利用者:Untankyouju/sandbox
フラクチャーゾーン(破砕帯、fracture zone)は海底に存在する直線状の地形。中央海嶺のセグメントのずれによって生じたものであり、その長さは数百〜数千kmにわたる。フラクチャーゾーンはトランスフォーム断層の延長上にあり、海嶺軸の外側に位置する。トランスフォーム断層ではプレートが反対方向に動いているため地震活動が活発だが、フラクチャーゾーンではプレートが同じ方向に動いているため地震活動は不活発である。フラクチャーゾーンの存在は過去のトランスフォーム断層運動の存在を意味する。フラクチャーゾーンの両側では海嶺からの距離が異なるため、地殻の形成年代も異なる。なお、フラクチャーゾーンと一体になったトランスフォーム断層のことも広義的に「フラクチャーゾーン」と呼ぶことがあるため、注意が必要である。
形成の構造
[編集]中央海嶺は2つのプレートを押し出す発散境界である。中央海嶺の両側のプレートが動くとき、プレート運動の変化によってトランスフォーム断層が生じる。このプレートが時間とともに移動を続けると、これらの断層は中央海嶺にずれを生じる[1] 。このずれにより、海底に中央海嶺から数百〜数千kmにわたる破砕(fracture)を生じる。 フラクチャーゾーンおよびトランスフォーム断層は異なる特徴を持つ。トランスフォーム断層はプレート境界であり、トランスフォーム断層の両側の地殻は異なるプレートに属する。一方、フラクチャーゾーンではその両側の地殻は同一のプレートに属する[2]。
地形学的重要性
[編集]海底の多くの領域は現在不活発であり(特に大西洋など)、過去のプレート運動を決定するのは難しい。しかし、フラクチャーゾーンを観測することにより、過去のプレート運動の方向や拡大速度などを決定することができる。これは海底の磁気縞模様(地球磁場の反転によって生じたもの)の観測からわかる。磁気縞模様のずれの観測によって過去のプレート運動の方向や拡大速度を決定することができる[3]。同様の手法として、過去のプレート運動の速度を決定するためにフラクチャーゾーンの両側の海底の相対年代を使うことができる。同じ年代の海底がどのくらいずれているかを比べることで、どのくらいの速度でプレートが動いたのかを決定できる[2]。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ “Exploring the Ocean Basins With Satellite Altimeter Data”. NOAA, National Geophysical Data Center & World Data Center A for Marine Geology & Geophysics. 12 February 2016閲覧。
- ^ a b “Oceanic Transform Faults and Fracture Zones”. Columbia University. 12 February 2016閲覧。
- ^ “Understanding Plate Motions”. U.S. Geological Survey. 12 February 2016閲覧。