利用者:Tsukisuke/案/因果関係 (法学)
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因果関係は、ある事実とそれに起因して発生する他の別の事実とが結びつく関係のこと。特に、民法および刑法分野などで用いられる。
民法
[編集]民法においては、損害賠償及び不当利益の2分野において問題になる。
刑法
[編集]刑法においては、特に結果犯において、既遂か否かを判断する際に問題になる。行為者が行った狭義の行為(身体の動静)と発生した結果との間に、因果関係が肯定されれば既遂の行為であり、否定されれば未遂の行為である。
さらに、結果的加重犯においては、単なる結果犯以上に重要な問題になる場合がある。結果犯は、行為と結果の間に因果関係があるとしても、行為者に故意または過失がなければ罪に問われない。しかし、結果的加重犯は、例えば行為者が被害者に傷害の意思を持って行った傷害行為によって被害者が死亡した場合、行為者は被害者に殺意を抱いていない、つまり殺人の故意はないが、傷害罪よりも重い傷害致死罪に問われる。このように、結果的加重犯においては実行行為と加重結果の間の因果関係の有無が、結果的加重犯か否かに直結する。
因果関係の判断
[編集]因果関係をいつ、どのような場合に認めるかについては諸説の対立がある。
条件説
[編集]条件説は、狭義の行為と発生した結果の間に一般的な条件関係があれば因果関係を認めてよいとする説。つまり「あれ(狭義の行為)がなければ、これ(発生した結果)もなかった」という条件関係公式(conditio sine qua non公式)が言える場合、それはすべて因果関係があるとする見解。判例はこの立場をとるとされる。また、ドイツにおいては判例・学説ともに主流である。しかし、日本においては通説でない。
相当因果関係説
[編集]相当因果関係説(相当説ともいう)は、条件公式のみならず、狭義の行為からその結果が発生することが通常で相当であれば因果関係を認めるとする説。条件関係さえあれば因果関係があるとすれば、のみで日本においては通説であるが、判例の主流ではないとされる。
さらに、相当因果関係説は、相当性の判断基底(相当性の有無を判断する際に何を考慮に入れるか)をめぐり、次の諸説に分かれる。
- 主観説
- 行為時に行為者が予見可能であった事情または認識していた事情を考慮に入れて相当性を判断すべきとする説。
- 客観説
- 行為時に存在していた全ての事情、および行為後に介在した事情のうち、一般人が予見可能であるものを考慮に入れて相当性を判断すべきとする説。
- 折衷説
- 行為当時、一般人に予見可能であった事情、および行為者が認識していた事情を考慮に入れて相当性を判断すべきとする説。