。
  • 記事のメンテナンス
記事を書く者にとっても言語間リンクは大きな手がかりになるでしょう。翻訳をおこなう場合はもちろん、画像を添付したい時にも、他言語版の記事において適切な画像が見付かる可能性があります。記事構成やカテゴリーの付与の仕方など、各言語版の記事の比較検討によって参考になる場合があります。また、同一主題についてのカテゴリーを比較すれば、日本語版に不足している記事について示唆を得ることもできるでしょう。

その一方で、言語間リンクの設定はいくつかの難問も抱えています。誤ったリンク設定は最大の問題です。別の記事にナビゲートされることによって、誤解が生じたり、混乱のもとになったりします。

もう一つの主要な問題は、言語間リンクの「ねじれ」の問題です。ねじれが生じる原因の主要なものの一つは、音によるリンクと意味によるリンクとが齟齬をきたしている場合です。一例を挙げれば、日本語版の項目プルームはフランス語版のPlume (homonymie)にリンクしていますが、このフランス語版項目はこの語の意味(羽根)をもとにしてen:Feather (disambiguation)にリンクしています。

英語版だけにリンクするのではなく、さまざまな言語版にリンクすることによって、英語版の欠落を補うことができます。

固有名詞

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固有名詞の場合、言語間リンクがあるかどうか探すのは比較的楽です。まず、その言葉のラテン文字表記を特定します。欧米人の人名の場合は原綴りを探せばよいので一番楽ですが、日本語の人名の場合も単にローマ字に転記しただけでヒットすることがあります。難しいのは中国語、韓国語、ロシア語などの場合です。中国語、韓国語では日本での表記と欧米での表記にずれがあり、推測が難しいことが多くあります。ロシア語の場合はキリル文字を用いるため、ラテン文字表記で何に対応するかが即座にわからないことがあります。

いずれにせよ、ラテン文字表記を特定したら、

で調べてください。Global wikipedia article searchにはマイナー言語版も検索対象とする拡張機能がありますが、サーバー負荷を考えると、つねにそこまで行う必要はないだろうと思います。ヒットしたページを実際に確認すると、表記ゆれのためにヒットしなかったページやマイナー言語版のページへのリンクがすでに付いていることもあります。大切なことは、言語間リンクがひとつもないページにリンクを作ることなので、多少の漏れを気にする必要はありません。あとはボットに任せましょう。

特に歴史上の人名についてですが、ヨーロッパ系の言語では、同じ名前でもまったく違う表記になることがあります(HenryとHenri、Heinrichなど)。この場合は固有名詞といっても同じ名称にならないので注意が必要です。

それ以外

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一般名詞で、各言語によって違う名称を用いている場合には、一括した検索が不可能なので、さまざまな手段を通じて言語間リンクを探す必要があります。

  • 辞書で引く

最も一般的な方法は、その言葉を辞書で引き、それぞれの言語版で対応する項目を検索するということです。英語版だけではなく、ドイツ語版、フランス語版など他の規模の大きな言語版でも探すとよいでしょう。注意点としては、特にその言葉がリダイレクト元になっている場合に多いのですが、辞書では同じ意味の言葉とされていても、記事の内容が同じではない可能性があるということです。言語間リンクを設定してよいかはケースバイケースなので、ちゃんと確認する必要があります。

  • リンクされている記事やリンク元の記事から推測する

特に文学作品の個別記事などでは、その作品の作者についての記事をもとにして対応する記事を見つけることができる場合があります。作者は固有名詞なので多くの場合共通の名称の記事になっており、一括して探すことができます。それぞれのページを開くと、作品一覧があったり、経歴内で言及されていたりします。知らない言語の場合、同じ作品かどうか特定が難しいことがありますが、刊行年などから推測してみましょう。同様の仕方で、映画記事を出演俳優から探したり、歴史的事件をその事件にかかわった人物名から探すこともできます。

  • カテゴリーをもとにして推測する

上記の例と同様の仕方で、カテゴリー間リンクを介して言語間リンクを探していくこともできます。カテゴリーに言語間リンクが張られている場合、それぞれを見比べて、対応する記事がないか探してみましょう。

  • 画像から推測する

ページ内で使用されている画像が項目の内容を端的に表しており、しかもそれがコモンズから呼び出された画像である場合には、それをもとにして言語間リンクが見付かる可能性があります。まずその画像を開き、画像の下にある「コモンズの画像説明ページ」と書かれたリンクをクリックしてみましょう。するとコモンズのページに飛びます。ページ上部にある「利用調査」(英語ではcheck usage)というタブをクリックしてください。その画像が使われている各言語版の記事の一覧が表示されます。それぞれのページをチェックして、どうやら同じ内容の記事だということがわかれば(その言語を読めなくてもある程度まで推測が可能です)、言語間リンクを行ってください。

  • 日本語で検索する

固有名詞とまではいかないが、日本に固有のものでそれに対応する外国語がわからないものについては、その言語版の検索機能を用いて日本語の表現のまま検索してみるのも一つの手です。その言語版の記事内で日本語の対応する言葉が書かれていれば、その記事がヒットします。この場合はそれぞれの言語版を直接調べなければいけないので少々面倒ですが、言語版によって特定分野に強いということがありますので、あたりをつけて調べてみるとよいでしょう。

ボットの活用と注意点

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注意点としては、同じかどうかがはっきりしない時にはリンクをすべきでない、ということです。言語間リンクを一旦行うと、その後のメンテナンスはボットが自動で行うことになる場合がほとんどです。注視している利用者がいる場合はよいのですが、そうでない場合、誤ったリンクのまま長期間放置され、ボットを介してすべての言語版に誤りが広がってしまう危険があります。確信がないのならとりあえずリンクしないでおく、というのも選択肢のひとつです。

言語間リンクについてはボットにメンテナンスを任せればよいので人力でやる必要はない、という意見をたまに見かけます。これは半分しか正しくありません。確かにボットは言語間リンクを比較して足りないリンクを付けてくれるので便利なのですが、上に書いたような理由で、正しくないリンクを作ることが珍しくありません。従って、気が付いたときに人間が確認して、必要に応じて訂正する必要があります。そして、ボットが行っていないもう一つの重要な作業が、最初のリンクを張るということです。ボットは言語間リンクの比較によってリンク付けを行っているので、初めからリンクが張られていないものについては考慮しません。従って、言語間リンクのないページにリンクを張ることは、ボットの円滑な運用に協力することでもあります。