利用者:Toranosuke/虎風荘
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点頭てんかん(てんとうてんかん)はてんかんの一種であり、日本国内では異なる観点から同じ症状を言う用語:West症候群(うぇすとしょうこうぐん)と区別なく用いられる。ICD-10はG404。(「国内では比較的West症候群が良く使われるため以下はこちらで記載する。」と言うんならなんで最初から記事を「West症候群」で立てなかったの?) 原因は周産期脳障害、結節性硬化症をはじめ数多い。症状の特徴は点頭発作と呼ばれる短いスパスム(攣縮)の発作を繰り返し起こしながら収束する、シリーズ形成性に見られる。脳波を測定すると、非常に特徴的なヒプスアリスミアと呼ばれる異常を呈する。年齢依存性があり、3才未満の乳児にしかほとんど認められない。
定義
[編集]1989年の国際てんかん分類ではWest症候群の診断基準として、1:乳児に見られるスパスム(?・・・書いて正しいか不安、乳児スパスムって何か別の定義?)、2:精神運動発達の停止、3:ヒプスアリスミアをあげており、このうち2つ以上の特徴が見られることが定義となる。
点頭てんかんはイスラム教徒の点頭する礼拝に似ていることから名づけられた点頭発作または礼拝様発作などと呼ばれる発作が見られる点を顕著な特徴として定義され、上記の2,3が無くとも診断される場合もある。しかし、これは統一的な意見では無く、ほとんどの症例ではWest症候群と点頭てんかんはオーバーラップしており臨床上はほぼ(←おなじなら要らない!誤解を招く!)同義語として用いられる。
↓この下の箇条書きが国際てんかん分類の3項目と対応していないんでわかりにくい。元々そんな意図が無いんならば最低でも箇条書きはやめるべき。見にくくなるんなら節わけすりゃいい。そして、精神運動発達の停止はここでは全然触れていないけれど、それでいいの?
- 攣縮(スパスム)とは1-3秒程度の短い四肢と頭部が瞬間的に強直(力が入る)発作。強直発作の短いものであるとする意見もある。典型的なものは両手両足を伸ばし頭と一緒に前にガクンと(←臨場感は伝わる・・・けど・・・)体を折れ曲げるような動きが見られる。イスラム教徒の点頭する礼拝に似ていることから点頭発作、礼拝様発作などとも呼ばれる。
- しかし逆に体を伸ばすようなスパスムや、これらような四肢に同時に力が入るのではなく片手や片足だけ、眼球が偏るだけ、声を出すだけの発作の場合もある。この場合は臨床的なスパスムとは言わない。一方ヒプスアリスミアが脳波上認めるときにはこれらの点頭ではない発作もスパスムの形を変えたものであることが強く疑われる。またてんかんの国際的権威Aicardiに寄れば発作が本当にスパスムで無いかを証明するには筋電図により微細な四肢の動きを観察する必要があるとされており実際に臨床上そこまでの検査は煩雑なためし難い。このため国際West症候群協会ではヒプスアリスミアがあれば他の形のものもスパスムであろうと見なすとしている。(←ヒプスアリスミアの説明の前に言い出したらわかんないよ。最低でも後ろの文と入換えなきゃ)
- ヒプスアリスミアとは脳波の形を表す用語。「リズムが無い状態」と言う意味でありもともとある脳波のリズムや他のてんかんで認めるリズムのある脳波異常とは著しく異なる。多くの極波、徐波が色んな場所から不規則にでており印象としては「グチャグチャ」である。(←色んなとかグチャグチャとか・・・俗すぎる表現)
↓3項目と対応させてみたら・・・
- スパスムとは、四肢と頭部が瞬間的に強直(力が入る)する1-3秒程度の短い発作。通常の強直発作よりも短いもの(?・・・書いて正しいか不安)であるともされる。典型的なものは両手両足を伸ばし頭と一緒に前にガクンと体を折れ曲げるような動きが見られる。
- 精神運動発達の停止とは、・・・・・・←後ろの、本疾患の原因で言ってることっぽいけど。どうなんだろ?もしそうで、あとで言うからここではいらないって気だったんなら、全部の文章構成が親切じゃない
- ヒプスアリスミアとは、測定された脳波の形が多くの極波や徐波が不規則にあらわれている現象である。「リズムが無い状態」と言う意味であり、本来の脳波が示す周波や他のてんかんでは認められるリズムのある脳波異常とは著しく異なる。
瞬間的な強直発作のうち、片手や片足だけ、眼球が偏るだけ、声を出すだけといった四肢に同時に現れない発作もあり、これは臨床的にはスパスムとは呼ばれない。しかしながら、ヒプスアリスミアが脳波上に認められるときにはこれらもスパスムが形を変えて現れたものであることが強く疑われる。てんかんの国際的権威Aicardiはこのような発作が本当にスパスムで無いかを証明するには筋電図により微細な四肢の動きを観察する必要があると主張しているが、実際に臨床上そこまでの検査を施すことは難い。このため国際West症候群協会はヒプスアリスミアがあれば他の形のものもスパスムであろうと見なすとしている。←国際てんかん分類の1から3の定義がからみあった複雑な場合は後ろにもってくる。で、精神運動発達の停止がどんなふうにからむのは元々に書かれていないけれど、無いってことでいいんだよね? でも、読んでて変だなと思う。つまり1989年の国際てんかん分類と国際West症候群協会の定義って、一致してないんだ。
- 1989年の国際てんかん分類:2つ以上の特徴。ってことは極端に言えばヒプスアリスミアが無くてもいい
- 国際West症候群協会:ヒプスアリスミアを重視。ヒプスアリスミアがあれば臨床的にスパスムが診察されなくってもあることにしちゃうって、じゃあ四肢の短いスパスムなんて無視していいってコト?って取っちゃう。「補充して」とか「補助的に」とかあれば別
国際West症候群協会が文句を言わなかったのか、それとも1989年よりあとでそういう風に言い出したのか?医学の世界ってそれが当たり前なんだろか?
東京女子医大小児科教授の福山によれば、診断で見極める際の補助的な手引きとして、1歳未満の小児に症状が見られ、普通の抗てんかん薬が効きにくいながらACTH治療では効果を上げる事などを挙げている。←補助的なだから、別な定義ってことで、これも後ろにもってくる。ただ、3つの項目の関係はこれでいいのか、はっきりしてない
※疲れた、もーいいや。店頭てんかんとかWest症候群とか、もっときっちり定義とか決まってるんじゃと思うけど。結論だす。記事が読みにくい。元もとの知識がある人とかはわかるんだろうけど、そーじゃない人にとってはね。ヒプスアリスミアじゃないけど「グチャグチャ」だって結論で終わり。
歴史
[編集]点頭てんかんは、1841年、イギリスの医師William J. Westによりこの疾患を発症した彼自身の息子の症例報告として初めて発表された。その後長らく注目されなかったが、20世紀に入り症候群として認識され、元のWestの発表の記載が詳細で良質であったためこの疾患に彼の名が冠せられた。1952年にはGibbs & Gibbsにより脳波上の特徴的異常であるヒプスアリスミアが発見され診断力の向上に大きく貢献した。1958年には早くもACTH治療が発明されこの治療は現在でも広く行われている。
疫学
[編集]点頭てんかんの発症率はフィンランドの調査では14歳までの累積で0.6%、国内では長崎の調査では出生1万に対し3.1人であり、やや男児に多い。ほとんどの例が3才以下(定義自体で乳児のみを診断基準とすることもあり、その場合は当然全例3才以下。)であり、特に3か月から9か月に多い。
分類
[編集]点頭てんかんは原因の特定または推定される症候性West症候群とそうではない潜因性(無症候性)West症候群に大別される。潜因性の群も、実は微細な奇形が脳にあった場合や、遺伝子異常が解明するなどで症候性に診断が変更されることがある。潜因性と診断されている群は原因が徐々に解明されつつありいずれ多くが症候性に分類されていくと考えられる。
本疾患の原因
[編集]点頭てんかんは症候性West症候群に分類されてゆくものと考え、その原因は周産期脳障害と結節性硬化症が原因が特定されるものの中では最も多く、他にダウン症などの染色体異常、リー脳症・フェニルケトン尿症・白質ジストロフィーやメンケス病などの代謝疾患、脳奇形、サイトメガロウイルス感染などの先天感染、乳児期の髄膜炎・頭蓋内出血・脳腫瘍などの脳に破壊的なダメージを与える疾患などが挙げられる。また遺伝子異常によるものも近年盛んに研究・報告されており男児のみに発症するX連鎖性乳児スパスム(異常遺伝子:ARX遺伝子;Xp21.3-p22.1、STK9遺伝子;Xp22.3)、同じくX連鎖性の点頭てんかんで、CDKL5遺伝子異常などが分かってきている。原因が分からない症例もあり遺伝的な研究の進歩が望まれている。
点頭てんかんの95%には精神運動発達遅滞が合併する。また発症時期から退行を認める。乳児期に発症するためその時期に精神活動の障害されている症状としてあやし笑いをしない、周囲に関心がない、不機嫌が多いとの症状を呈する。点頭発作が親が発作だと思わずに放置し、これらの症状が最初に外来に来る主訴となることも多い。
新生児期に発症し、周産期脳障害に多い大田原症候群と呼ばれるてんかん症候群は約半数が本疾患に移行する。また、本疾患の約半数がレノックス・ガストー症候群と言うてんかん症候群に移行する。
病態生理
[編集]点頭てんかんの詳しい病態生理は研究中であるが、脳幹・視床などの脳の深部が深く病態にかかわっていると考えられ、ここから白質を通り大脳皮質へ電気的興奮が投射されている。一方通常のてんかんはほぼ大脳皮質とその下の白質線維のみが主体と考えられている。乳児期にのみ起こることから白質の髄鞘化形成が病態に影響しているとの研究もある。 また精神運動発達遅滞に関してはヒプスアリスミアが出現することはそのものが脳の活動を抑制したり、脳細胞を破壊するのではないかと言われている。このような臨床上の痙攣発作が無い持続的・頻回な脳波異常は電気的重積状態(ESES)と呼ばれる。一方ヒプスアリスミアではない異常脳波をESESとして呈するてんかんも存在しておりヒプスアリスミアがESESではないという説もあり定まっていない。
治療
[編集]ACTH療法:国内で行われているもので最も効果的な治療薬としてACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が挙げられる。下記のビガバトリンの無い国内ではほぼ唯一効果的な治療と言える。ACTHには天然型と合成型があり、国内では合成型治療薬(ACTH-Z:コートロシンZ(商標))を使用される。治療のプロトコールとしては体重(kg)あたり0.01-0.015mgのACTH-Zを筋肉内に1日1回注射する。連日で2-3週間使用しそのままやめる場合、さらに間隔を広げて2-4週程度かけてゆっくりと中止する場合がある。また0.005mgや1週間など出来るだけ少ない量を目指しているものや、少量から始め効果により増量を試みるものもある。海外では一般にこれらよりも多い量が使用されており双方に言い分があるがアメリカでも日本の量に近づけた少量化の傾向にある。 有効率は文献により大きく異なるが短期的に発作が止まるのは7割程度と言う文献が多い。再発は3割程度と考えられる。
- 薬理:なぜ効果があるのかは仮説の段階でしかない。この治療はてんかんの中でもほとんどWest症候群にしか用いない。ACTHがフィードバックCRHを減少させる事・CRHが動物実験より脳細胞の破壊・てんかんの誘発に関係している事からCRH仮説が良く唱えられる。その他、促進分泌されたステロイドホルモンが脳細胞の転写因子として転写促進する、髄鞘化を促進する、カルシウムの神経細胞内流入を促進する、GABA(A)受容体に促進的に働く、免疫抑制作用により免疫原性のてんかん促進因子を抑制する、などが挙げられている。
- 副作用:ACTHは体内のステロイドホルモンを分泌させる為、基本的には経口ステロイド剤と同じような副作用が起きうる。ほぼ治療中に認めるのは不機嫌・肥満であり、その他重篤な結果を招きかねない物として感染症にかかりやすい(易感染)・心筋肥大・頭蓋内出血・低カリウム血症などが挙げられる。しかし重篤なものは現在の日本のプロトコールでは少なく死亡例はほとんど認めない。欧米の使用量では現在でも文字通り命を掛けた治療である。
経口ステロイド剤:プレドニゾロンなどの治療薬を内服することがあるがACTHよりも副作用が少なくなるわけでもなく、効果が少ないという意見も多いことから国内ではほとんど認めない。
ビタミンB6:体重kgあたり20-40mgと大量のビタミンB6を1-2週程度使用し効果があれば継続する。この治療は副作用が少ないためACTHの前に行われ無効だとACTHに移行することが多い。有効例は10%程度に過ぎず最初からACTHを行う医師も多い。
抗てんかん薬:クロナゼパム、バルプロ酸が比較的よく使われるがやはり有効例が2-3割程度と低い。ビガバトリンは本疾患、特に結節性硬化症が原因の群に特に有効でヨーロッパでは第一選択となっているが残念ながら2007年で厚生省の認可が下りていない。医師と相談し輸入代行業者に頼み取り寄せて内服している例もしばしばある。失明のリスクがありACTHに比べ一長一短である。
外科手術:脳腫瘍や奇形による場合は病巣を取り除く事で改善することがある。全体で適応となる点頭てんかんは1割に満たない。
その他、免疫グロブリン療法、TRH療法、Lドーパ療法などが試みられているが大きな効果は無いと考えられている。
予後
[編集]スパスム自体は治療をせずとも消失するが他の難治なてんかんに移行しやすいと考えられている。
多くの症例がレノックス・ガストー症候群や他のてんかんに移行する。Riikonenの研究によれば、20歳以上となったかつて点頭てんかん患者は1/3のみが発作が2年以上ない状態(てんかんは長い間発作が無くとも何時再発作を起こすか分からないため「~年発作がなかった」と言う事が治癒の代わりになる。)だったと言われる。 潜因性の方が予後が良いとされる。しかし上記のとおりどの患者が本当に潜因性なのかの診断は困難である。
ACTH療法を行いスパスムやその他の発作をうまく治療できても知能の予後は残念ながら基本的に不良である。Hrachovyの研究では治療が効いた群の正常から軽度精神遅滞程度(つまり予後が良い群)は9%、無効群が13%であった。Riikonenの96年の発表では点頭てんかん全体で普通学級に通えたのは17%、特殊学級が7.5%、訓練学級が24.5%、教育が出来ないレベルが51%であった。
生命予後はRiikonenの研究では1割が3才以前に、3割が30歳までに死亡するとされた。しかしこれは原疾患に依ることが多い。(つまり原疾患の生命予後が反映している)
参考文献
[編集]- 清野昌一、大田原俊輔 共著 『てんかん症候群』1999年12月 医学書院
- 浜野晋一郎 著 『小児内科 2002年6月 特集てんかん2 West症候群』
- Aicardi's Epilepsy in Children Alexis Arzimanoglow, Renzo Guerrini, Jean Aicardi
- Steroids in intractable childhood epilepsy: clinical experience and review of the literature. Seizure. 2005 Sep Verhelst H, Boon P, Buyse G
- Is hypsarrhythmia a form of non-convulsive status epilepticus in infants? Acta Neurol Scand. 2007 Lux AL.
- How do the many etiologies of West syndrome lead to excitability and seizures? The corticotropin releasing hormone excess hypothesis. Brain Dev. 2001 Brunson KL, Eghbal-Ahmadi M, Baram TZ
- Current therapy for West syndrome in Japan. J Child Neurol 2000 Ito M, Seki T, Takuma Y.
- Extremely low-dose ACTH step-up protocol for West syndrome: maximum therapeutic effect with minimal side effects. Brain Dev. 2006 Oguni H, Yanagaki S, Hayashi K, Imai K, Funatsuka M, Kishi T, Osawa M.
- The latest on infantile spasms. Curr Opin Neurol. 2005 Riikonen R.
- Towards an international consensus on definitions and standardised outcome measures for therapeutic trials (and epidemiological studies) in West syndrome. Brain Dev. 2001 Osborne JP, Lux A.
- A proposal for case definitions and outcome measures in studies of infantile spasms and West syndrome: consensus statement of the West Delphi group. Epilepsia. 2004 Lux AL, Osborne JP.
外部リンク
[編集]- gooヘルスケア:点頭てんかん [1]
- 子どもと赤ちゃんの病気ガイド 点頭てんかん [2]
- E-medline infantile spasm [3]
- Pediatric epilepsy centor [4]
関連項目
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